雅羅倶多館

1960~80年代のテレビドラマや映画を中心にあらすじや感想を書いています。

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雪夫人絵図

船橋聖一の同名小説の映画化(1950年・新東宝・溝口健二監督)

物語。浜子(久我美子)は憧れの雪夫人(木暮実千代)に仕えるべく信州から熱海にやってくる。旧華族の信濃家の一人娘だった雪は直之(柳永二郎)を婿養子に迎えて結婚したが、放蕩三昧の直之は妾の綾子(浜田百合子)のところへ行っていて殆ど帰ってこない。
雪は琴の師匠の方哉(上原謙)に心惹かれていたが、一方で直之から強引に体を求められるといつも言いなりになってしまい…

没落した旧華族の貴婦人が夫に虐げられながらも体では求めずにはいられないという、時代と描き方が変わればロマンポルノになってもおかしくないようなシチュエーションを描いた作品。
口ひげ、たるんだ腹にステテコ姿の中年男、柳永二郎の佇まいはまるで江戸川乱歩のエログロ探偵小説の登場人物。
この夫が、表面では夫人を弄び苦しめているように見えながら内実は夫人の精神的な支配下にあるという倒錯した関係もSMチック。夫人を慕う清純な少女・久我美子が夫人と同じ浴槽に浸ってうっとりとした表情を浮かべるシーンなどもレズ的な感情を示唆しているように見えます。

木暮実千代の主演作としてはずっと以前に同じ溝口の「祇園囃子」を観たことがあるだけですが、本来妖艶な雰囲気を持つ木暮の"耐える純和風貴婦人"は非常に官能的。正真正銘の華族のお姫様・久我美子が、華族の奉公人役というのは皮肉ですが。
山村聰が、夫をちやほや持ち上げながら裏ではその愛人とできていて財産乗っ取りを企んでいる、したたな役を演じています。山村聰の悪役なんて初めて見たかもしれません。
「ウルトラQ」などで特撮ファンにお馴染みの脇役、加藤春哉が書生役で出ていました。これがデビュー作のようですが、あのキューピー顔とキンキン声はすぐわかりますね。


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