新・座頭市物語

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勝新太郎の座頭市シリーズ第3作目(1963年・大映・田中徳三監督)

物語。座頭市(勝新太郎)は以前斬った勘兵衛の弟・島吉(須賀不二男)たちに襲われる。そこへ割って入ったのは座頭市の剣の師匠・伴野弥十郎(河津清三郎)だった。弥十郎の家に行った市は弥十郎の妹・弥生(坪内ミキ子)と再会。弥生から求婚された市は堅気になることを誓うが…

3作目にしてカラーになった座頭市シリーズ。
この映画でカッコイイのは、座頭市よりも須賀不二男の演じた島吉です。
彼が市を狙うのは、兄貴の仇討ちとか復讐心からではありません。どうせあの兄貴のことだから斬られても当然だったのだろうが、しかし、メアキがメ〇ラに斬られて黙っていたんじゃヤクザの意地がたたねえっ!…と言う、非常に男らしいと言うかストイックな理由から。なので、座頭市の居合いで自分が斬られるのも覚悟で挑んで来ます。ところが弥生と結婚して堅気になる決心をした市から許してくれと頼まれ、じゃあサイコロ勝負で市が勝てば見逃してやるが、負けたらその右腕を叩っ斬ると条件を出します。そしてその勝負…、本当は市が負けていたにもかかわらず、島吉はわざと「俺の負けだ」と言って、市を心で祝福して潔く去って行きます。
うーん、カッコ良すぎるぞ、須賀不二男(笑)。ってか、こんな善人役の須賀不二男なんて、初めて観ましたね。悪役俳優が稀に演じる「いい人」は儲け役。印象に残ります。
悪役と言えば、いつもはやくざの親分役が定番の遠藤太津朗が、本作では弥十郎に女房を取られてしまっている情けない飲み屋の亭主と言うのも珍しいです。
さて、お話の方は、座頭市の剣の師匠・弥十郎が登場し、市の剣法が我流ではなくかつて弥十郎の道場で死に物狂いで会得した結果であると言う過去が明かされます。
この弥十郎、かつてはひとかどの人物だったらしいのですが、今では天狗党一味による強盗の手引きをするまでに成り下がっていて、弥生と結婚したいと言う市を罵り追い出したばかりか、市の恩人ある島吉を些細なことから斬ってしまいます。そして最後は市との対決となるのですが、、、第1作では心の友、第2作では実の兄、そして本作では剣の師匠と、本来「斬っちゃならねえ人を斬ってしまう」と言う座頭市の宿命と業を描くという点でシリーズは一貫しています。
ただ、尺の関係か、後半の展開がバタバタしているので、弥十郎が何で堕落してしまったのかとか、その人物像がイマイチ描き切れていないのが残念。でもこのあたりはプログラムピクチャーの宿命として仕方のない部分なのでしょうねえ。。。
それよりもこの話でちょっと納得がいかないのは、弥生から求婚された市があっさりそれを受け入れてしまうこと。だって、確か第1作でおたねさん(万里昌代)に求婚された時の座頭市は「自分はメ〇ラでヤクザだから」とか何とか言って断っていたはずなので、辻褄が合いません。おたねさんより弥生の方が良かったんですかねえ?坪内ミキ子より万里昌代の方がいい女なのに…ってそういう問題じゃなくて^^;)
実は元々の脚本では、弥生は足が悪いと言う設定だったとのこと。つまり障害者同士の恋と言うプロットで座頭市の内面を描く予定だったのでしょうが、大映の永田ラッパ社長から「新人女優(坪内ミキ子)に足の悪い設定なんて縁起でもない!」と横槍が入り、ストーリーが変更。その結果、何だか唐突な弥生の求愛と、それをあっさり受け入れてしまう市と言う、薄っぺらい話になってしまったようです。外野が口を挟むとたいていロクなことにはなりませんね(そういう意味では、今の四方八方に気配りしてあたりさわりのない内容になってしまう、「製作委員会」方式の映画なんて尚更ですが)
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