狼よ落日を斬れ

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1974年/松竹/三隅研次監督
出演/高橋英樹、緒形拳、近藤正臣、西郷輝彦、松坂慶子、太地喜和子、田村高廣、佐野浅夫、本阿弥周子、辰巳柳太郎、ほか

杉虎之助(高橋英樹)は年少より旅の武芸者・池本茂兵衛(田村高廣)について実戦的な剣を学んだ。8年ぶりに江戸へ帰った虎之助は江戸屈指の心形刀流伊庭道場の後継ぎ・伊庭八郎(近藤正臣)と知り合い剣の腕を磨く。
ある日、師の池本より礼子という男装の女剣士(松坂慶子)を京まで連れて来いと伝言を受ける。池本は幕府の密偵で、礼子も親の代からの公儀隠密だった。
京で虎之助は見廻り組を率いて上京した八郎と再会、新撰組の沖田総司(西郷輝彦)、薩摩藩の中村半次郎(緒形拳)とも知り合い意気投合する。だが時代の流れは彼ら4人に数奇な運命を辿らせていく…。

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池波正太郎の原作に基づいた三隅研次監督最後の劇場作品。豪華スターの共演による2時間半超の大作だが、元治元年の池田屋襲撃から明治十年の西南戦争まで十数年間を描くには時間が足りない。時代の激流の中で道を異にしていく4人の若者を描いているのだが、殆どダイジェストのような感覚なのでそれぞれにどういう思考で動いているのかよくわからないし正直言って見終わっても何も心に残らない。出演者の熱演だけが空回りしている作品。

個人的には、前年(1973年)にNHK大河ドラマ「国盗り物語」で主役を演じた3人、信長役の高橋英樹、光秀役の近藤正臣、濃姫役の松坂慶子が再共演している(更に寧々役の太地喜和子も)ことが見所。

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高橋=松坂、近藤=松坂の組合わせは他にもあるけど、高橋=近藤の共演は「国盗り」以外ではこれが唯一か。

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ともに大河常連でありながら共演がなかった高橋と緒方の対決もある(「国盗り物語」の信長と「太閤記」の秀吉の対決!)

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水戸黄門海を渡る

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1961年/大映/渡辺邦男監督
出演/長谷川一夫、市川雷蔵、勝新太郎、野添ひとみ、宇治みさ子、藤原礼子、林成年、小堀明男、佐々十郎、ほか

諸国漫遊の旅を楽しむ水戸黄門(長谷川一夫)、助さん(市川雷蔵)、格さん(勝新太郎)の一行は仙台で謎の幽霊船事件に遭遇。幽霊船は蝦夷松前藩の御用船だった。船に乗りこんだ助格の2人は船底で旧知の松前藩士砂田重助を見つける。重助は公儀献上の蝦夷地の測量図を奪われたと言って死んだ。
黄門一行は蝦夷へ渡るが途中で海賊の一味に襲われ助さんは行方不明に。
測量図を奪ったのは松前藩家老一柳甚左衛門(石黒達也)の手の者だった。甚左衛門は御用商人北海屋(嵐三右衛門)と結んで蝦夷地をわがものにしようと企んでいた。更にアイヌの酋長の1人、ギルタン(千葉敏郎)も大酋長シャグシャイン(長谷川二役)に不満を抱き、甚左衛門らと気脈を通じてアイヌと日本人の対立を煽っていた。
黄門は和平のためアイヌの部落に乗り込むが…。

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天下の二枚目大スター長谷川一夫が白髯の水戸黄門に扮し、市川雷蔵の助さん、勝新太郎の格さんをお供に従えた1作限りの水戸黄門。
おそらくキャスティング面でこれほど豪華な「水戸黄門」はないでしょう。 尤も長谷川先生はフケ役だけやるのはイヤだったと見えて、2役でアイヌの大酋長ジャグシャインも演じています。更に雷蔵さんも他の映画と掛け持ちでもしていたのか途中でいなくなり最初と最後しか登場しないので、長谷川黄門を支えて雷蔵助と勝新格が大活躍!と言う場面が殆どないのは残念。
ストーリーも蝦夷地‎に乗り込んで天下の副将軍の威光が通じないアイヌと松前藩の和解を取り持つと言う複雑な内容で明朗娯楽時代劇らしい面白さには欠けます。
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枯れた淡々とした風味の長谷川黄門。
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雷蔵の助さん、勝新の格さん。
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長谷川二役のシャグシャイン。
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ヒロインはシャグシャインの妹役の野添ひとみ。

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必殺仕掛人(映画版)

必殺仕掛人
1973年/松竹/渡邊祐介監督
出演/田宮二郎、高橋幸治、山村聰、津坂匡章、野際陽子、川地民夫、室田日出男、森次晃嗣、三津田健 ほか
物語。裏家業で殺し屋をしている鍼医者の藤枝梅安(田宮二郎)は、元締めの音羽屋(山村聰)から香具師の平十の後妻・お吉(野際陽子)殺しを依頼される。お吉は代貸しの孫八(川地民夫)と組んで密かに平十に毒を盛って殺し、更に一人息子の為吉(森次晃嗣)も殺して縄張りを乗っ取るつもりだった。梅安は知らなかったが、実はお吉は幼い頃に生き別れた妹だった・・・

人気テレビシリーズの映画化。今では当たり前に行れていますが、斜陽化した当時の映画界にとっては苦肉の策だったのでしょう。ただテレビ版そのままのキャスティングは潔しとしなかったのか、梅安役が緒形拳から田宮二郎に、西村左内役も林与一から高橋幸治に変っています。ファンは不満かもしれませんが、私個人はテレビ版に思い入れはないし田宮さん高橋さんのファンでもあるので問題なし。
原作は知りませんが、梅安の「妹殺し」のエピソードはテレビ版にもありましたね。うろ覚えですがテレビ版の梅安は実の妹と知って殺すんだったと思いますが、この映画では最後まではっきりとは知らないまま。どっちの結末がいいかは好みの問題ですが、映画では余韻の残る描き方がニヒルでダンディな田宮さんのキャラクターに合っていたと思います。
田宮さんはこの時代の映画スターには珍しく殆ど時代劇に出なかった人なので、若手時代のチョイ役除くとこれと「宮本武蔵」しかありません。そう言う意味でも貴重な1本。
高橋さんはテレビ版の林与一さんに比べ無骨、それでいて庶民的で結構明るいキャラクターの左内。クールな高橋さんに慣れているせいか最初はちょっと違和感持ちましたが、見ているうちにだんだん落ち着いてきました。
ちなみに田宮さんと高橋さん、そして田宮さんと山村聰さんの共演は意外にもこれ1本だけのようですね
森次さんは「必殺仕置人」で善人と見せかけて実は大悪人と言う役があったので、この映画も最初どっちだか分らず見ていましたが結局あっさり殺されてしまいました。

必殺仕掛人 梅安蟻地獄
1973年/松竹/渡邊祐介監督
出演/緒形拳、林与一、山村聰、津坂匡章、佐藤慶、小池朝雄、松尾嘉代、津田京子、ひろみどり ほか
物語。梅安(緒形拳)は浪人の小杉十五郎(林与一)から医師・宗伯(小池朝雄)と間違れて襲われる。数日後、梅安は音羽屋(山村聰)から蝋燭問屋の伊豆屋長兵衛(佐藤慶)殺しを頼まれる。伊豆屋は紀州家の侍であったが家老のために藩主を秘かに毒殺。以後、侍を捨てた伊豆屋は家老から金を強請っていたのだった。伊豆屋を尾行した梅安は小杉と再会。宗伯は伊豆屋の実弟だった。小杉は薄幸な女郎お仲(津田京子)の母を犯し自殺に追いやった宗伯を狙っていたのだった・・・。

映画版の第二作。キャスティングはテレビ版と同じ緒形拳と林与一になっています。個人的には田宮&高橋でもう少し見たかった気もしますが、まあ見ていて落ち着くのはやはりこのコンビか。ただし林与一はテレビ版とは役柄が違うので少しややこしい。
お話はテレビシリーズの時間枠を拡大した程度の内容なので、映画版だからと言ってあまりスペシャルな感じはしません。ターゲットは伊豆屋と宗伯だけだし、二人とも仕掛けに手間取るほどの難敵とも思えないのに展開がダラダラし杉。ただ佐藤慶&小池朝雄演じる極悪兄弟の怪演は見所です。

必殺仕掛人 春雪仕掛針
1974年/松竹/貞永方久監督
出演/緒形拳、林与一、岩下志麻、山村聰、夏八木勲、竜崎勝、村井国夫、地井武男、高橋長英、花澤徳衛 ほか
物語。江戸でお千代(岩下志麻)を女首領とする盗賊団による無残な押込み強盗殺人が相次いだ。お千代を親代りとして育てた小兵衛(花澤徳衛)は、子分の勝四郎(夏八木勲)、三上(竜崎勝)、定六(地井武男)を殺せばお千代が立ち直ると考え、音羽屋(山村聰)に仕掛けを依頼する。音羽屋の命を受けた梅安は、千代が昔自分が捨てた女であることを知る…。

映画版の第三作にして最終作には松竹看板女優のお志麻さんが登場。と言うことは、かなり制作に力を入れたのかもしれませんが、個人的には血も涙もない悪女役のお志麻さんはあんまり好きじゃありません。尤も私が物心ついた頃からもうこう言う感じだったですけどね^^;ちなみに緒形拳さんとは後年「鬼畜」でまた共演します。
「花の15期」と呼ばれた俳優座同期生の夏八木勲、竜崎勝、村井国夫、地井武男、高橋長英、小野武彦らが勢揃いで一挙出演(ちなみに今回は何故か出ていないけどテレビ版レギュラーの津坂匡章(現・秋野大作)も同期生)。確か当時、同期の仲間が共同で事務所だか俳優クラブだか運営していたと思うのでたぶんその関係で受けた仕事なんだろうけど、それにしてもこれだけの面子が一同に会した作品は珍しいのでは。先頃亡くなった夏八木さん、若くして亡くなった竜崎さん、いずれも当時は 30代前半ですけど既に貫禄と凄みがあります。


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浮かれ三度笠

1959年/大映/田中徳三監督
出演/市川雷蔵、本郷功次郎、中村玉緒、左幸子、宇治みさ子、かしまし娘、伊沢一郎、小堀阿吉雄 ほか
物語。将軍吉宗(伊沢一郎)は尾張宗春(小堀阿吉雄)を懐柔するため、甥の与一郎と宗春の息女菊姫(中村玉緒)を縁組みさせようとした。その頃、偶然に宗春謀反の連判状を手に入れた江戸の菊姫は、父を諌めようと腰元の渚(宇治みさ子)とともに出奔し尾張に向かい、更に与一郎まで姿を消す。菊姫を捜し出すよう命じられた楠見兵馬(本郷功次郎)は、途中で与三郎と名乗る旅がらす(市川雷蔵)と知り合い道連れになる…濡れ髪シリーズの3作目。

タイトルは「浮かれ」ですがこれも濡れ髪シリーズの第3作。例によって内容上の繋がりはありませんが前作に続き雷蔵&本郷&玉緒のトリオが出演。
今回は雷蔵さんが旅がらすの与三郎こと実は若殿の与一郎で、本郷さんは真面目で女が苦手な若侍役。役柄のバランスは前作より安定しています。
この二人、そして身分を隠して旅する菊姫と渚、女やくざで実は女隠密のお吉(左幸子)、更に与一郎探索を命じられた隠密の黒手組とふくろう組一党が偶然宿で一緒になってしまい、それぞれ身分と目的を秘す彼等が珍妙なやり取りを繰り返すのが前半のお話。
台詞の中に当時流行したギャグなんかがちりばめてあるようなんですが、今見ると何が何だかよくわかりません。反骨の女優で知られた左幸子さんもこういう他愛もない娯楽映画に陽気な役で出ていたことがあるんですね。
終盤は謀反を企てる宗春を死を賭して諌めようとする菊姫、与三郎を庇って死ぬお吉の愁嘆場などがあり、ややシリアスな展開を見せます。最後は、騒動が無事落着した後で嫌々与一郎と見合いすることになった菊姫が、与一郎が実は与三郎だったと知り驚くハッピーエンドの結末。
玉緒ちゃんはシリーズ1作目では脇役でしたが2作目は準ヒロイン、そしてこの3作目ではついにヒロインへと3段出世。宇治みさ子さんは次郎長シリーズの法印大五郎役で知られた名脇役田中春男さんの娘で、この方も昨年亡くなりました。


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関連タグ: 市川雷蔵

濡れ髪三度笠

1959年/大映/田中徳三監督
出演/市川雷蔵、本郷功次郎、淡路恵子、中村玉緒、楠トシエ、中田ダイマル・ラケット、千葉敏郎 ほか
物語。将軍家斉の第三十八番目の若君長之助(本郷功次郎)は岡崎藩に預けられ居候生活を送っていたが、急遽、甲州鷹取藩相続を申し付けられ、家斉との対面のため江戸に向かう。だが自分の娘の生んだ家斉の若君を鷹取藩主にしようとする老中堀尾備前守は長之助を亡き者にせんと暗殺団を送る。偶然刺客から長之助を救った渡世人の半次郎(市川雷蔵)は江戸までの警護を頼まれるが…濡れ髪シリーズの2作目。

今日14日、本郷功次郎さんが心不全で亡くなったとのこと。驚きました。数年前に脳梗塞で倒れられてから活動こそありませんでしたが、その後回復されたと聞きお元気だとばかり思っていたのに…。本当に残念です。

本郷さんと言えばリアルタイムで見ていたのはテレビの「特捜最前線」、橘警部役なんですが、ここ数年ずっと昔の映画ばかり見ていたせいで、最近は逆に大映の映画スターと言う印象のほうが強くなっています。当時は雷蔵、勝新に続く第三の男と言う存在で大作「釈迦」の主演や現代劇の恋愛物などもありますが、やはり代表作は(ご本人は不本意だったかもしれませんが)ガメラ、大魔神でしょうか。

この作品は本郷さんデビュー1年目、21歳の時の出演作と言うことで、若い、と言うよりまだあどけない顔立ちの方が目立ち、後年の男っぽいイメージからは似ても似つきません。台詞回しもやや舌ったらずだし、初々しい姿が見られます。
物語は、「濡れ髪剣法」に続くシリーズ第2作、と言っても内容上の繋がりはなく、前作では雷蔵さんが世間知らずな若殿役だったのが、今回は本郷さんが若殿で雷蔵さんはそのサポートをする役。若殿のトンチンカンな言動を雷蔵さんがたしなめるわけですが、これは正直言ってちょっと面白くない。と言うのも前作は本来はしっかり者の雷蔵さんが世間知らずな若殿を演じているギャップが面白かったんですが、今回は子供っぽい本郷さんが若殿で、雷蔵さんがしっかり者の渡世人では、見た目通りなので意外性が何にもないです。
ストーリーも身売りされる田舎娘おさき(中村玉緒)の身の上話などが絡んできてややしめっぽさが目立ちます。本郷さんも若いが玉緒ちゃんも若い。
最後は、渡世人の半次郎とともに道中する間にすっかり庶民の生活に馴染んだ本郷さんの若殿が、このまま一緒にいたいと言うのを半次郎が懇々と諭す。それで立派な殿様になる…のかと思ったら、結局殿様の座を投げ捨てて半次郎たちを追ってくるところで終わり。一応ハッピーエンドな結末なのはいいんですが、ただそうなるとその前の半次郎の説諭の場面が全然意味をなさないものになってしまうので、物語の構成上はちぐはぐな感も残ります。


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