ゴジラ(1984年版)

9年ぶりに復活したゴジラの売り物は「原点に還った怖いゴジラ」でした。なので、私も楽しみにして映画館に行ったのですが・・・。残念ながら、良かったのは最初の5分間だけ。巨大フナムシの時点で早くも駄作の予感。以後は退屈で苦痛な時間が終わりまで続きました。
期待と現実がずれてしまった理由は、こっちは「怪獣映画」を見に行ったつもりだったのに、出てきたものは「災害パニック映画」だったことです。ゴジラ対策に苦慮する政府の姿は「日本沈没」だし、ビルに閉じ込められた田中健と沢口靖子の脱出ショーは「地震列島」。肝心の「ゴジラの脅威」が描かれていません。そもそも東京の都心部を再現した豪華な特撮セットを組んでいる割には、ゴジラが暴れまわって建物を破壊するシーンが殆どありませんでした。破壊しようにも、高層ビルより遥かに小さくなってしまったゴジラにはなすすべがなかった、と言った方が正確かもしれませんが。当時この情けない有様を見て、ああ、ゴジラも時代遅れになってしまったんだなあと思ったものです。
ゴジラが期待はずれなら、東宝自衛隊の活躍も不完全燃焼。スーパーXなる、架空の空飛ぶ要塞が登場しますが、やたら華々しいBGMがそぐわない見栄えの悪さ。一瞬、メカ巨大フナムシかと思いました。しかも、カドミウム弾をゴジラに飲み込ませる前段として照明弾を打ち上げてゴジラにあんぐり口をあけさせる…って、何をやってるんだか。リアリズムの意味をはき違いした細かい描写にこだわっているヒマがあったら、ほかにもっと描くべきことがあるでしょう。
米ソから核兵器使用を迫られた首相が非核三原則を説くシーンも白けました。東宝って、どうして為政者を奇麗事で描きたがるんですかね。
カメオ出演的な石坂浩二、ムッシュかまやつ、浮浪者役の武田鉄矢はシリアスを撮りたいのか荒唐無稽を撮りたいのか、製作意図を怪しくするものだったし、追い討ちをかけるようなエンディングの妙な英語の歌に激しく虚脱。友達複数と見に行ったんですけど、終わって劇場を出た後もしばらく無言で、お互い話題にするのをことさら避けるような、あのぎこちない間合いが忘れられません。

製作・配給/東宝 公開日/1984年12月15日
監督/橋本幸治 特技監督/中野昭慶
出演/小林桂樹 夏木陽介 田中健 宅間伸 沢口靖子 ほか
公開当時のパンフレットです。


この映画がデビュー二作目だった沢口靖子。素晴しい大根の演技を見せてくれました(笑)
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