大映俳優列伝(12)夏木章

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時代劇の俳優が続いたのでこのへんで現代劇も挟んでみる。大映東京の脇役で最もメジャーなのはこの人かもしれない。
1928年(昭和3年)生まれの夏木章は中学を卒業後、日本映画学校演技科に入学している。これは今村昌平が設立した日本映画学校(現・日本映画大学)とは関係がない。戦時中の1943年5月に設立され、国策映画の俳優や撮影技師を養成する学校であった。敗戦まで2年間しか続かなかったが、卒業生には菅原謙二や高橋貞二がいる。菅原はその後新劇に進んだが、夏木とともに大映入りした卒業生に鈴木美智子がいる。
1945年(昭和20年)4月に大映東京撮影所入社。初出演は同年9月の「別れも愉し」なのでギリギリ戦後の俳優と言うことになる。先日亡くなった月丘夢路が主演で同期の鈴木美智子が準主演格だが夏木の役柄はわからない。最初は本名で出演していたようだが、記録上で確認できるのは1949年からである。まだ二十歳そこそこだったので大した役は貰っていなかったのだろう。夏木章名義での出演が確認できるのでは51年からである。
ちなみに本名は榎鐘一(えのき・しょういち)と言う。なので「夏木章」と言う芸名は多分「榎」を木と夏に分解して逆にし、下の名前は「しょう」だけを残して別の字をあてたのだろう。溝口健二監督の「楊貴妃」(1955年)にも近衛兵役で出演しているがこの時は何故かクレジットが夏木明となっていた。
倒産まで在籍して数えきれないほど出演しているが、悪役は少なく、アクション映画やサスペンス映画でも刑事役の方だった印象である。中でも一番有名なのはガメラシリーズだろう。2作目の「大怪獣決闘ガメラ対バルゴン」(1966年)で主演・本郷功次郎の兄役を演じてから、3作目「大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス」で自衛隊司令官、4作目「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」でバイラスの部下、5作目「ガメラ対大悪獣ギロン」で新聞記者、6作目「ガメラ対大魔獣ジャイガー」と最後の「ガメラ対深海怪獣ジグラ」では博士役と、連続で出演している。
大映倒産後は古巣の大映テレビ作品などに出演していたが、1977年4月「特捜最前線」第1話(テレビ朝日)にゲスト出演。以後レギュラーゲストと言っていいぐらい頻繁に出演し、出演回数は約10年間で40回を数える。53話から本郷功次郎がレギュラーの橘警部役で出演しているが、2人の共演シーンがあったかどうかわからない。
1986年にその「特捜最前線」に最後のゲスト出演をして以降は出演記録が見当たらず、消息不明とされているが、元大映宣伝部の中島賢氏によれば既に故人だと言うことである。
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