東海道お化け道中

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1969年/大映/安田公義+黒田義之監督
出演/本郷功次郎、戸浦六宏、上野山功一、保積ペペ、左卜全、伊達岳志(伊達三郎)、五味龍太郎ほか
物語。やくざの勘蔵(山路義人)が、殺生をするとたたりがあるという「鬼塚」の前で仁兵衛(玉置一恵)を殺害。口封じのため塚守の甚兵衛(左卜全)も斬る。孫娘の美代(古城門昌美)は、甚兵衛の遺言で父親の藤六を訪ねて旅に出るが、大事な書付が美代の手に渡ったと思い込んだ勘蔵一家は美代を捜す。道中で美代は偶然仁兵衛の子分の百太郎(本郷功次郎)に助けられ…

妖怪三部作の最終作。これはガメラの併映で見たと思うんですが、怖かったと言うこと以外あんまり記憶がありません。あと戸浦六宏さんの顔にインパクトがあったのは覚えているんですが(オイ)。なので初見も同然で再見しましたが、前二作と違い、フツーの時代劇の中に要所要所で妖怪も出るぐらいの話だったんですね。子供が「瞼の父」を捜すのがメインストーリーで、悪人どもが禁断の地でタブーを侵した因果応報で妖怪たちに懲らしめられるのが偶々主人公側に利するだけで直接の絡みはあまりありません。
戸浦さんは仁兵衛親分を裏切って勘蔵側に加担した小悪党、実は美代が求めていた「瞼の父」その人だったことが終盤わかります(まあ見てりゃ薄々わかるのですが)。それまで自分を追い回していた、顔もコワイおじちゃんが、父とわかってすぐに懐く美代の心理がイマイチ飲み込めませんが、改心した戸浦さんが見せる弱気と優しさと情けなさの入り混じった複雑な表情が良いです。やはりただ顔のコワイだけの役者さんじゃない。妖怪物としても時代劇としても中途半端で余り出来がよいとは言えませんが、戸浦さんの名演技で味わい作品になりました。と言うか、一応主役なのに子供と戸浦さんに食われた本郷さんの存在感薄過ぎ。
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妖怪大戦争

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1968年/大映/黒田義之監督
出演/青山良彦、川崎あかね、神田隆、大川修、内田朝雄、木村玄、毛利郁子、橋本力ほか
物語。古代バビロニアの吸血妖怪ダイモンが蘇り、何故か日本に襲来。代官(神田隆)に乗り移って吸血行為を繰り返す。人が変わってしまった代官に娘の千絵(川崎あかね)や家来の真山新八郎(青山良彦)は戸惑う。代官屋敷の池の主・河童は代官の正体に気付き挑みかかるがあっさり敗退。仲間の妖怪たちに応援を求める…

「妖怪百物語」に続く妖怪シリーズ二作目で、日本の妖怪たちが結集し舶来の邪悪な妖怪と一大決戦を繰り広げます。河童、ろくろ首、唐傘、油すまし以外は何だかよくわからないのですが、ハリボテ感いっぱいの妖怪たちが「西洋の妖怪をのさばらせておいたら日本の妖怪の名折れや!」などと何故か関西弁混じりでナショナリズムを発揮するところが微笑ましいです。ダイモンは怖いけど、日本の妖怪たちは親しみやすくてファンタジーいっぱい。今見れば安っぽいとか何とか言えるんですけど、自分が子供の頃好きだった映画にケチは付けにくいです
ダイモンの中の人を演じるのは、大魔神の橋本力。あの凄まじい眼光は本作でも健在。
ダイモンに取り付かれる代官の初代が神田隆、二代目が大川修。神田さんが珍しく善人役、と言っても殆どがダイモンに憑依されてからの悪役演技なので、いつもと変わりません。現代劇で情けないチンピラ役が多かった大川さんのほうは大出世。
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HOUSE ハウス

1977年/東宝/大林宣彦監督
出演/池上季実子、大場久美子、神保美喜、松原愛、南田洋子、尾崎紀世彦、鰐淵晴子、三浦友和ほか
物語。高校生のオシャレ(池上季実子)は父親(笹沢左保)が再婚することにショックを受け、夏休みに6人の友達を連れておばちゃま(南田洋子)の別荘へ遊びに行くが、実はその屋敷は人を喰らう妖怪だった…

大林宣彦の商業映画デビュー作。これは学生の頃に大学祭か何かの無料上映会で見た記憶があるのですけど、殆ど忘れていました。内容は、アイドル映画の形を借りたコメディ・ホラー映画と言うんですかね。まあ後段の部分はともかくとして、この時代のアイドル映画って甘ったるいノリが気持ち悪くて背筋が寒くなってくるのは、自分も同時代を生きていた古傷に触れるせいでしょうか。それにしても、大場久美子はともかく他の6人はセーラー服が似合わないったらありません。みんなリアル10代だったはずなのに、今見ると熟女コスプレとしか思えないのがすごいです。しかもそれぞれが互いにオシャレとかファンタとか妙なあだ名で呼び合っていたり、わけのわからないダジャレ交じりの会話でキャーキャー騒いでいるノリが寒すぎる。序盤から早くも頭が痛くなって来ましたが、その寒い流れのままに家が人を食べてしまうメインストーリーに突入。
井戸に落ちて生首になったり、ピアノに食われてバラバラになったり、肝心の少女たちが食われてしまうところの死に様は、残酷でありながらアイディアを駆使して面白く作ってあって、 CMさながらの短いカットバックを連続で繋いだ手法は少しくどいけれど、ファンタジックな映像が楽しめます。と言うか要はそれだけの映画なんですけどね。あと見所は必然性のない池上季実子と松原愛のヌードか。勿論脱ぐのにいちいち必然性なんか要らないんですが、繰り返すように、これって一応アイドル映画なんですよね(ちなみに併映作は、この映画にも友情出演している三浦友和が山口百恵と共演した「泥だらけの純情」)。作家の笹沢左保や評論家の石上三登志、フーテンの寅さんのそっくりさん(原一平)、果ては大林監督夫妻まで出ていたり、遊び心だけで作ったような映画ですが、やりたい放題ができたのも邦画の混沌期ならではでしょうか。


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乳母車

1956年/日活/田坂具隆監督
出演/芦川いづみ、石原裕次郎、新珠三千代、宇野重吉、山根寿子、青山恭二、中原早苗、織田政雄ほか
物語。裕福な家庭の娘、桑原ゆみ子(芦川いづみ)は父親(宇野重吉)に若い愛人(新珠三千代)と赤ん坊までいると知る。愛人に会って話したゆみ子は、彼女が聡明な女性であることに理解を示し、明るく屈託ない弟の宗雄(石原裕次郎)にも好感を持ったが、ゆみ子の母親(山根寿子)は家を出てしまい、罪悪感を抱いた愛人も父親と別れてしまう。赤ん坊の将来を心配したゆみ子と宗雄は…石坂洋次郎原作の映画化。

ドロドロした愛憎劇になってもよさそうな題材なのに、登場人物はみな感情に走ることありません。母親が家を出たのも愛人が父親と別れたのも、女として自立した生き方をするためです。妻と愛人に去られしまった父親も、自ら招いたその運命を淡々と受け入れます。ただ1人、自ら選択して行動を取れない赤ん坊の幸福は大人が責任を持って道筋を立ててやらねばならないのですが、結論が出ません。結局、問題を将来に先送りして若い世代に委ねるみたいな、曖昧な結末で物語は終わっています。
戦後の新しい時代を生きる人間はかくあるべしと言う理想を語っているのでしょうが、まるで実験室で純粋培養された人間のドラマみたいな温いお話です。
見る前は裕次郎の映画と言う認識だったのですが、実際の主役は芦川いづみで、大人たちの騒動に巻き込まれた少女の成長物語と言う側面もあります。
裕次郎はブルドックおじさんだった晩年は勿論、若い頃も何処に魅力があるのかわかりませんでしたが、この映画を見ると、気のいいお兄ちゃん的な身近に感じる親しみやすさが人気の秘密の一端になっていたことは理解できました。
ちなみにこの映画の愛人が住んでいるのは世田谷奥沢の一軒家で、庭付き女中付き。マンションとかじゃないところに時代を感じます。


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ジーンズ・ブルース 明日なき無頼派

1974年/東映/中島貞夫監督
出演/梶芽衣子、渡瀬恒彦、内田良平、室田日出男、川谷拓三、加納えり子、堀越陽子、山本麟一ほか
物語。退屈な日常に飽き飽きしていたバーのママ聖子(梶芽衣子)は深夜止まっていた赤い車に乗って走り出す。一方何をやってもうまくいかないチンピラの次郎(渡瀬恒彦)はやくざの本郷(内田良平)に人殺しの手伝いをさせられるが、自分も殺されそうになり報酬の500万円を奪って逃走。2人の車が衝突し、意気投合した2人は逃避行をしながら犯罪を重ねるが・・・。

梶芽衣子のやるせない歌声の主題歌で始まる和製ボニー&クライド。偶然出会った若い男女が犯罪を重ねるうちに徐々にエスカレートして破滅する様を描いています。
”本家”と違ってお話は割りとジメジメしており、渡瀬は妹のために死ぬおもいで大金を稼いだのにその妹は男に貢いでいるし、やることなすこと全て裏目で報われないまま死んでしまいます。それに引き換え最初から最後までクールな強靭さを失わない梶芽衣子は、最後も警官隊を向うに回して大銃撃戦の末にハードボイルドな死に様。
コワモテなのにドジなやくざ4人組とか、山本麟一と菅井きんのコミカルな中古車屋夫婦とかで軽い乗りも入れようとしているようなんですが、余り意味を成しているようには思えません。その全てに梶さんのクール・ビューティ振りが勝ってしまったようです。ちなみにタイトルと裏腹に梶さんも渡瀬さんもジーンズは履いてませんでした。


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関連タグ: 梶芽衣子 東映

博徒外人部隊

1971年/東映/深作欣二監督
出演/鶴田浩二、安藤昇、若山富三郎、室田日出男、小池朝雄、渡瀬恒彦、中丸忠雄、工藤明子ほか
物語。刑務所に入っていた郡司(鶴田浩二)が10年振りに出所してみると、自分の組も対立していた組も潰れていて、縄張りは新興の大東会(内田朝雄、中丸忠雄)に乗っ取られていた。郡司は僅かに残った仲間たち(室田日出男、小池朝雄、曽根晴美、渡瀬恒彦、由利徹、安藤昇)を連れて沖縄に渡り、地元やくざ(山本麟一、若山富三郎、今井健二)たちと争いながら勢力を拡大する。しかし大東会が沖縄まで進出してきて、再び彼らを追い出そうとする・・・

落ちぶれやくざの鶴田浩二とその仲間たちが復帰間際の沖縄で一旗挙げようとするも、巨大組織に押し潰されてしまい、最後は特攻して全員斬り死に、と言うお話。
本土復帰前の沖縄を舞台に、鶴田浩二が背広姿のドライな現代やくざを演じています。
タイトルの外人部隊とはアメリカではなく、沖縄にとって外部の人間である、本土人の鶴田たちのこと。
この映画の鶴田さんは終始サングラスをかけた表情を変えず、敵はおろか仲間にも心のうちを見せません。序盤で出所した鶴さんがいきなり単身で大東会に乗り込み、早くも殴り込みか?!と思ったら、そうではなく、相手を巧みに脅して沖縄へ渡る資金をせしめます。途中で仲間が次々死んでも眉ひとつ動かさぬクールな対応だし、鶴田が何を考えているのか実際の行動に移るまでなかなかわかりません。
唯一、サングラスを外して素顔を見せるのは、クライマックス直前に馴染みのホステス・工藤明子と最後の逢瀬の時だけ。鶴さんのベッドシーンなんて、ほかにもあるのかもしれませんが、私は初めて見ました。
安藤昇はかつて鶴田とは対立していた組の幹部でしたが、いきがかりで沖縄に同行、かと言って別に仲間に入るわけじゃなく、普段は自分は関係ないという顔をしているのですが、いざという場面になると影もなく現れて鶴さんたちを救うニヒルでカッコイイ役柄。弟分の小池朝雄は、いつか寝返るんじゃないかと冷や冷やしながら見ていましたが、最後まで鶴さんと行動をともにして壮絶に玉砕。見るからに鉄砲玉の渡瀬恒彦は真っ先に死ぬのかと思ったら、曽根晴美→渡瀬→由利徹→室田&小池→安藤→鶴田の順番でした。


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