眠狂四郎女地獄

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市川雷蔵の眠狂四郎シリーズ第10作目(1968年・大映・田中徳三監督)

物語。旅の途中の眠狂四郎(市川雷蔵)は騎馬の侍(北城寿太郎)が浪人(田村高廣)に斬られて密書を奪われる現場に遭遇する。狂四郎は今際の侍から手絡を預かるが、それを角兵衛獅子の姉弟に与えてしまう。実はその手絡にこそ本物の密書が隠されていた。そのため姉弟は佐伯藩士に斬られてしまう。角兵衛獅子の姉は「兄がお父様を殺します。殺させないで」と言い残して死ぬ。狂四郎はその遺言を果たすため佐伯藩に向かうが行く手に次々と刺客が襲ってきて…

本作の狂四郎はとことん疫病神。
まず、密書の隠されていた手絡(女性が髪に飾る布)を角兵衛獅子の姉弟に与えたことから、可哀想に、2人はとばっちりで殺されてしまいます。狂四郎とてその手絡が曰くあり気なものだということぐらいわかりそうなものですが…まあ、何も考えていないのでしょうね^^;
それでも責任を感じたのか、「兄が父を殺すのを止めて…」と言う、それだけでは何のことやら意味不明な遺言を果たそうと佐伯藩に向かいます。その行く手を阻むのが女刺客。つまりタイトルにある「女地獄」なんですが…これが笑っちゃうぐらい陳腐なエピソードの羅列。
しおらしい生娘(渚まゆみ)やら後家(三木本賀代)やら盲目の女(しめぎしかこ)やら、はたまた飲み屋の女将(水谷良重)やら…いずれも「抱いてくれ」と色仕掛けで油断させて狂四郎を討とうとしますが、狂四郎にはとうにお見通しで悉く失敗。わかりきった展開の連続に「もういいよー」と言いたくなりますが、公開当時はこの程度のエロでも観客は期待して観ていたんでしょうから、笑っちゃいけませんね。
後半はお家乗っ取りを図る佐伯藩の2人の家老(小沢栄太郎、安部徹)の争いがメイン。
そしてこの2人にそれぞれに雇われた凄腕の浪人が伊藤雄之助と田村高廣。
顔はコワイがとぼけた伊藤雄之助がいい味出しています。一方、狂四郎に負けず劣らずニヒルっているのが田村高廣ですが、実は彼こそ角兵衛獅子の言った「兄」で、実の「父」である家老の小沢栄太郎を殺そうとしていることが判明します。それを阻止しようとお節介する狂四郎ですが、これがまたも裏目。疫病神・狂四郎のせいで田村は非業の最期を遂げるはめになります。結局、独りますます虚無の影を深めて去って行く、相変わらずな狂四郎なのでした。
狂四郎シリーズにはロードムービー調の話(女妖剣、多情剣など)と一箇所(江戸)定在型の話(勝負、無頼剣など)の2パターンありますが、前者の場合どうも話が散漫でまとまりがなくてあまり好きになれません。本作も前半のだらだらした女地獄をはしょって伊藤、田村との関わりをもっとじっくり描いて欲しかったところです。
佐伯藩の姫を演じたのはシリーズ2度目の高田美和。死人ぞろぞろの狂四郎ガールズの中で2度とも死ななかったのは珍しいです。
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