青い体験

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1973年。イタリア映画。
監督/サルヴァトーレ・サンペリ
出演(吹き替え)/アンジェラ…ラウラ・アントネッリ(池田昌子)、ニーノ…アレッサンドロ・モモ(鹿沼政仁)、イグナツィオ…テューリ・フェッロ(富田耕生)、コラッロ…アンジェラ・ルース(翠準子)、ドン・チリッロ…ピノ・カルーソ(中村正)、ルチアナ…ティナ・オーモン(弥永和子)、アントニオ…ジャンルイギ・チリッジ(曽我部和行)ほか

思春期の少年の年上の女性との初体験を描いた所謂「筆おろし物」の元祖的な映画。80年代はこの手の映画をテレビ東京などでよく深夜に放送していました。まだアダルトビデオなどなかった時代、お世話(?)になった人は多いはず。

物語は急死したイグナツィオの妻の葬儀のシーンから始まります。
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葬儀を終えたイグナツィオと息子3人が帰宅すると、妻が生前に頼んでおいた家政婦のアンジェラ(ラウラ・アントネッリ/声・池田昌子)が来ていました。
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若くて美人で優しくて、しかも色っぽいアンジェラに野郎どもはすっかりメロメロに。 特に父親と長男は露骨なセクハラ合戦を繰り広げます。
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この太ったハゲの父親(テューリ・フェッロ/声・富田耕生)が、いかにもイタリアの陽気なエロオヤジという感じでいい味を出しています。
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一方、二男ニーノ(アレッサンドロ・モモ/声・鹿沼政仁)はそんな父親と兄貴を嫌悪していますが、内心ではアンジェラに興味津々。こっそりアンジェラの部屋に忍び込んで小物の匂いを嗅いだりして妄想を募らせています。
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しかしアンジェラが父親のプロポーズを受け入れて結婚するつもりだと判明。嫉妬に駆られたニーノは2人の結婚を邪魔するためにアンジェラへのいやがらせを始めます。
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家族全員から祝福されて結婚したいと思っているアンジェラは何とかニーノにも認めてもらおうと耐えますが、それにつけ込んだニーノはますますいじめをエスカレート。
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特に圧巻なのは家族の居並ぶ席で神父さんの説教を聴いている時に、ニーノがテーブルの下でアンジェラのスカートに手を入れて無理やりパンツを脱がせるシーン。aoitaiken09.jpg
誰かに気づかれてしまうかもしれないという状況の下で、それでも言いなりに脱がされていく様子が何ともいやらしいです。
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更に図に乗ったニーノは友達を呼んでその前でンジェラにストリップショーまがいのことまで強要します。
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そしていよいよクライマックス。父親と兄貴が不在の嵐の晩、ニーノはアンジェラを脅かして裸になるよう命じます。泣きながらまた裸になるアンジェラ。
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ところが途中から何故か攻守が逆転。アンジェラが「女がどういうものか教えてあげるわ!」とニーノに襲い掛かります。騎乗位で激しく責め立てられたニーノはあっと言う間に昇天。
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やがて結婚式の日。何も知らない父親が有頂天になっている横で、ニーノは「おめでとう、ママ」とアンジェラを祝福するのでした。

と言うわけで、前半は男所帯にやって来た色っぽいアンジェラに魅せられた野郎どもが右往左往する様子がコミカルに描かれますが、後半はアンジェラが色ガキにネチネチといじめられて恐怖すると言う、いささかサイコホラーめいた展開になって行きます(ちなみに原題の「Malizia」は悪意、意地悪という意味)。昔、性に目覚めたての少年目線に同化して見ていた当時はエロいと思えたんでしょうけども、今改めて見るとさすがに終盤のえげつないセクハラは異常としか思えず見るに堪えません。ヌードシーンもありますが、今となっては大したことはありません。
主演のラウラ・アントネッリは若いんだかオバサンなんだかよくわかんないような崩れかけた色気に加えて母性も感じさせるのが結構魅力的です。もしこれがなまじ若くてスタイル抜群の美人かなんかだったら却ってセクシーじゃないかもしれません。
しかしこの映画の一番の見所と言うか聞き所は、吹き替え版でラウラの声を当てているのがオードリー・ヘプバーンの担当声優である池田昌子さんであること。子供の頃池田さんの吹き替えるオードリーの声に魅了された筆者にとってはオードリーそのものと言っても過言ではない存在です。さすがプロだけあってオードリーの時とは声の調子を変えていますが、あの清楚可憐さに艶っぽさが加わった声とアンジェラの切ない表情が絶妙にマッチしています。

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テーマ:洋画 - ジャンル:映画

ダラスの熱い日

1973年/アメリカ/デイヴィッド・ミラー監督
出演/バート・ランカスター、ロバート・ライアン、ギルバート・グリーン、ウィル・ギア、ジョン・アンダーソン ほか
物語。1963年6月、ファーリントン(バート・ランカスター)、フォスター(ロバート・ライアン)、ファーガソン(ウィル・ギア)らタカ派の政財界人が会合しケネディ大統領暗殺を計画する。ファーリントンは実行グループに暗殺の準備をさせる一方、陰謀をカムフラージュするためにリー・ハーベイ・オズワルドと言う男を囮に立てる…。

1963年11月にケネディ大統領が暗殺されてから今年で50年。しかしオズワルド単独犯を断定した公式報告書に対する疑問はいまだ後を断たず、真相は闇に包まれたままです。
この映画は事件の10年後に製作され、ケネディ暗殺が陰謀であると言う仮定のもとに計画から実行までをドキュメンタリータッチで描いています。つまり、後にオリバー・ストーン監督の「JFK」(1991年)が事件後に真相を暴いて行くものだったのとは逆のベクトルでアプローチしています。
「JFK」の場合は主人公が地方検事なだけに、直接手が届くのは下部組織とその周辺だけでした。そこで真相を知るX大佐と言う謎の人物を登場させて事件の背景を語らせていたのですが、この作品では首謀者そのものが登場して密議を企てるところから始まります。と言っても劇中で具体的に彼等の身分は明かされていません。ただ話のそぶりからどうやらCIAや軍部の元高官たちらしいと示唆される程度。なので隔靴掻痒と言うかドラマとしては話のインパクトが少し弱いですね。真偽は別として陰謀と言う前提で語るなら大統領暗殺と言う大それた計画は一介の元高官と少数の実行グループだけで実行できるものではなく、CIAやFBI等を組織的に動かす力がないと難しいでしょう。物語の展開も記録映像の多用がドキュメンタリー効果上げている反面、会話による説明的シーンが多く平板なので、ケネディ暗殺事件そのものに興味を持っていないとちょっと退屈な作り。事件後10年と言うタイミングでなら衝撃的だったことも今となっては物足りなく思ってしまうあたりに半世紀と言う時の重み感じるのでした。


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007は二度死ぬ

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1967年/イギリス/ルイス・ギルバート監督
出演/ショーン・コネリー、丹波哲郎、若林映子、浜美枝、ドナルド・プレザンス、バーナード・リー ほか
物語。アメリカとソ連の宇宙船が謎の飛行物体に捉えられるという事件が起こり、米ソは互いに非難し合い一触即発の状態になる。イギリスの情報機関MI6は宇宙船が日本周辺から飛び立っているという情報をつかみジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)を日本に派遣。日本の公安のトップ・タイガー田中(丹波哲郎)の協力を得て敵の秘密基地に潜入する・・・

日本を舞台に撮影された007シリーズの第5作。
日本に上陸したボンドがまず向かった先は、何故かまだ人力車が走っている銀座。その路地裏を入ると何故か当時の蔵前国技館の支度部屋で、何故か横綱佐田の山(本人)からチケットを受け取り相撲観戦(ちなみに支度部屋の奥にいるのは横綱大鵬。ボンドをけげんそうに見上げているのは柏戸。土俵上の取組は琴桜-富士錦戦)
アキ(若林映子)と接触したボンドは専用の秘密地下鉄(実は丸の内線)でタイガー田中の自宅に案内され、何故か下着姿の美女による入浴とマッサージのサービス。
姫路城が何故か忍者の基地になっており、そこで空手の特訓を受けたボンドは日本人に変装し(全然変装になっていないが)、何故かキッシー鈴木(浜美枝)と偽装結婚して敵の秘密基地に潜入。
・・・と言うわけで、相撲、ゲイシャ、風呂、忍者、空手、etc、欧米人がイメージする典型的なエキゾチック・ニッポンのアイテムがストーリーの中に強引に組み込まれて登場します。大昔テレビで最初に見た時は、日本の奇妙な描かれ方に子供心にも腹が立ったものですが、ファンタジーと思えば今はそれなりに楽しめます。建設費が3億円という火山内の秘密基地セットもいまどきのCGにはないド迫力。
丹波哲郎、若林映子、浜美枝ら日本人俳優は大活躍。丹波さんは英語の台詞が別人に吹き替えられてしまっているのであの低音の渋い声を聞けないのが残念ですが、どんな映画でもあの貫禄は変らないし、日本代表としてコネリーに引けとらない堂々の風格。若林&浜のダブルボンドガールもキュートでセクシー。ちなみにボンドと格闘する用心棒がピーター・メイビア(WWEのレスラー、ザ・ロックの祖父)港でボンドを襲う敵の1人に元笑点の座布団運び松崎真。
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午後の曳航

1976年/アメリカ・日本/ルイス・ジョン・カリーノ監督
出演/サラ・マイルズ、クリス・クリストファーソン、ジョナサン・カーン、アール・ローデス、ほか
物語。イギリスの小さな港町。未亡人の母アン(サラ・マイルズ)と暮らす13歳のジョナサン(ジョナサン・カーン)は「首領」と呼ばれる少年(アール・ローデス)を中心に秘密のグループを作り大人たちに支配された醜悪な世界の破壊を目指していた。或る日ジムは逞しい海の男、航海士のジム・キャメロン(クリス・クリストファーソン)と出会い「英雄」として見て憧れる。だがやがてジムが母と結婚して他の堕落した大人たちと同じになろうとしているのを知って幻滅。仲間とともにジムを誘い出して処刑する…

三島由紀夫の原作小説を翻案した外国映画で、舞台は原作の横浜をイギリスの小さな港町に変えています。原作は大昔読んだので細部は忘れてしまいましたが、ストーリーは概ね同じのようです。でも上っ面を撫でただけで、中身はまあ別物のようですね。まず少年たちが幼稚で、すぐ喧嘩をしたり感情的になったり、いかにも子供なのが減点。ここは、見かけは子供でも常に冷徹かつシニカルに世界を考察しているのでないと意味がないでしょう。それと原作以上にやたら主人公の母子密着度が強すぎるので、単にマザコン少年が母親を奪った愛人を憎悪しているつまらない話にしか見えません。ジムが地味で、こんなもっさりした男のどこに英雄の面影を見出してあこがれたのかさっぱりわからないので、尚更です。なんかテーマを取り違えているんじゃないでしょうか。。良かった点は重厚な海と空の色、格式のある港の佇まい。この雰囲気は日本が舞台だったら出せなかったでしょう。あと首領役の子供は美少年で印象的だったのですが、調べてもこれ以外では特に活躍していないようです。


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Z

1969年/フランス・アルジェリア/コスタ=ガヴラス監督
出演/イヴ・モンタン、ジャン=ルイ・トランティニャン、ジャック・ペラン、イレーネ・パパス ほか
物語。ヨーロッパの某国で野党指導者(イヴ・モンタン)が暗殺される。政府当局は事故死と発表するが、事件を担当した予審判事(ジャン=ルイ・トランティニャン)は死因に疑問を持つ…

ギリシャで実在した暗殺事件に基づいたポリティカル・サスペンス。
20年ぐらい前にテレビの深夜放送で初見しましたが、最初はイヴ・モンタンが主人公かと思っていたのに冒頭30分ぐらいであっさり殺されてしまいびっくり。以後はジャン=ルイ・トランティニャン扮する予審判事が真相を暴いていく展開で、だんだん調査していくにつれ、背後に軍部と右派の陰謀が浮かび上がって来る…と言うお話で、後年の「JFK」を彷彿させます。
終盤、上層部からの圧力にも屈っしなかった判事が次々首謀者の高官たちを起訴していくシーンでは、爽快感が漂います。正義が勝った、これでハッピーエンド、と思いきや…最後の1分に驚くべき結末が。
日本の社会派映画なんかの場合は割と最初から物語の枠組みがはっきりしているのに比べて、この作品の場合は途中までわかりにくいのでとっつきにくいところもあります。その一方で徐々に構図が組み合わさって明らかになって行く面白さは楽しめるかもしれません。


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