野良犬

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刑事ドラマの原型となった作品(1949年・新東宝・黒澤明監督)

物語。或る夏の暑い日、新米の村上刑事(三船敏郎)は満員バスの中で拳銃を盗まれてしまう。村上はベテランの佐藤刑事(志村喬)とともに捜査を始めるが、やがて村上の拳銃を使った強盗殺人事件が発生。捜査線上に遊佐(木村功)と言う男が浮かび、村上は遊佐の幼馴染の踊り子・ハルミ(淡路恵子)を訪ねる。一方、佐藤刑事は遊佐の残したマッチ箱から辿って簡易旅館に身を潜めていた遊佐を発見する。しかし電話連絡しているところを感ずかれ、背後から撃たれてしまう…

直情的な若手刑事と老練な先輩刑事がコンビを組んで、額の汗を拭きながら地道な捜査に歩き回る…という刑事物ドラマの定番パターンはこの映画から始まっているようです。
新米刑事を演じた三船が若い!そして男前!
この三船と犯人の木村功。
ともに戦地から戻ってくる途中でリュックを盗まれた2人の元復員兵が、1人は刑事となり、もう1人は殺人犯となり、焼け跡の戦後で対峙するという、当時の社会性を無理なく取り込んだ全体の構図がいいです。
しかし犯人の木村功は最後の最後まで姿を現しません。普通のドラマだったら途中で犯人側からの視点を挿入し、特に恋人との関係なんかはクドクド、デレデレと描くところ。黒澤自身も人物描写の甘さを反省していたようです。しかし私個人は、刑事側からの視点に終始したことでラストの追い込みが生きていると思います。
雨上がりの大泉駅待合室で、三船の視線が泥だらけのズボンを目印に足元をずっと追っていき、そこで初めて現れる、痩せて目のギョロっとした木村功の顔が印象的。三船も若いが木村功も若い。
泥まみれになりながら格闘する2人の耳に聞こえる平穏なピアノの調べ。手錠をかけられた木村功の目に映る晴れ渡る空、風にそよぐ花。そして号泣。静と動を対比させ、平和と暴力が表裏一体になっていることを強調する演出が見事です。
焼け跡の街並や川上、千葉、青田ら往年の野球選手が活躍する試合風景は記録映像としても貴重。大泉駅の周りに何にもなかったり、雑木林や草ぼうぼうの原っぱが存在していたりするのにもびっくりします。
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