友情

「寅さん」以外の渥美清(1975年・松竹・宮崎晃監督)

物語。三浦宏(中村勘九郎、現・勘三郎)は年上のOL・紀子(松坂慶子)と同棲している大学生。
父親を亡くし紀子の援助で学生生活を送っている宏は夏の間、ダム工事現場で働くことにする。
そこで宏は粗野だが人の良い中年の労務者・源太郎(渥美清)と出会い、意気投合する…。

渥美清と言えば「寅さん」。でも私が最初に知ったのは、別のテレビドラマでした。
かなり幼い頃見たので、タイトルも内容もうろ覚えでしたが、今思い立って検索してみたら「からすなぜ泣くの」(1971年、NHK銀河ドラマ、全10回)だったらしいと判明。そうそう、毎回渥美清自身の歌う童謡「七つの子」が主題歌か何かになっていました。確か渥美清が他人の子供の父親代わりを務めるという話の人情物だったんです。もう37年前ですか。。。NHKにも録画は残っていないでしょうね。

それはともかく、70年代は「男はつらいよ」以外の映画・ドラマで主役を演じることも多かった渥美清ですが、何を演じても結局「寅さん」としか見られなくなったことでだんだんとやる気を失くしてしまったのでしょうか。
今にして思えばそれは俳優・渥美清本人にとって不幸でしたが、映画ファンにとっても大いなる損失でした。
この作品は渥美清が「男はつらいよ」で人気絶頂中の1975年に「松竹八十周年記念」として撮られた佳作です。

中村勘九郎と渥美清扮する主人公。
1人は「嫌いになったらいつでも別れる」と言うドライな約束で年上の恋人・松坂慶子に食わせて貰っている、よく言えば70年代前半によくあるシケラ世代の優しい青年( 普通に見れば単なる甘ったれ小僧ですが)
もう1人は、瀬戸内海の小島から出稼ぎに出て来て結果的に妻子を捨ててしまい、故郷に戻れなくなってしまった中年労務者。
この立場も年齢も全く違う二人がふとしたことから奇妙な友情で結ばれる、と言うお話です。

東京に戻った勘九郎を追う様にして上京して来た渥美清は、土産の毛蟹で食あたりを起こして勘九郎のアパートで寝込むハメに。
そこへ松坂慶子の叔父・有島一郎が現れて、若い2人のいい加減な生活を非難して別れるように迫ります。しかし傍らで聞いていた渥美清がやがて黙っていられなくなって起き上がり、弁護します。「この2人は大丈夫だ、俺が保証する!」

若い恋人同士の姿に捨ててきた妻子を思い出し、故郷に帰ろうとする渥美清。ふとしたきっかけで二度と再び家族との愛を取り返すことのできなくなってしまった男の過去が切ない。
「面白ろうて、やがて悲しき」を演じたら絶品の渥美清が見せる、背中で泣いている演技が光ります。
一方、その姿を自分と恋人との関係に重ね合わせて「一生別れない」と誓う勘九郎。
若くして熟練の演技を見せています。
そして年上の恋人演じた松坂慶子。
若くてきれいで、優しく包むように愛してくれる、男にとっての聖母のような存在とはまさにこのことでしょうね^^;他の出演者には笠智衆、加藤嘉、米倉斉加年、佐々木愛、名古屋章、谷村昌彦など。
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