三大怪獣 地球最大の決戦

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東宝怪獣映画のターニングポイントとなった作品(1964年・東宝・本多猪四郎監督)。

物語。進藤刑事(夏木陽介)は来日するサルノ王女(若林映子)の護衛を命じられるが、王女の乗った飛行機が爆破されてしまう。やがて日本各地に王女そっくりの金星人と名乗る女が出現、「ゴジラ・ラドンの復活」と「5000年前に金星を滅ぼしたキングギドラの襲来」を予言する。
その言葉どおりゴジラ、ラドン、そして黒部渓谷に落下した隕石からはキングギドラが出現。ゴジラとラドンが兄弟喧嘩のような小競り合いをやっている間に、キングギドラは狂ったように引力光線を吐き続け日本各地を破壊する。平和の守り神・モスラは、一緒にキングギドラと戦おうと呼びかけるが、ゴジラとラドンはふてくされて言う事を聞かない。やむなくモスラは独りで戦おうとするが…。

タイトルの「三大怪獣」とは、ゴジラ・ラドン・モスラのこと。つまり地球の三大怪獣がその命運を賭けて宇宙怪獣キングギドラと決戦する、というのがコンセプト。ところが後年「東宝チャンピオンまつり」でリバイバル上映された時にはタイトルが「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 地球最大の決戦」に変えられていました。あれ?ラドンは?

さてこの映画は黒澤明監督の「赤ひげ」の完成予定が延びたために穴埋めで急遽製作されたそうです。
東宝特撮映画の歴史で言えば、この時点で前年だけから見ても「マタンゴ」「海底軍艦」「モスラ対ゴジラ」「宇宙大怪獣ドゴラ」とそれぞれ特色の違う特撮作品を製作・公開して来ていました。
このあたりはバカのひとつ覚えにゴジラシリーズを続けるしか能がなかった平成時代と違う、昭和特撮の素晴らしいところですが、、、ただ残念ながら「ドゴラ」は失敗でした。
そこへ急遽新作製作の指令。やむなく既存の三怪獣ゴジラ、ラドン、モスラを投入してお茶を濁しますが、それだけじゃ様にならないので、ドゴラから宇宙怪獣というコンセプトだけ引継ぎキングギドラも新登場させます。かくして本作では1度に四怪獣が登場する豪華版となった次第(だと思う)。

ただ、結果から見ればこれが裏目になり、怪獣映画の行き詰まりと以後の迷走を招いてしまいました。
その最たるものが、ゴジラの「転向」です。
「モスラ対ゴジラ」で憎々しい敵役を演じたばかりのゴジラですが、そのモスラとも共闘して宇宙怪獣を迎え撃つとなれば自ずと人間寄りにならざるを得ません。とは言え、いきなり180度転向して「人類の味方」になる、という発想はまだなかったと見え、敵なんだか味方なんだか曖昧な描かれ方がされています。
現に、よく見るとこの映画でのゴジラ(とラドン)は単なる義侠心からモスラ個人に加勢したに過ぎず、必ずしも人類の味方になったわけじゃないんですね。この曖昧模糊としたゴジラの立場はこれ以降も暫く続き、「ゴジラ対ヘドラ」(71年)に至って突如「正義の怪獣」としての登場を果たす、というわけのわからん経緯を辿りますが…、いずれにしろこの映画がその分岐点になったことだけは間違いないでしょう。

それはまあ後のこととして、この映画の特撮では隕石からキングギドラが出現するシーンやゴジラとラドンの初コンタクトシーンなどは迫力があります。また、ギドラとの決戦では、ふわふわ飛んでいるだけで一見役立たずっぽかったラドンがモスラを背中に乗せて共同攻撃を図るという頭脳プレーを見せるのは(ラドンファンとしては)うれしいところ。
これ以後ゴジラのライバルとなったキングギドラは一本調子な芸風(笑)が個人的には嫌いなのですが、よく首が絡まないもんだと操演技術の高さに感心します。

本編に目を向けると、王女を狙う暗殺団、それに王女とボディーガードとの「ローマの休日」っぽいほのかな恋を絡ませた筋立ては、急遽企画されたにしてはなかなか面白くできており、さすが関沢新一(脚本)は娯楽の職人。
ちなみに伊藤久哉が演じた暗殺団のボス役は土屋嘉男の代役だったそうですが、無表情な台詞棒読み口調の不気味さが役にはまっており、適役だったと思います。尤も、落石を抱きかかえて墜落死する際のマヌケっぷりは何とかならなかったのでしょうか^^;;
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