悪名&続悪名

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勝新太郎&田宮二郎の「悪名」シリーズ第1作と第2作(1961年・大映・田中徳三監督)

物語。昭和初期。河内の暴れん坊・八尾の朝吉(勝新太郎)は人妻(中田康子)と有馬に駆け落ちするが、だんだん嫌気がさし大阪へ帰る。
途中で仲間たちと出会い、松島の遊郭に繰り出すが、そこで地元やくざ吉岡組のモートルの貞(田宮二郎)と揉め事になり完膚なきまでに叩きのめす。
その腕を見込まれ吉岡(山茶花究)の客分になった朝吉は、馴染みの遊女(水谷良重)の足抜けを手伝ったことから松島一家と対立することに…。

喧嘩に滅法強く義理人情に厚い八尾の朝吉=勝新と、ドライで調子の良い弟分・モートルの貞=田宮二郎の活躍を描いた痛快娯楽作「悪名」と「続悪名」(1961年)の二部作。
大映のスター候補として期待されながらくすぶっていた勝新と田宮にとって、ともに出世作となった本作は以後シリーズ化され15本(+リメイク1本)製作されました。

当時勝新30歳、田宮26歳ということで2人とも若くて元気いっぱいですが、特に目を惹くのは田宮の軽妙な二枚目半振り。
立て板に水を流すようにポンポン関西弁でイキのいい台詞が飛び出し、軽やかにアクションをこなす明るい姿は、後年の「白い巨塔」の気難しい財前教授や「タイムショック」のクールで落ち着いた司会者しか知らないで見ると衝撃的ですらあります。

また、おそらく日本人の好むタイプに、例えば「傷だらけの天使」の水谷豊とか時代劇「素浪人月影兵庫」の品川隆二とかのように、「弟分キャラ」の魅力ってありますね。一見ちょっとひょうきんで頼りなさげだけれど、兄貴分のためには火の中水の中を辞さぬほど、ぞっこん男惚れしているという。。。この映画で田宮の演じた貞というキャラも、そうしたひとつの典型を演じていると思います。

一方、勝新の演じた朝吉も真正直で昔気質な「男の中の男」という魅力的なキャラではあるのですが…ただ勝新の場合、後年の「座頭市」や「兵隊やくざ」、はたまた実生活でのハチャメチャ振りを知っているので、もっと破天荒な弾けっぷりを期待していると、はぐらかされてしまいます。つまり、朝吉程度の暴れ者では大人しくて優等生に見えてしまうので、物足りないんですよね(この傾向は特にシリーズが下るにつれ顕著になります)。そういう意味では、勝新にとってスターへ駆け上るステップのひとつになったとは言え、あとに残るものはあんまりなかった役のように思います。

ちなみに劇中では、当時婚約中だったという勝新が中村玉緒に「一生の妻にします」なんて誓約書を書かされるシーンがあって、笑わせます。
他にも浪花千栄子、中村鴈治郎(玉緒の父)らの凄みとド迫力のある名演技は必見です。
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