おんな牢秘図

1970年/大映/国原俊明監督
出演/田村正和、北島マヤ、笠原玲子、桜井浩子、荒砂ゆき、花柳幻舟、小林直美、加藤和夫、近藤宏ほか
物語。女囚ばかりが流刑されている孤島に新入りのお清(北島マヤ)とお仙(桜井浩子)、そして長崎奉行所から左遷されて来た諌早三郎太(田村正和)がやってくる。牢名主(荒砂ゆき)や島役人(近藤宏)による壮絶なリンチが行われる裏では、奉行所与力(加藤和夫)が女衒(伊達三郎)と結託して女囚を異国へ売り飛ばしていた。ある日、島にペストが発生し……

大映末期のエログロ作品。女囚物と言うことで女優さんたちがたくさん出てきますが、当然ながら名のある女優さんは 1人もいない上に、誰が主役なんだかもさっぱりわかりません。本来ならお清役の北島マヤ(「ガラスの仮面」とは関係ない)あたりが主人公にならないといけないんでしょうが、結局は女囚のひとりの扱い。田村正和も、アウトローと見せかけて実は不正を暴きに来た密偵か何かなのと思ったら、最後までほんとにただのアウトローのままでした。田村か女囚か、どっちかに焦点を絞るべきところを絞り切れずに、結果的に群像劇になってしまったという感じです。
女囚たちが裸に引ん剥かれて縛られたり、蒸し風呂に閉じ込められたり、熱湯をぶっかけられそうになったり、或いは役人を誘惑したり、売り物のエログロシーンは案外中途半端でさほどのインパクトはありません。
田村正和がこんなB級映画に出ていたのも意外でしたが、それより往年の怪獣ファンとしてちょっと悲しい気持ちにさせられたのは、「ウルトラマン」のフジ隊員・桜井浩子や「ガメラ対ギャオス」の清楚なお姉さん役だった笠原玲子の汚れ役姿。ちなみに荒砂ゆきも「ウルトラQ」「ウルトラマン」にゲスト出演歴があります。


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斬る

1968年/東宝/岡本喜八監督
出演/仲代達矢、高橋悦史、中村敦夫、岸田森、神山繁、東野英治郎、星由里子、田村奈巳、中丸忠雄ほか
物語。武士を捨てた無宿者の弥源太(仲代達矢)と百姓が嫌で武士になりたい半次郎(高橋悦史)が上州の荒れ果てた宿場で偶然出会う。そこへ藩政改革のため決起した哲太郎(中村敦夫)ら7人の若侍が現れ、藩の城代家老の籠を襲撃する。だがそれは若侍を騙してそそのかし、藩の乗っ取りを企む次席家老鮎沢(神山繁)の陰謀だった。鮎沢は砦に隠れた若侍たちを討ち取ろうと荒尾十郎太(岸田森)を隊長とする浪人隊を差し向ける。弥源太は若侍側に付き、半次郎は浪人隊に加わるが…

同じタイトルで市川雷蔵主演の映画(1962年)もありますが、全く関連はありません。むしろ「椿三十郎」に似た風情のある娯楽時代劇です(ちなみに「椿三十郎」もこれも、原作は山本周五郎)。ただ「三十郎」が、主人公の超人的な活躍で騒動を1人で片付けてしまうのに対して、こちらのほうは登場人物が多いし、話も結構複雑。
普通、これだけ多くの個性的な登場人物がいて人間関係が絡み合っていたら、そのうちのどれかは手薄になってしまったり、話の収拾がつかなくなったりしそうなものですが、全てきちんと描き切っているのはさすが。局面がどう変わるかなかなか読めない展開なので目を離せず、楽しめます。
仲代の脱力系のとぼけた芝居や、バイタリティ溢れる高橋悦史もいいのですが、一番格好いいのは、一見ニヒルでも実は純粋一途な浪人隊長を演じた岸田森。
男の俳優さんに比べると女優さんは出てくる人数も少ないのですが、あんまり個性がなかったですね。特に星由里子は勝気な美人と言う役柄は現代劇と同じなのに、日本髷のヅラが似合わないのか地味でした。


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幕末太陽傳

1957年/日活/川島雄三監督
出演/フランキー堺、石原裕次郎、南田洋子、左幸子、芦川いづみ、二谷英明、小林旭、岡田真澄、山岡久乃ほか
物語。幕末の江戸品川。遊郭で散々豪遊した佐平次(フランキー堺)は実は一文無し。居残りと称して働くうちに、持ち前の知恵と図々しさで様々なトラブルを解決して重宝がられる。やがて長州の高杉晋作(石原裕次郎)ら攘夷派の計画にも一役買い…

昭和29年(1954年)に映画製作を再開した日活の3周年記念作品。タイトルに「太陽」とあるのは、太陽族映画の時代劇版と言う感じだったのかもしれません。でも裕次郎ら日活スターは脇役でフランキー堺が主役だし、中身も落語から題材を採ったコメディ映画です。それでも裕ちゃんがお目当ての日活ファンは納得して映画館に通ったのかしら。
正体不明の調子の良い男が自分のためにうまく立ち回るだけではなく、結局回りもハッピーにしてしまうところは、後年の植木等の無責任男を連想させます。ただ、裏も表もなく底抜けに明るい無責任男と違って、佐平次は胸を病んでいるので時折死を意識した暗い陰が垣間見えます。しかし運命に負けまいとする反骨心が逆に彼の生きるパワーになっています。最後も「俺はまだまだ生きるんでえ!」と捨て台詞を吐いて走り去って行く姿でエンドマークです。
尤も、うら寂しい海沿いの道をひとり遠ざかっていく侘しい後姿には、バイタリティより諦念の方が勝っているように見えてしまいました。監督が当初考えていたと言うラストシーン(スタジオをぶち抜けて現代の町を走り抜けて行く)のままだったら、また随分と印象が違ったんでしょうけどね。
それにしても当時殆ど時代劇を作っていなかった日活がこの映画のためだけにわざわざ品川宿のセットを組んだのはすごいのですが、俳優さんはみんな若い上に時代劇の扮装が見慣れないので、誰が誰やら識別がつき難いです。裕次郎や二谷英明、岡田真澄でさえ髷姿がそれなりに様になっていましたが、小林旭はかなり滑稽です。後の大映のヘタレ色男成田純一郎(当時は加藤博司)が、この頃からヘタレな色男だったのは笑えました。気になったのは、日活の記念映画なのに長門裕之は何故か出ていないんですね。


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怪竜大決戦

1966年/東映/山内鉄也監督
出演/松方弘樹、小川知子、鈴村由美、大友柳太朗、天津敏、原健策、千葉敏郎、金子信雄、原泉ほか
物語。父母を家臣の結城大乗(天津敏)と大蛇丸(大友柳太朗)の謀反で殺された近江の国・尾形城主の一子、雷丸(松方弘樹)は蝦蟇道人(金子信雄)に助けられて、忍術の修行を積みながら成長する。だが道人を大蛇丸に殺され、今際の道人から大乗と大蛇丸が父母の敵であると知らされる。敵討ちのため立ち上がった雷丸は、父を捜す少女・綱手(小川知子)とともに近江を目指す…。

時代劇が落ち目になりつつあった東映が、テレビの怪獣ブームに便乗して製作した唯一の怪獣映画。と言っても、忍術で変身する古典的な忍者ネタを下敷きにした時代劇なので、オリジナルの怪獣は登場しません。ちなみにこの延長でテレビの人気特撮時代劇「赤影」が製作されたようです。
怪獣と言うか怪物が登場するのはラストのほんの数分だけで、松方が大蝦蟇、敵役の大友が水竜、そして小川知子まで大蜘蛛に変身して戦います。しかし折角時代劇なのにチャンバラシーンが物足りないと思ったのか、何故か最後は人間に戻って、松方と大友の一騎打ちで決着が付きます。
出会ったばかりの父・大蛇丸にいきなり雷丸殺しを命じられて素直に従う綱手とか、悪人を退治した後、領主として国造りに励むのかと思ったら「後は百姓たちに任せた!」と無責任に帰ってしまう雷丸とか、子供向けとは言えかなりストーリーはいい加減です。大映の「大魔神」などに比べると特撮、時代劇ともに中途半端で噛みあっていない凡作ですが、お城のミニチュアは非常に精巧にできており、そのセットを破壊しながら怪獣が対戦するシーンには一定の迫力があります。
大御所大友柳太朗の憎々しい悪役や、若き日の松方弘樹、まだ10代の小川知子、白髪のフケ役なのに顔つやの良さがやたら目立つ金子信雄など結構有名俳優さんが出演しているので、彼等の意外な姿が見られるのも楽しいです。忍者役で福本清三(顔アップあり)も出ています。


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将軍 SHOGUN

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1980年/アメリカNBC製作/ジェリー・ロンドン監督
出演/リチャード・チェンバレン、三船敏郎、島田陽子、フランキー堺、目黒祐樹、高松英郎、宮口精二、金子信雄ほか
物語。17世紀初頭。英国人航海士ブラックソーン(リチャード・チェンバレン)の乗ったオランダ商船が日本に漂着。ブラックソーンは五大老の1人、吉井虎長(三船敏郎)に取り立てられ、「アンジン(按針)さん」と呼ばれる。ヨーロッパとは異なる文化、習慣、社会制度に戸惑うアンジンを支えるのは、虎長の家臣文太郎(高松英郎)の妻で通訳のまり子(島田陽子)だった。やがてアンジンは虎長とライバル石堂和成(金子信雄)との天下取りの争いに巻き込まれていく。 …全米に日本ブームを巻き起こした人気ドラマを劇場用に編集した短縮版。

1970年末、世界第二位の経済大国にのし上った日本に対するアメリカの関心が高まり、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(1979年)のような日本論がベストセラーになりました。そんな時代を背景に、日本を舞台に製作されアメリカで人気を呼んだテレビドラマが「将軍 SHOGUN」です。
これは大ヒットした「ルーツ」とか「ホロコースト」と同じようなテレビシリーズと言う感じだったと思います。いずれも日本ではテレビ朝日で放送され、「将軍 SHOGUN」は1981年3月30日-4月6日に8夜連続で放送。本放送時にも勿論見ていますが、今回は短縮版で再見しました。

内容は豊臣政権末期をモデルにした架空の設定で、三浦按針がモデルの英国人の目を通して「日本」を描いたもの。徳川家康に相当する武将を演じた三船敏郎を始めとする日本人俳優も多数出演し、中でもヒロインを演じた島田陽子が注目を浴びて一躍「国際女優」に成りおせました。
それまで外国の映画やドラマの中に日本が登場する時、中国とごっちゃになったような風俗やいい加減な時代考証、支離滅裂な内容が多かったのですが、このドラマは架空の設定とは言え史実も踏まえて、比較的まともに作られていました。
「比較的」と言うのは、やはり日本人には眉を顰めるような描写もあったからです。例えば漂着したオランダ商船の船員が「釜茹で」にされるとか、侍にお辞儀をしなかった領民がいきなり首をはねられるとか…いくら戦国時代とは言え外国のドラマで野蛮人として描かれるのはいい気持ちはしないです。或いは「矢部(やぶ)」「坐滝(ざたき)」のように妙竹林な名前や、ヒロインが「戸田まり子」って現代人みたいな名前なのも違和感あります。やっぱり、通訳の女性と言ったら「戸田」なんですかね^^;
中でも、一番見ていて辟易したのは、アンジンさんとまり子の混浴シーンです。温泉ならまだしも、列記とした武家の人妻に混浴の習慣はねーだろ!と。しかも、この後でまり子はアンジンと不倫の関係にまでなっちゃうんですから、もういい加減にしろと言う感じでした。

ちなみに、アメリカで放送されたときは、日本人俳優の台詞に吹き替えも字幕も一切つかなかったそうです。つまりアメリカの視聴者には日本人が何を言っているのか全くわからなかったわけで、唯一、通訳のまり子こと島田陽子が喋る拙い英語だけを頼りにドラマを見ていたのです。したがって、全米の視聴者がまさに「アンジンさん」状態。アメリカ人そのものが戦国日本にトリップしたような感覚で、必死に「日本」を理解しようと努力していたことになります。
日本人が見ていてもわかりにくい話の展開を、アメリカ人がどう理解したのか気になります。本放送時に全編を見た時も、例えばヒロインの島田陽子が何で死んでしまうのか私にはよくわからなかったし、フランキー堺扮する侍が笑いながら切腹するのも理解できませんでした。尤も、従順で男に尽くす大和撫子とか、ハラキリとか、欧米人が喜びそうなステレオタイプな日本のイメージを盛り込んだあたりはむしろアメリカの視聴者に受け入れ易かったかもしれませんけどね。
「外国のドラマ」として見た場合には、日本の歴史時代劇ではあまり描かれない外国人同士の対立関係、イエズス会対新教徒の宗教・貿易対立が織り込まれていたのが結構興味深かった点でした。
いずれにしろアメリカで本格的な日本ドラマが製作されヒットしたのはこれが初めてだったことを思えば、歴史的な意味のある作品かもしれません。
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関連タグ: 三船敏郎

飢餓海峡

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1965年/東映/内田吐夢監督
出演/三國連太郎、左幸子、伴淳三郎、高倉健、沢村貞子、三井弘次、加藤嘉、風見章子、藤田進ほか
物語。昭和22年、北海道岩内町の質屋で強盗殺人放火事件が起こり、台風による青函連絡船沈没の騒動に紛れて三人の男が内地に逃亡。犬飼多吉(三國連太郎)だけが青森にたどり着く。八重(左幸子)と言う純朴で優しい娼妓と一夜をともにした犬飼は、強盗された金の一部を渡して去る。犬飼から貰った金で借金を清算した八重は上京。 10年後、新聞に載った樽見京一郎なる事業家の写真に犬飼の面影を見出した八重は、ひとこと昔のお礼を言いたい一心で樽見を尋ねるが…。

忌まわしい過去を封印して成功をおさめた男のもとへ、その前身を知る人間が訪ねて来たことから起こる事件、悲劇。その背景にあるのは、どうしようもない貧困と差別だった… と言うテーマやプロットに「砂の器」との共通点を感じる作品。
ただ、証拠は決め手とならず、犬飼=樽見が本当に犯人だったのかどうかも結局分からず終いなので、ミステリーとしては弱いです。彼を犯罪へと追いやった動機、「貧困」の問題も、刑事が言葉の上で決め付けるだけでは説得力に欠けます。この映画の特徴はむしろ被害者の側から問題に迫っている点でしょう。

映画は事実上三部構成で、前半は犬飼と八重が出会うまでと伴淳扮する老刑事の捜査。中盤は左幸子の八重が主役で、東京で辛酸を嘗めながら生活する様子が10年間に渡って描かれます。
折角堅気になったのに、また娼妓に逆戻りしてしまう八重。貧困に生まれて育った人間は、所詮宿痾のようにそこから抜け出すことができないのか?と言う命題が八重の生き様を通して描かれ、犯罪に走ることで貧困を脱した犬飼=樽見の姿と対比されます。
社会の底辺で貧困と孤独にあえいでいた八重の心の飢餓をわずかに慰めていたのは、犬飼への想い。犬飼の遺した爪を時々取り出しては、頬擦りしながら、あたかも幻の犬飼に抱かれているかのような陶酔に浸るあたりは、左幸子の怪演の独壇場です。おそらくこのシーンでは、犬飼を単に恩人として感謝しているだけではなく、恋慕の念を抱いていることも暗示しています。現実にその相手が側にいないだけに、なおさら情念だけが膨らんで行くのでしょう。
一方の犬飼もまた手にした金で成功者となった後、善行を施すことでかつての飢餓を埋めようとしていました。でも二つの飢餓の間には大きな隔たりができていました。
過去を拠り所に生きていた女と、その過去を封印して来た男が再会した時、気持ちのすれ違いが悲劇を生みます。八重が、白を切り続ける樽見に紛れもない犬飼の痕跡を見出して狂喜するシーン、その幸せそうな表情のまま、死んでゆくシーンは、事実上物語のクライマックスです。

後半は警察側からの視点で物語が進みます。若手刑事の高倉健とコンビを組んだ、既に退職した伴淳が執念の捜査で犬飼=樽見を追い詰めていきます。しかし、既にクライマックスが来てしまったせいか、割と淡々と展開するように見えます。心を閉ざし、頑なに犯行を否定し続ける樽見に、伴淳が諄々と説く(いや、ダジャレじゃなくて)場面はタイトルの意味に繋がる名シーンですが、個人的には付けたりと言う感じ。樽見を飲みこんだ飢餓海峡が映し出される長回しのラストシーンに余韻が残ります。

左幸子以外の出演者たちも、それぞれ名演。当時の三國連太郎は今の佐藤浩市より年下ですが、風格に格段の差があります。時代も違うので仕方ありませんけどね。伴淳の老練で枯れた演技は光りますが、健さんは若いというだけで、まだ特徴がありません。警察署長を演じた藤田進はさすがの存在感。八重の父親・加藤嘉、娼家の主人夫婦の沢村貞子&三井弘次など脇役陣も好演しています。
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銀蝶流れ者 牝猫博奕

1972年/東映/山口和彦監督
出演/梶芽衣子、千葉真一、賀川雪絵、光川環世、伴淳三郎、山城新伍、須賀不二男、室田日出男、由利徹ほか
物語。女札師の緋桜ナミ(梶芽衣子)は、13年前に賭場のいざこざで殺された父親の仇を捜して賭場から賭場へ渡り歩く旅すがら、借金のかたに芸者に売られそうになっていた花江(光川環世)を助けて、ともに東京へ帰る。ナミは花江を幼馴染の美代(賀川雪絵)がママをしているクラブに預けるが、経営しているのはナミの父の仇・相星総之助(須賀不二男)だった…

梶芽衣子さん主演の「銀蝶」シリーズの2作目。と言っても、この2本で終わりなんですが。ちなみに、1作目と2作目の間に公開されたのが「女囚701号さそり」、つまり「さそり」シリーズの1作目です。オーソドックスな任侠アクションの「銀蝶」より新機軸の「さそり」の方がヒットすると判断されたんでしょうが、個人的には「さそり」みたいなどぎついのは苦手なので、このシリーズのほうが好きです。
お話は1作目からキャラクターだけを引き継いだ、また別の設定で、梶さんは父親の仇を捜す女札師。銀座の夜の街を舞台に暴力団が経営する悪徳興行組織を相手に梶さんが活躍するパターンは1作目とだいたい同じで、その組織の社長が目指す仇と知った梶さんが最後に大立ち回り。
1作目ではホステス役と言うことで洋服姿も多かったのですが、今回はほとんど着物姿。冒頭では、伊香保温泉の芸者に売られそうになった花江がヤクザに追われて逃げていくと、何故かつり橋の上に着物姿で佇んでいる梶さんが登場して、その唐突さがちょっと笑わせます。クール度もアップしていて、敵に捕まった梶さんがいたぶられても無表情で耐えるあたりは「さそり」に通じるものがあります。クライマックスでは、敵暴力団の花会に乗り込んだ時の颯爽たる着物姿がひときわ美しい。
今回の相棒役は千葉ちゃん。何故かちょっとドモっているスケこましと言う一見冴えないキャラクターでしたが、梶さんがピンチに陥った時、助けに現れる姿はカッコイイ。
梶さんを姉貴分と慕うイカサマ札師・唐辛子門二郎が山城新伍。この名前は勿論「木枯し紋次郎」のもじりで、爪楊枝の代わりかストローをくわえています。お笑い担当でしたが、最期は梶さんを庇って死にます(でもカッコ良くはない)。
クラブ歌手の役で八代亜紀(台詞なし)。1作目で相棒役だった渡瀬恒彦もノンクレジットでちょっとだけ出ています。


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闇の狩人

1979年/松竹+俳優座/五社英雄監督
出演/仲代達矢、岸恵子、原田芳雄、いしだあゆみ、千葉真一、丹波哲郎、松尾嘉代、藤田まこと、ハナ肇ほか
物語。老中田沼意次(丹波哲郎)の時代。江戸市中には金で殺しを請負う“闇の狩人"達が暗躍していた。競合する他の元締めを殺してその頂点に立った五名清右衛門(仲代達矢)は田沼の側近・下国左門(千葉真一)から取り潰された北前藩の残党の抹殺を請け負い、配下の谷川弥太郎(原田芳雄)にその仕事を命じる。谷川はかつて記憶喪失で倒れているところを五名の部下に助けられて殺し屋になった男なのでその素性は本人すら知らなかったが、実は取り潰しに反対して左門一派に殺されかけた元北前藩士だった…

原作は池波正太郎ですが、映画は小説と全く違うようです。一見テレビの時代劇スペシャルっぽい題材ですが、出演者が異常に豪華なことにびっくり。この程度?の映画でも70年代は大作だったんだなあと今更ながら気付かされます。
上に挙げた以外にも、夏八木勲、梅宮辰夫、成田三樹夫、室田日出男、加藤嘉、神崎愛、大滝秀治、東野英治郎、無名時代の役所広司、隆大介らが出演していて、しかも丹波哲郎と岸恵子以外は劇中で全員死んでしまうし、いしだあゆみ、松尾嘉代、神崎愛のおっぱいも見られる贅沢な内容です^^;尤も、話自体はたいして面白くありませんが。
原田芳雄の素性がわかり、殺せと命ずる千葉と、かばう仲代が対立…というのが物語の軸。そこに複雑な人間関係がいろいろと絡んで行った挙句にバタバタとみんな死んでしまうお話で、137分とかなり長い上映時間の大部分はその壮絶な死に様を見せるのが主眼。ただでさえ濃い面々の出演者が濃い芝居をする映画です。
中でも仲代に殺された元締め(大滝秀治)の情婦で、ダンナの仇を討たんと執念を燃やす松尾嘉代さんの、凄さまじい迫力と貫禄が強烈。考えてみるとこの頃はまだ36才ぐらいだから結構若いんですね。
千葉ちゃんは最後の仲代との対決以外では、騎馬上から弓を射るワンシーンがあったぐらいで当時にしては珍しくアクションが少なかったかも。丹波リンは例によって2シーンのみ出演の大物芝居。
仲代を裏切る元情婦の岸恵子だけは、なんか浮いていた感じがするので要らなかったような気がします。他の女優はみんな自分で脱いでいるのに、岸恵子だけ吹き替えだったし。って別に見たいわけじゃないけど。


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獣の剣

1965年/俳優座製作/松竹配給/五社英雄監督
出演/平幹二郎、加藤剛、岩下志麻、田中邦衛、菅貫太郎、木村俊恵、加藤武、東野英治郎、天知茂ほか
物語。遠州掛川の下級藩士平木弦之助(平幹二郎)は藩政改革のため城代家老(松本克平)を斬ったが、頼みとしていた次席家老(天知茂)に裏切られ、城代の娘(木村俊恵)とその許婚(菅貫太郎)らに仇として追われる。追っ手に襲われたところを馬子の丹次(田中邦衛)に匿われた弦之助は、山奥の川で砂金が取れると聞き、逃げる金を求めて山へ入るが、そこにはさる藩の密命で砂金を掘る山根十郎太(加藤剛)と妻のたか(岩下志麻)がいた…

フジテレビの社員監督だった五社英雄の劇場用映画2作目。1作目は五社が手がけたテレビドラマ「三匹の侍」の映画化だったので、オリジナル作品としてはこれが最初ですが、「三匹」レギュラーの平幹二郎、加藤剛がともに出演し、なおかつ”対決”しているあたりは、明らかに「三匹の侍」の延長線上に作られたものと思われます。
内容は、権力者に利用される下級武士の悲哀を描いたもので、出世をエサに藩のため危険な砂金採掘にあたっていた加藤も仕事が終わると口封じのため消されてしまいます。
テーマが非常に明確だし、話の作りはシンプルでわかりやすく、なおかつチャンバラのシーンもふんだんに盛り込まれて楽しめる娯楽時代劇です。ただ「獣の剣」などと言う大仰なタイトルの割りに、平幹はニヒルに徹するわけではなく加藤・岩下夫婦に同情を寄せる甘い男だし、上級武士階級である木村俊恵と菅貫太郎が下級武士の末路を見て翻心するのも、ちょっと妙。また、お目当て?の平幹と加藤剛の「三匹」対決は、立ち合いがちょっとだけあっただけで、直接戦うわけではなかったのは、残念と言えば残念です。
ちなみに「特別出演」の天知茂は、平幹をそそのかして城代家老を暗殺する次席家老役。回想場面で 2シーンのみ登場ながら、自分は手を汚さず出世し、しかも劇中で彼だけは殺されない(加藤剛を利用した東野英治郎は平幹に斬られる)天知先生の非情な大悪人振りは、やたら印象的でした。


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白い乳房の美女 江戸川乱歩の「地獄の道化師」

サイトに移動しました。
http://tvmovie.web.fc2.com/bijo/bijo16.html

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