濡れ髪剣法

雷蔵さんのバカ殿(1958年・大映・加戸敏監督)

物語。遠州佐伯藩松平家の若殿・源之助(市川雷蔵)は剣の腕が大の自慢。許婚の姫(八千草薫)の前で家来たちをコテンパにしてみせるが、姫は若殿の家来たちがお追従でわざと負けているのを見抜いていたので、自分の近習(小堀明男)と立ちあわせて若殿をコテンパに負かしまう。己れの愚かさを恥じた若殿は、お城を飛び出して修行の旅に出るが…

市川雷蔵主演の明朗時代劇。
家来からちやほやされていた若殿は、許婚の姫に得意の鼻っ柱を折られて面目丸潰れ。一念発起して一人修行の旅に出ますが、世間知らずな若殿はトンチンカンな言動を繰り返します。茶店で無銭飲食をして婆さんに頭を柄杓で殴られたり、股引を袴だと思って平気で穿いていたり。まるでバカ殿(笑)尤も、そこは地が気品のある雷蔵さんのことですから、どんな珍妙な姿でも可愛らしいです。
やがて口入れ屋の弥助(荒木忍)に拾われた若殿は、江戸で新しい生活を始め、その間に剣の腕もぐんぐん上達。しかし、ひょんなことから自分の藩の江戸屋敷に奉公することになった若殿は、江戸家老安藤将監(香川良介)のお家乗っ取りの陰謀を知り…と言うのが中盤以降のストーリー。
若殿の言動が面白いのは前半までで、後半になると、ただのお家騒動物になってしまい、ユーモアの要素は減ってしまうのが残念です。尤も若殿がいつまでもバカ殿のままじゃ話が進まないし、成長した若殿が見事逆臣を成敗し名実ともに立派な殿様になってメデタシメデタシと言う展開にならなきゃ雷蔵さんのファンも納得しないでしょうけどね。
前半でバカ殿時代の雷蔵さんは、本当に剣がヘタそうに見えます。しかし後半、修行を積んでからはメキメキと腕を上げ…たことになっているのですが、実際にはそれほどにも見えません。後年はともかく、初期の頃の雷蔵さんはチャンバラがあまり上手くないですね。
若殿の軟弱振りにイライラしているおきゃんな姫を演じた八千草薫が可愛い。
無銭飲食した若殿を助けるきっぷのいい芸者さん役が阿井美千子。「悪名」シリーズでも勝新を助ける旅館の女将を演じていましたが、おっとりした顔立ちでいながらしっかり者の役が様になる純和風美人。
姫の近習を演じたのは「空の大怪獣ラドン」に出ていた小堀明男。この人、黒澤明監督の「生きる」で志村喬の兄を演じていた小堀誠の息子なんですってね。
出演はほかに、中村玉緒、藤原礼子、潮万太郎など。
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