宇宙大戦争

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1959年/東宝/円谷英二特技監督/本多猪四郎監督
出演/池部良、安西郷子、千田是也、伊藤久哉、高田稔、土屋嘉男、ハロルド・コンウェイほか

1965年、宇宙ステーションが地球侵略を目論むナタール人の円盤の襲撃を受け破壊される。月の裏側にあるナタール人の前線基地を粉砕するために勝宮一郎(池部良)、安達博士(千田是也)らの乗った宇宙ロケットが出発する…

昭和の東宝特撮映画は殆ど子供時代に(テレビ放映も含めて)見ているのですが、これだけは今まで未見でした。怪獣の出て来ない、宇宙人とのバトルだけに特化した特撮なので、わたしのようなあまりSFに興味のないタイプにはちょっと苦手なジャンルです。せめて敵宇宙人が姉妹編「地球防衛軍」のミステリアン並みに個性的ならまだもしなんですが、ナタール人は実体を全く現しません。ただ雑兵みたいのがワラワラ出てきて安西郷子にセクハラ?を働くぐらいの描写しか出場がないので不気味さに欠けます。一方人間ドラマとしても、池部良が安西郷子と恋人同士、土屋嘉男と友人にあるみたいな関係は示唆されているものの、それが物語の上に生かされているとは言い難いです。どうせなら、安西さんをめぐって池部さんと土屋さんが三角関係にあって、最後は2人の幸せを願いながら土屋さんが壮絶な戦死を遂げる、というシーンで終わりにして欲しかったところですが…、でもそれじゃ主役なのに目立たない池部さんがすねちゃうか。
例によってやる気があるんだかないんだかわからない池部さんと、民主党の枝野官房長官が老けたような仏頂面の千田是也さんの脱力系演技にも萎えます。これが平田昭彦さんや志村喬さんだったら、どんなに画面が引き締まったことでしょう。ここに登場するメカとか月面の描写とか、今から半世紀以上前、しかもアポロの月面着陸の10年も前に、想像力と特撮を駆使してこれだけの映画を作ったのは、すごいっちゃあ、すごいです。逆に言えば、そういう条件付きじゃないと見られないのもこの手の古典的SF物のつらいところです。
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関連タグ: 東宝

銭形平次捕物控 雪女の足跡

1958年/大映/加戸敏監督
出演/長谷川一夫、香川京子、船越英二、阿井美千子、中村玉緒、黒川弥太郎、小沢栄太郎、楠トシエ、江戸家猫八、三遊亭小金馬ほか
物語。ある年の師走。銭形平次(長谷川一夫)の留守中に花蝙蝠と名乗る盗賊団が江戸中を荒らしまわるが、平次の子分八五郎(船越英二)と女目明しのお品(香川京子)の活躍で一味は全滅。八五郎とお品、そして松前屋のおきよ(浦路洋子)ら協力した6人は奉行所から褒美を貰う。ところが祝杯をあげた帰り道、八五郎とお品を何者かが襲い、間一髪のところを旅から帰って来た平次が救う。その夜おきよが雪の中で殺され、協力した6人が次々と謎の死を遂げていく…

野村胡堂が創造した捕物小説の主人公・銭形平次は昭和の国民的ヒーローの1人。映像化もされ何人もの人が演じています。私にとってはテレビで18年間連続888回(ギネス記録)に渡って演じた大川橋蔵さんのイメージですが、橋蔵さんの前、映画であたり役だったのは長谷川一夫先生でした。全17作あるうちのこれは14作目です。
お話は、怪盗花蝙蝠の壊滅に協力した者たちが次々怪死を遂げる一方、花蝙蝠が江戸城御金蔵から奪った3万両が行方不明のまま。年内に解決できなければ奉行(黒川弥太郎)の責任を問われるというタイムリミットが迫る中、最後は平次の活躍で鮮やかに事件を解決し目出度く新年を迎えるという、1959年(昭和34年)のお正月興行用映画。
タイトルの雪女は、最初のおきよ殺しの際に現れるのを駕篭かき(猫八&小金馬)が見て腰を抜かす程度で、あんまり意味はないんですが、一見怪談じみた謎の真相を解くのが捕物帖の定番。と言っても辻褄の合わないところだらけだし、死んだと思われていた花蝙蝠の首領の意外な正体も配役見ればすぐわかってしまうのが、ミステリーとしては弱いです。尤も、天下の二枚目長谷川一夫の颯爽たる姿(実際は中年太り、ちょっと息切れ気味^^;)を見せるのが主眼のスター映画なので、細かいことはどうでもいいのでしょう。
銭形平次と言えば、代名詞になっている投げ銭。橋蔵さんの平次は、ここ一番に遠くの敵を倒す時の一撃技だったように記憶しているのですが、長谷川先生は、目の前の敵にもポンポンぶつけています。あんまり投げすぎて銭が切れてしまったのか、小判までぶつけているのが笑えます。
インテリ系二枚目の船越英二さんが八五郎ってミスキャストじゃないかと思えたのですが、意外にもはまっていました。色男から三枚目、果ては「盲獣」のような異常な役まで、芸域の広さは息子さんが及ぶところではありません。清楚可憐なイメージの香川京子さんが女目明し役なのも意外で、普通の着物姿ですけど、十手振りかざして立ち回りのシーンもあります。
楠トシエ、江戸家猫八(先代)、三遊亭小金馬(現・金馬)はこの頃大人気だったNHKのバラエティ番組「お笑い三人組」のレギュラー。映画がテレビの人気を当て込んだキャスティングするほど既に影響を無視できなくなっていたことをうかがわせます(ちなみに、正しくは猫八、小金馬と一龍齋貞鳳が「三人組」なんですけど、貞鳳は何故か出てませんね)

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関連タグ: 大映

日本一のゴマすり男

1965年/東宝/古沢憲吾監督
出演/植木等、浜美枝、中尾ミエ、久保菜穂子、有島一郎、進藤英太郎、東野英治郎、藤田まこと、犬塚弘、人見明ほか

物語。大学を出た中等(植木等)は張り切って後藤又自動車に入社するが、初日にして実力だけでは出世できないことを痛感。ゴマをすって出世することにする。まず係長(人見明)の釣りにつきあい、次は課長(犬塚弘)にゴルフを習い、そして部長(有島一郎)の引っ越しの手伝い。更に常務(高田稔)の家の虫干しの片付けを手伝い、パーティーに招待される。そこでは親会社の大社長(東野英治郎)の娘(中尾ミエ)と知り合い…植木等の日本一シリーズ3作目

植木等さん扮するバイタリティ溢れるC調な主人公があれよあれよと言う間に出世して行ってしまう東宝のお馴染みサラリーマン喜劇。
このシリーズを子供の頃テレビで見た時はどれも同じような話と思っていましたが、改めて今見ると、それぞれコンセプト(?)が違うのがわかります。
前作の「日本一のホラ吹き男」は、タイトルと裏腹に人の何十倍も努力した男が出世する物語でした。でも考えて見たら、努力が常に実を結ぶほど世の中は甘いものじゃありません。そこで今回は全く正反対。のっけから実力主義を完全否定し、植木さんは上司にゴマをすって取り入り出世するキャラクターとなっています。ただこれは紙一重の設定なんですね。植木さんが単に要領良いだけの嫌な奴になってしまったら元も子もないからです。
そのせいか、終盤では話の方向がちょっと変わっていきます。植木さんは飛行機好きの大社長令嬢・中尾ミエさんと、アメリカから小型機で単身渡航してきた日系三世の妙な青年・藤田まことさんを強引にくっつけて駆け落ちさせます。最初は激怒していた大社長・東野英治郎さんもやがて親の情にほだされ2人の仲を認めたばかりか、植木さんもアメリカ支店長に抜擢され、マドンナの浜美枝さんとも結ばれメデタシメデタシ…
と、ゴマすりで出世する物語のはずが、最後は何だか違う理由で出世しているし、おまけに後藤又自動車に入社したはずなのに、後藤又航空と言う別の子会社の支店長になっています。まあそういういい加減さも含めてこの映画の面白さなんですけど、ゴマすり男と言うキャラクターはイマイチ植木さんの身の丈に合っていなかったのかなーと言う気がします。
前作に続きマドンナ役の浜美枝さんは、すらっとした腰高な体型にタイトスカートがよく似合う、いかにも仕事のできると言う感じのカッコイイ女性。植木さんの後輩学生役で、本名の加藤英文時代の加藤茶さんが出ています。カトちゃんは昔から芸風が全く同じですね。久保菜穂子さんが東宝に出ているのも珍しいです。

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黒の死球

1963年/大映/瑞穂春海監督
出演/宇津井健、藤由紀子、倉石功、河野秋武、神山繁、近藤美恵子、北原義郎、杉田康、菅井一郎ほか
物語。プロ野球のスカウト柏木(宇津井健)は、恩人でライバル球団のスカウト浜田(河野秋武)らとの競争に勝ち、高校随一の左腕投手菊川(倉石功)の獲得に成功。だがその夜浜田が崖から転落死する。警察は自殺と断定するが、信じられない柏木は、浜田の娘しず枝(藤由紀子)とともに事件を捜査し始める…黒シリーズ4作目。

シリーズ1作目の「黒の試走車」は、「試走車」を「テストカー」と読ませるいかにも昔っぽいタイトルでしたが、この「黒の死球」は「デッドボール」…ではなく、そのまんま「しきゅう」です。お話も、別にピッチャーがデッドボールで相手打者を再起不能にするわけではなく、プロ野球のスカウト合戦を背景に殺人事件を描いたサスペンス物。
宇津井健が主演、しかも元プロ野球選手のスカウト役と聞いてあんまり期待しないで見たのですが、思ったより面白かったです。

新人選手の獲得が自由競争だった時代、スカウト合戦が加熱して契約金が高騰したことは世間の話題にもなり、実在の選手がモデルの「あなた買います」(1957年、松竹)と言う映画も作られたぐらいでした。この結果ドラフト制度が敷かれ一定の枠が嵌められたわけですが、今でも相変わらず密約や裏金の存在はしばしば問題化されていています。結局、本質的な実態はそう変わっていないのでしょうね。

物語は、倉石功扮する高校生投手の獲得合戦のさなかにベテランスカウト・河野秋武が謎の死を遂げるので、最初は当然事件に倉石が絡んでいるのではないかと疑わせる状況の中で展開します。しかし途中で、実は死の直前、河野がもう1人別の選手を追っていたことが判明。更に、河野が通っていたキャバレーのホステス・近藤美恵子、医者の菅井一郎、倉石の担任教師・神山繁など疑わしい人物が次々浮かんできて、残り10分ぐらいになってもまだ先が読めません。どうなることかと思って見ていると、、、最後は突然説明的になって、あっさりと解決。あらら。これから面白くなる山場だったのに、肝心のところでちょっとあっけなさ過ぎました。前半、宇津井と河野、河野と倉石の人間関係がじっくり描かれていてたのはよかったのですが、そのために後半の時間が足りなくなっちゃったみたいですね。

宇津井さん扮するのは、巨人を思わせる金満球団のスカウト。なので選手の親からの契約金吊り上げに対しても、即座に目の前に札束を積み上げみせて一発OK。スポーツマンでやり手のスカウトなんて役は、むしろ田宮二郎さんの方が適役だったのではないかとはじめは思っていましたが、こういう露骨な場面がいやらしくならないのも爽やかキャラクターの宇津井さんだからであって、もし田宮さんだったら随分印象が違っていたでしょうね。
黒シリーズ11本中の6本でヒロインを演じた藤由紀子さんはこれが最初のシリーズ出演作。エレガントで大人びた美貌は、とても当時20歳だったとは思えません。
倉石功さんは当時デビューして間もないころ。まだ10代だったので、さすがに若いです。台詞回しは拙いですが、いかにも田舎の純朴な高校球児と言う風情が出ています。ちなみにこの映画は長野が舞台ですが、倉石さん自身も長野出身なんですね。
神山繁さんは病弱で気の弱そうな教師役で、当時の彼がまさかこんな普通の善人を演じるはずがないと思ったら、案の定…の設定。ちなみに宇津井、神山、倉石の3人は数年後人気テレビドラマ「ザ・ガードマン」のレギュラーとして共演しています。

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関連タグ: 大映

今回の地震

震度6強の大きな揺れに遭いましたが、とりあえず無事にしています。
別に心配している人はいないでしょうが。
ただ、杜撰な無計画停電のために若干の難儀を強いられているし、迫り来る?放射能の危険にはおおいに不安を感じています。
まあ、停電ぐらいは我慢できないことではありませんが、放射能のほうは冗談じゃ済まない話なので、大事に至らないことをただただ祈るばかりです。

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新・平家物語(総集編)

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1972年/NHK大河ドラマ/平岩弓枝脚本
出演/仲代達矢(平清盛)、中村玉緒(平時子)、中村勘三郎(平忠盛)、新珠三千代(祇園女御)、佐久間良子(平徳子)、片岡孝夫(高倉院)、滝沢修(後白河院)、木村功(源義朝)、高橋幸治(源頼朝)、志垣太郎(源義経)、栗原小巻(北条政子)、山崎努(平時忠)、田村正和(崇徳院)、若尾文子(常盤御前)、緒形拳(阿部麻鳥)、小沢栄太郎(信西入道)、森雅之(藤原忠実)、成田三樹夫(藤原頼長)、源頼政(芦田伸介)、北大路欣也(以仁王)、藤田まこと(朱鼻の伴卜)ほか

物語。吉川英治の『新・平家物語』を原作に、平家一門の盛衰を描く…。

気が付けば、今年も早や3月。
やる気がなくてさぼっていましたが、こんな過疎ブログにもまだ時々コメントを下さる方もいるみたいなので、気を取り直してまた書いてみようと思います。

さて、『新・平家物語』は私の記憶する最古の大河ドラマです。でも例によって本編映像が残っていません。総集編には、印象の深かったシーンがないなど残念な部分もありますが、一方で、こんな豪華絢爛たる出演者だったのかと、改めて気付かされた部分もあります。特に、ブレイク前の郷ひろみや古谷一行、西田敏行が出ていたのにはびっくり。

総集編は、壮年期の清盛(仲代)が一門を引き連れて厳島神社に参詣するシーンから過去にバックする形で始まっていますが、これは本編の1回目も同じだったと思います。
総集編前編は清盛の少年期を経て、保元・平治の乱までを描いています。

保元の乱の中心人物、藤原頼長を演じるのは成田三樹夫。成田さんといえば、「柳生一族の陰謀」での公家役が印象深いのですが、その原点はこのドラマだったのかも。頼長の首に流れ矢が刺さるシーンは、子供心にも衝撃的でした。
平治の乱の中心人物は、小沢栄太郎扮する信西入道でした。総集編では端折られてしまっているのですが、小沢さんの信西が木村功さんの源義朝をいじめるのがすごく憎たらしくて、このクソジジイ、早く死ねばいいのにと思ったことを覚えています^^;

後編は平家の栄華から滅亡まで。
これも総集編ではカットされていますが、清盛の異母弟で宿敵・頼朝を助命した池の禅尼(水谷八重子)の実子である平頼盛(山本學)が、平家一門から異端視されている描写が本編にはあったように記憶しています。平家一門から疎んじらながらも、一門の行く末を案じて苦悩する山本學さんの演技はすごく印象的でした。
物語の最後は、平家滅亡後に出家した徳子(佐久間良子)のところへ後白河法皇(滝沢修)が訪れるシーンで終わっています。後白河院を演じた滝沢修の気品ある、格調高い演技が見ものです。来年の大河ではまた清盛をやるそうですが、これほどの演技は見られるのでしょうか。。。
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関連タグ: 仲代達矢
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