座頭市御用旅

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勝新太郎の座頭市シリーズ第23作目(1972年・勝プロ・森一生監督)

物語。妊婦が斬られて金子を奪われたところに通りかかった座頭市(勝新太郎)。女は子供を出産するが「父親は塩原の佐太郎…」と言い残して死ぬ。市は赤子を塩原の宿に届けるが、佐太郎は8年前に家出していた。市は赤ん坊を佐太郎の妹・八重(大谷直子)に預ける。
塩原はかつて目明しの藤兵衛(森繁久彌)の活躍によりやくざのいない平和な街になっていたが、その藤兵衛も今は老いていた。そこへ矢板の鉄五郎(三國連太郎)一家が乗り込んでくる…

1971年に大映が倒産、日活はポルノ転向。残った東宝も自主製作を事実上放棄し、松竹の製作も縮小。映画を映画会社で色分けすることにだんだん意味がなくなって来たのがこの時代です。本作も勝プロが旧大映のスタッフを使って製作し東宝は配給だけした作品。出演者にも森繁やヒロインの大谷直子、或いはちんぴらやくざ役の石橋蓮司、蟹江敬三、用心棒役の高橋悦史など、大映時代にはいなかった顔ぶれが目立ちます。
物語は冒頭、座頭市が瀕死の女を助産し、産まれた赤ん坊を父親の元へ届けると言う、第6作「座頭市血笑旅」の完全なバリエーション。勿論、出産シーン自体は直接見えないのですが、女の股に座頭市が頭を突っ込んで赤ん坊を取り上げる描写が何だか生々しくて、少し嫌悪感を覚えました。また、赤ん坊を相手の一人芝居は観ていてイライラさせられるので、のっけからうんざりしかかりましたが、幸いその話で引っ張ることなく早々終了。
さて物語の根幹は非道な鉄五郎一家と座頭市の対決なんですが、サイドストーリーとして森繁とそのグレた息子・酒井修の親子愛や、市が人殺しとして疑われる展開、更に凄腕の浪人・高橋悦史との対決ありーの、笑福亭仁鶴、正司玲児・敏江、田辺一鶴など当時のお笑い芸人のコントありーの、と、てんこもり。エピソードを詰め込みすぎて構成が破綻するのはシリーズ後期の特徴なんですが、その中では本作の場合、まあ纏まりの良い方か。特に高橋悦史との最後の最後の対決は爽快。ただ高橋悦史って切れ者と言う感じはあっても、あんまり強そうな感じはしないんですけどね。
シリーズ2度目の三國連太郎は目の上に濃いアイシャドウなんか入れて悪党らしさを出していますが、前回「座頭市牢破り」でのクセのある悪役が良過ぎたので、本作でのストレートな悪党振りはこの人らしくもなくてちょっと物足りない感じ。森繁は東宝の社長シリーズで手馴れたコミカルな芝居を封印して、頑固で人情家の老目明しを好演しています。
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