日本一のホラ吹き男

植木等の「日本一の男」シリーズ第2作目(1964年・東宝・古沢憲吾監督)

物語。西北大学の初等(はじめひとし、植木等)はオリンピックを目指す三段跳びの選手だったが、練習でアキレス腱を切ってしまい断念。田舎に帰った等は、浪人から一万石の大名に出世したご先祖・等ノ助(植木二役)の自伝を読み発奮。日本一の大会社増益電機への就職を目指す。入社試験では落ちてしまったが、社長(曾我廼家明蝶)に取り入り正社員となった等は、1日19時間労働であっという間に係長に昇進。更に課長、部長へと出世し、ミス増益の加奈子(浜美枝)とも結婚する…。

前身の「無責任」シリーズは2作で打ち止めとなり新たに「日本一の男」シリーズに衣替えして、本作がその2作目です。
これ子供の頃テレビで見た時はメチャクチャ面白かった記憶があるのですが、今見るとそうでもないです。昔は単に植木等の言動だけを面白がっていられたのに、サラリーマン社会の現実を知った今では身につまされてしまうからでしょうか。。
植木等扮する調子のいい男があれよあれよと言う間に出世する…と言うパターンは前身の「無責任男」も同様です。しかし決定的に違うのは、無責任男の場合、「結果的に」出世してしまうとしても本人にその気はサラサラなく、それよりも人生を面白おかしく過ごせればいいと言うのがポリシーであることです。無責任男の言動が今見ても痛快で魅力的なのはこの点にありました。
それに対してホラ吹き男の目的はあくまで出世。しかもそのために人の20倍努力すると言うモーレツサラリーマン。なので、この映画のストーリーは簡単に言えば、努力した男が、その努力が報われて一大出世を遂げるというだけの話なので、そこには何のヒネリもオチもありません。しかも、無責任男はいい加減な言動で周りを巻き込みながらも最後はみんな揃ってハッピーエンドを迎えるのに対して、ホラ吹き男は結局自分1人が幸せになることを自己目的にしているので、カタルシスにも欠けます。5人の側室を傅かせて優雅に暮らしたご先祖とは違って等の方は女房の尻にしかれてしまうというオチがちょっと笑える程度。
勿論入社1ヵ月で係長になったりとかあり得ない話だし、相変わらず植木等の言動は豪快でパワフルですが、こういう話なら別に主人公がホラ吹き男である必要はなく、例えば加山雄三が若大将のノリで演じてもいいんじゃないかという感じ。アナーキーな言動が魅力だった前身の「無責任男」と比べてちっとも面白くないのですが…まあ、でも「努力を尊び、努力したものが報われる」という日本人の美意識にはこういう展開の方が合致していたのでしょう。
他の出演者はクレージーから安田伸、桜井センリ、谷啓(ハナと犬塚、石橋は不出演)、三井弘次、山茶花究、飯田蝶子、草笛光子など。これがデビュー作だったという沢井桂子(「怪獣大戦争」のヒロイン)はどこに出てるのかと思ったら、最後に等ノ助の側室の1人として一瞬顔が映るだけでした。
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