あゝ野麦峠

封切時に劇場で見た映画です。でも何でこんなものを見に行ったのか思い出せないんですよね。たぶん学校で割引券貰ったのがきっかけでしょうが、それにしても何故これなのか・・・??
それはともかく、物語は「女工哀史」として知られる、明治期の製糸工場が舞台で糸紡ぎ工女として働く少女たちの過酷な生活を描いたものです。
30年近く前に一度見ただけなので細かい部分は忘れてしまいましたが、富国強兵政策の下、華やかな鹿鳴館の裏側で安い賃金で働かされた挙句ボロ雑巾のように捨てられてしまう悲しい少女たちの姿を大竹しのぶや原田美枝子ら当時の若手女優が熱演していましたね。
個人的には、モロボシ・ダンこと森次晃嗣が製糸工場の血も涙もない若社長を演じていたのに驚いたこと、北林谷栄の「お助け茶屋」の婆さんが例によって上手かったことを印象的に覚えています。

公開/1979年6月9日 製作/新日本映画 配給/東宝 監督/山本薩夫
出演/大竹しのぶ 原田美枝子 友里千賀子 古手川祐子 地井武夫 三國連太郎 ほか



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関連タグ: 山本薩夫 東宝
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座頭市鉄火旅

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あと1人斬ったら刀が折れる!?
座頭市ぴーーーーーーーーんち!!
・・・というお話。
勝新太郎の「座頭市」シリーズ第15作目です(1967年・大映・安田公義監督)

物語。市は足利の宿場で知り合った鍛冶屋の仙造(東野英治郎)から、「あと1人斬ればその仕込み杖は鍔元から折れてしまう」と予言されて堅気になる決意を固め、仙造の世話で旅籠に住み込みの按摩となる。
旅籠を手伝うお静(藤村志保)は、岩五郎(遠藤辰雄、現・太津朗)に殺されて縄張りを奪われた庄太郎親分の養女。育ての親の恩に報いるため義弟(庄太郎の実子)の清吉に跡目を継がせたいと願っていた。しかし岩五郎は清吉と仙造を殺し、更にお静を拉致する。
お静を助けるため、市は刀が折れるのを覚悟で岩五郎の元へ乗り込む・・・。

ということで、座頭市の分身とも言える仕込み杖にも終に寿命が来てしまったという趣向。シリーズ物も15作目ともなるとマンネリ防止にいろいろストーリーに工夫を凝らしているのが伺えます。
物語の最初の方で市は仕込み杖を仙造に預けてしまっているため、殆ど全編、刀なしで話が進みます。従って斬り合いもないまま終盤まで比較的淡々と進むのですが、そこはそれ、「市の刀はいつ折れるのか?!」と言う伏線が張ってあるので、飽きずに最後まで見られます。ただ冒頭いきなりチータ(水前寺清子)が現れて「♪ボロはぁ着ぃててぇもぉ」と歌いだしたのには頭痛くなりましたが(笑)

藤村志保さんは男勝りな性格の娘という役ですが、自分の都合で市に冷たくなったり優しくしたりと態度が変わるのはいささかジコチュー気味。一方、市の方でも助けに行ったのは仙造への情誼からであってお静への特別な感情はないように思われますので、ヒロインとしてはちょっと中途半端な感じです。また、実は仙造の娘という設定がありながら、特に実父との交わりを描くような場面がないのも物足りないです。

ちなみに藤田まこともちょっとだけ出演しています。今から見れば座頭市と中村主水の共演だったわけですが、当時の藤田まことはコメディアンなので、シリアスな絡みはありません。ただ最後に、市に或る「勝負」を挑む場面があります。
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黄金の日日

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1978年のNHK大河ドラマです。
信長や秀吉のような有名武将を主役にした従来の戦国物と違って、自由都市「堺」を舞台に貿易商人・呂宋助左衛門を中心に据えて庶民の視点で描いた歴史ドラマと言われています。歌舞伎役者の市川染五郎(現・松本幸四郎)がテレビ初主演、そしてこのドラマから根津甚八や川谷拓三が一躍人気俳優になって行ったことでも知られます。

個人的には、高橋幸治(織田信長)&緒形拳(豊臣秀吉)の、伝説の『太閤記』コンビが再出演するということで放送開始前から待ち遠しかったのを記憶しています。特に高橋幸治の信長は、それまで親から「『太閤記』の高橋幸治が良かった」と聞かされても自分が知らないものは何とも返事のしようがなかったのですが、このドラマでまさかの復活。そして実際に見た高橋幸治は、彫の深い虚無的な風貌、冷ややかな視線、張りのあるよく通る声・・・期待に違わずまさに「信長」そのものでした。特に表情ひとつ動かさずに朗々と延暦寺焼き討ちを命ずるシーンなどは絶品。一般的に、単に豪快でやたら怒鳴り散らしていれば誰でも信長が務まるかのような観がありますが、内に静かな狂気を秘めた信長を演じられたのは高橋幸治しかいなかったのではないかと思っています。

そしてもう1人、このドラマで忘れられないのは、淀君を演じた藤村志保さんです。出演したのは、終盤の数回だけだったんですけど、凛とした気品のある淀殿の佇まいが、強烈な印象として脳裏に焼きついたものです(ちなみに志保さんと言えばむしろ『太閤記』でのねね役の方が有名ですが、大河ドラマでねねと淀殿の両方を演じたのは志保さんだけです)

ドラマ自体に話を戻すと、一番衝撃的だったのは善住坊鋸引きの回でした。翌日学校で友達と興奮気味にこのシーンを語り合ったことを覚えていますが、今なら残酷過ぎるということで放映できないでしょうね。あと鳥取城兵糧攻めの回も吉川経家に扮した浜畑賢吉の抑制された名演技もあって印象的でした。
ただ全体としては、前半、信長や丹波哲郎の今井宗久などの様々な登場人物が織り成す群像劇的に展開していた時は面白かったのですが後半、大物になった助左が1人で物語を担い秀吉とタメを張るようになってからは話がいかにもウソっぽくて興醒め。いつも品行方正な染五郎の助左より、陽気な藤吉郎から権力を握るにつれだんだんとダークな変貌を遂げていく緒形秀吉の方が裏主役としてむしろ魅力的でした。あと、助左と美緒(栗原小巻)のピュアな恋物語はこのドラマのミソなわけですが、私のように歴史ドラマが見たいだけの者にとっちゃ、全く要らん話でしたね(笑)

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呂宋助左衛門/市川染五郎(現・松本幸四郎)

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織田信長/高橋幸治

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羽柴秀吉/緒形拳

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石川五右衛門/根津甚八

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杉谷善住坊/川谷拓三

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千利休/鶴田浩二、今井宗久/丹波哲郎

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美緒/栗原小巻

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淀君/藤村志保

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吉川経家/浜畑賢吉

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高砂甚兵衛/松本幸四郎(先代、後の松本白鴎)

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関連タグ: 藤村志保

忍びの者 新・霧隠才蔵

「忍びの者」シリーズ第7作(1966年・大映・森一生監督)。

物語。大坂夏の陣で豊臣家を滅ぼした徳川家康(小沢栄太郎)にとって最後の気がかりは、真田残党の伊賀忍者の存在。そこで家康は風魔一族の大十郎(田村高廣)に伊賀忍者狩りを命じる。
霧隠才蔵(市川雷蔵)たちは駿府の家康を狙うが、風魔の罠に落ちた伊賀者たちは1人また1人減って行く。裏切り者と疑われたくノ一のあかね(藤村志保)は身の証しを立てるため1人で将軍秀忠の行列を襲うが、風魔に捕われる。才蔵は何とかあかねを救出するが、とうとう2人だけになってしまう。
そうこうしているうちに家康は病で死んでしまったので、あかねは忍者を捨てて一緒に平穏な暮らしをして欲しいと願う。しかし才蔵はそれを退けて風魔の砦を襲い大十郎を打ち倒す。徳川家を根絶やしするまで才蔵の孤独な戦いはまだまだ続くのだ・・・

ということで、例によって例の如く、追いすがる藤村志保さんを雷蔵が振り捨てて行くという、いつものパターン。
もともと志保さんのあかねは、くノ一に生きることを己の運命を決めていたのに、何を思ったのか才蔵が「女の幸せを考えないのか」とか何とか問うもんだからすっかりその気になってしまったのですが、才蔵の方では鼻っから徳川家を根絶やしにすることしか眼中になくて(って1人で無理だと思うが)結局あかねは取り残されてしまうのでした。

田村高廣が雷蔵の宿敵である冷酷で残忍な風魔のリーダーをかっこよく演じています。
志保さんは忍者装束姿も勇ましく秀忠の行列に突入しますが、それは初めからオトリの空籠だったであっさり風魔に捕まってしまい、両手を縛られて木に吊り下げられ田村高廣に責められます(マニア必見!?あ、私は違いますヨ^^;)。2人がこの後で(同じ年に)『白い巨塔』で里見助教授と東佐枝子を演じていたことを思うと、感慨深いです。また風魔の男どもに輪姦されそうになるのですが、たとえ演技でもむさくるしい男たちが寄って集って来て抱きつかれたりする時はちょっとコワかったりもするんだろうな・・・とか思ったりして(笑)


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プロレスのパンフレット

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80年代のプロレスのパンフレットです。
プロレスの試合は数回見に行ったのですが、手元に残っているのはこれだけ。
いずれも全日本プロレスの試合で、左が1987年の「新春ジャイアント・シリーズ」、右が1988年の「スーパーパワー・シリーズ」のものです(場所はどちらも後楽園ホール)。
「1987新春ジャイアント・シリーズ」では、デビューしたばかりの元横綱・輪島が目玉で、長州たち「ジャパン・プロレス」勢もまだいました(ちなみに、輪島優遇に反発してのちに離脱・新日にUターン)
「1988スーパーパワー・シリーズ」は、アブドーラ・ザ・ブッチャー&タイガー・ジェット・シンの「地上最凶悪コンビ」が目玉・・・のはずだったんですが、肝心のブッチャーが急病で欠場でした(><)。しかし馬場、鶴田、天龍、二代目タイガーマスク(三沢光晴)、ラッシャー木村らお馴染みの顔が勢ぞろいしていました。
あれから20年・・・馬場さん、鶴田・・・もうこの世にいません。さびしい限りです。
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Mishima a life in four chapters

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インターネットで映画「Mishima: A Life in Four Chapters」を見ました。
これは1985年に製作され、緒形拳が三島由紀夫を演じたものの、日本では未公開の作品です(遺族が公開を差し止めたため)。
物語の構成は、1970年11月25日当日の行動を縦軸に三島の生涯が織り込まれ更に代表作『金閣寺』『鏡子の家』『奔馬』などが劇中劇の形で挿入されていくという、やや複雑なもの。
従って三島本人に対する予備知識、或いはそれらの小説を予め読んでいないと理解しにくいし、映画の出来自体も冗漫です
(ちなみに私は学生時代、三島の作品は殆ど読んだのですが、今ではもう忘れてしまいました^^;)。
ただ驚いたのは、かなり克明に史実を再現している点。例えば、例の事件は本当に市ヶ谷でロケしているように見えます。
それともうひとつは豪華なキャスティング。
特に劇中劇として演じられる作品部分は、そのまま独立した映画にしてもよいぐらい。
『金閣寺』には坂東八十助(現・三津五郎)、佐藤浩市、萬田久子、沖直美
『鏡子の家』には沢田研二、左幸子、李麗仙、烏丸せつ子
『奔馬』には永島敏行、勝野洋、根上淳、池部良らが出演しています。
中でも『金閣寺』で主人公溝口を演じた坂東八十助は、現実の映画化作品である『炎上』(1958年)で溝口役だった市川雷蔵に実に良く似ています。いや、八十助が雷蔵に似ているとは昔から言われていたんですけどね。まさか本当に雷蔵役をなぞっていようとは知りませんでした。
出演者は他に加藤治子(三島の祖母)、大谷直子(三島の母)、織本順吉(自衛隊総監)など。
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悪名無敵

勝新太郎&田宮二郎の凸凹コンビが送る「悪名」シリーズの第11作(1965年・大映)。
監督は、シリーズの生みの親でもある田中徳三監督(昨年暮れに87歳でご逝去。合掌)。
藤村志保さんが悪女に扮しています。

物語。朝吉(勝新)と清次(田宮)は、常公(千波丈太郎)に騙されて売春婦にされそうになった家出娘を助け出そうとする。清次の機転で娘を無事故郷に逃がした朝吉は、更に常公とその情婦で売春婦の朱実(八千草薫)を堅気の夫婦にさせる。その足で片山津温泉に逗留した朝吉は、そこで出会った謎の女と一夜をともにする。その女こそ実は売春組織の女親分・百合子(藤村志保)だった・・・

というわけで、八千草薫が売春婦、そして志保さんが売春組織の女親分の役という、清純派女優2人にしては珍しいキャスティングがこの映画のミソです。

志保さんは前髪を額に流す髪型で色っぽさを強調しています。もともと着物姿の姿勢が良くそして目に力のある人ですので、若いながらも(当時26歳)きりっとした女親分の貫禄は十分。
尤も生粋の関東人である志保さんが使う関西弁は、同じく関東人の私が聞いてもたどたどしくてやや違和感アリ^^;周りが関西弁の達者な役者揃いなだけに尚更ですが、そこはご愛嬌ということで。

ただストーリー的には、悪女も恋心ゆえに最後は純情化するというのは、なんともまあ男にとって都合のいい話過ぎて共感が薄いです。単なる悪女ではないからこそ志保さんをこの役に持って来た意図はわかりますが。そもそも、百合子は最初から八尾の朝吉と承知で近づいたのかと思いきや、そうではなく、正体を知らずにいきなり一目惚れというのが納得行きません。だって相手が勝新なんだもん。雷蔵なら許せるけどサ(笑)

田宮二郎は、雷蔵さんもそうですけどたまたま最後に演じていた役と自分自身の運命とが重なってしまったために、後年のイメージがもっぱら「ニヒル」とか一辺倒になっちゃっています。でも一方ではこのシリーズのように明るく軽妙な役柄も持ち味でした。

千波丈太郎はちょっとエキゾチックな今ではあまりいない濃い目の色男顔で、後に「仮面ライダーV3」のドクトルG役として私などには懐かしい役者さん。この映画では、ダメ男が最後に改心するということで、一番感情移入できるキャラかも(笑)あと平泉成がバーテン役で出ていました。こういう知った顔を探すのも昔の映画の楽しみです。

ちなみにこれ以前のシリーズは1~3作までしか見ていないのですが、最初は確か昭和初期、3作目では戦後の闇市が舞台になっていました。でも、この11作目では既に時代が現代(映画公開当時の)まで進んでいるんですな。てことは、朝吉なんてもう50を過ぎているんでしょうか??


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私が公開時に劇場で見た黒澤明監督の映画は『影武者』とこの『乱』の2本。
『影武者』も『乱』も公開された当時には随分とジャーナリズムに貶されたし、私個人も「黒澤はダメだ」と思ったものです。しかし一方で当時を知らない若い世代が見ると意外に「面白い」という感想を持つ人は少なくないようです。確かに虚心坦懐に見れば、そうつまらない映画というわけではないのですが・・・ただ、それだけ黒澤の生前、特に80年代までは、「世界のクロサワ」に過剰な期待があったということなんでしょう。

この映画も、前半までは緊張感があって悪くないのですが、後半は死ぬほど退屈でした(実際、一緒に見に行った友達は途中で寝ていました(笑))。
特に例によって力み返って大目玉をひん剥いた仲代の、大げさな"狂人演技"が延々と続くのにはうんざりしました。赤、青、黄・・・と、まるで信号のように鮮明な色遣いの映像とは裏腹に、作品の意図はイマイチ不明。白黒時代の黒澤作品だったらメッセージや熱気が、たとえ何十年経ってから見ようとむんむん伝わってくるのですが・・・やはり年をとってからはだんだんその力が衰えて来たのでしょうか。
結局これ以降の黒澤作品はあまりにも巨大になりすぎてしまった「世界のクロサワ」の虚名とその評価とが乖離する一方でした。

ちなみにラスト近くで、末の方(宮崎美子)が殺害されてその死体が草むらに臥しているシーン、これは首を切られて当然顔が見えないわけですから代役でも誰でもよかったにもかかわらず、その撮影のためだけにわざわざ宮崎美子本人をロケ現場に呼び寄せたのだとか。真偽は知りませんが、「完全主義者」黒澤を揶揄するネタとして、当時ビートたけしがラジオで面白おかしく話していたことを記憶しています。勿論たけしが「映画監督北野武」になるずっと前の話ですが。
公開日/1985年6月4日 製作/黒澤プロほか 配給/東宝 監督/黒澤明
出演/仲代達矢 寺尾聡 根津甚八 隆大介 原田美枝子 ピーター 井川比佐志 植木等 ほか



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座頭市喧嘩旅

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勝新太郎の当たり役、「座頭市」シリーズの第5作目(1963年・大映・安田公義監督)。

物語。市は旅の途中に、藩士どもから追われる娘・お美津(藤村志保)を助けた。お屋敷づとめをしていたお美津は若殿に手篭めにされそうになって抵抗して、逃げて来たのだ。市はお美津を江戸まで送り届けてやろうとするが、そこへお美津が大店の娘であると知った悪女(藤原礼子)やら駕籠屋(吉田義夫)やらが金目当てに絡んで来て争奪戦になる・・・。

というわけで、終盤には宿場の真ん中で、対立するヤクザ同士を市がまとめて片付けてしまうという、黒澤明監督の『用心棒』張りの展開があります。
この映画にはビッグネームの極悪人も屈強なライバルも出てこないので、専らヒロインである藤村志保さんと市の関わりが話のメインとなっています。しかしただひたすらか弱く、あっちへ連れ去られこっちへ連れ去られ、そのたびにめそめそしているだけの志保さんの存在感は、どうも希薄です。むしろ峰不二子チックな感じのする藤原礼子の悪女振りの方がヒロインとして強烈なインパクトを残しています(ちなみにこの藤原礼子って若山富三郎、つまり勝新の実兄の元奥さんなんだとか)。
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新選組始末記(映画)

近藤でも土方でも沖田でもなく、平隊士の1人である山崎烝から見た新選組を描いた異色作(1963年・大映・三隅研次監督)。

偶然出会った近藤勇(城健三朗、後の若山富三郎)の人柄にほれ込んだ浪人の山崎蒸(市川雷蔵)は、恋人の志満(藤村志保)の制止を振り切って新選組に入隊する。
しかしいざ入ってみると、理想と現実は大違い。
近藤と土方歳三(天知茂)は、卑怯な闇討ちで局長・芹沢鴨(田崎潤)を暗殺して新選組を乗っ取る。しかも葬儀では空涙を流す大芝居を打って、真相を知っている山崎を唖然とさせる。
以来、隊の行き方には批判的な山崎。
それでも近藤はまだ山崎に目をかけているのだが、山崎を憎む土方は沖田総司(松本錦四郎)を使って罠に嵌め切腹させようとする。しかし近藤の計らいで山崎は表向き脱走したということにして、勤皇派の探索の任に就く。
やがて古道具屋に化けていた古高が捕らえられ土方による拷問の末、勤皇派がクーデターを起こすという計画を自白する・・・

ということで、以下池田屋襲撃までが描かれて行きます。
純粋な若者が組織の論理に揉まれて葛藤するという設定は雷蔵&志保コンビの前作「忍びの者」と少し似ています。ただ「忍びの者」での主人公は、組織の歯車であることに飽き飽きして恋人との自由な生活に幸せを見出すのに対して、この作品では逆に、恋人を捨てて組織の一員であることの方を選択します。

志保さんは雷蔵をひたすら想う恋人で女だてらに医者という役柄。知性、純情・・・とくれば、まさに志保さんのためにあったような役。
そして雷蔵には、やはり清潔で一途な若者役が実によく似合う。眠狂四郎も悪くはないのですが、個人的にはこういう雷蔵さんの方が好きです。

また、この映画で主役二人以上に強烈なのは、新選組のダークな面々。
特に天知先生の、これでもかこれでもかと嫌味ったらしい土方は秀逸。若山富三郎もふてぶてしい近藤を好演しています。
更に、山南敬助役がいつもは悪役でお馴染みの伊達三郎というのも凄い配役。策謀、裏切り・・・「誠」の精神なぞはどこへやら。新選組ファンが見たら目を三角にするかもしれません(笑)
ちなみに当時若山33歳、天知31歳(雷蔵も同年)でした。今時こんなに貫禄ある33歳や31歳はいませんな。


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