女王蜂の怒り

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昆虫映画ではありません(1958年・新東宝・石井輝男監督)

物語。海堂組の女親分・ゆり(久保菜穂子)の縄張りを狙う竜神組が港祭りに因縁をつけてくる。そこへ割って入ったのはハリケーンの政(宇津井健)と名乗る流れ者。政はその拳銃の腕を見込まれ竜神組の剛田(天知茂)に雇われる。
竜神組は海堂組の請け負っている船を海賊を装い襲い、荷を強奪する。賠償金を支払うため堵場で体を張ったゆりだったが、剛田のたくらみによりレイプされてしまう。やがて遂に海堂組と竜神組の全面対決の日が訪れた…

女王蜂とはやくざの女親分のこと。つまり後年の女性任侠映画の先駆けのような作品なんですが…何だか要領を得ない話です。
まず、一応は主役であるはずの女親分・久保菜穂子。すらっとした八頭身で見かけはカッコイイのですが、天知茂の悪党に散々翻弄されイカサマに引っかかってしまうわ、極めつけは犯されてしまうわで、ちっともいいところがありません。そもそも、女親分が犯される必要ってストーリー展開上殆どなさそうだし、ただその後に久保菜穂子のシャワーシーンを出したかっただけなのでは?!
一方、天知側の用心棒と見せかけて本当は正義の人っぽいのが宇津井健なのですが、女親分が犯されたのを知っていて助けるでもなく、後になって「狂犬に噛まれたと思って忘れてしまいなさい」とか無茶苦茶を言うだけ。一体宇津井は何のためにいる役なのかと思ったら、最後の久保・天知両組の出入りの段になって突如制服制帽姿で登場。実は海賊事件を潜入捜査していた警察官だった…というオチには、めまいがしそうになりました。
宇津井健が、日活で石原裕次郎がやっていそうなキャラクターを演じていること自体がミスマッチで、ずんぐりした体型と迫力のないアクションに萎えます。中山昭二が久保菜穂子の子分の、血気にはやる若いモンと言うのもどうかと思うし、天知組長の子分役でデビュー間もない菅原文太が出ているのですが、サンダーバードの人形劇のようなぎこちない動きと台詞回しで見てるこっちがハラハラします。
唯一存在感が際立っていたのは、当時27歳にしてフケ役かつ悪役を演じた天知茂先生。口ひげ、七三バックで固め白髪メッシュを入れた頭で和服やスリーピースを着こなし、絶えず不敵な笑みを浮かべた陰湿で卑劣な組長振り、そして最後の最後に宇津井に追われてあたふたと逃げ出しドラム缶にけつまずいてすっ転ぶ情けなさも含め、悪党はこうでなければと思うのでした。
ちなみにこの映画、夜間シーンで突如モノクロになるのはどういう演出上の意図だったのか、それとも単にカラーフィルムの予算が不足しただけなのでしょうか。
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