悪名波止場

勝新太郎&田宮二郎の悪名シリーズ第7作目(1963年・大映・森一生監督)

物語。連絡船の中で清次(田宮二郎)は自分そっくりの格好の三郎(藤田まこと)がイカサマ博打をやっているのを押さえる。病気の妹のためと言い訳する三郎の後を付いて船を下りた朝吉(勝新太郎)は、三郎の妹のおとし(紺野ユカ)が麻薬中毒になっているのを知る。地元やくざ鬼瓦組の金を持ち逃げした三郎の代わりに朝吉と清次は借金の返済のため働くことに…

悪名シリーズは第1作と2作が戦前編、3作と4作が戦後編となっていて、本来ならこの辺で止めておけばよかったものをまだまだ続いたところから、第5作を挟んで6作から地方ドサ回り編(?)が始まり、本作では前作のラストシーンから話が続いています。言わば悪名版の世直し旅。そういう状況も状況ですが、いくら"困っている者を放っておけないのが性分"の朝吉親分とは言え、アカの他人の借金のために肉体労働までして金を返すところまで来ると、もうバカがつくお人好しというか善意の押し売り、単なる物好きにしか見えないので共感する要素が薄く、シリーズの行き詰まりもここに極まれリの感があります。
しかも本作では、朝吉の苦労の甲斐もなく、おとしは情婦の仙太郎(水原弘)に殺されてしまいます。このシリーズでは2作目(当初予定されていた完結編)のラストでモートルの貞が命を落とした以外は誰一人死ぬことがなかっただけに、急に殺伐とした雰囲気を感じてしまいました。おまけに朝吉まであわや水死のピンチに陥るなど、痛快アクションが売り物だったシリーズにしちゃいつになくやや暗いです。これもマンネリ化回避策の一環だったんでしょうか。シャブ中のおとしに朝吉=勝新が「クスリなんかやっちゃいかん」と説教する姿は今見るとギャグにしかなりませんが。
水原弘は「黒い花びら」(1959年)で第1回のレコード大賞に輝いた流行歌手で、私の世代だと「ハイアース」のホーロー看板の人として記憶に残ります。プライベートでは勝新の弟分だったそうなので、これも人気歌手の顔見せ出演程度のことかと思いきや、本格的な演技、それも汚れ役だったのびっくり。調べてみるとこの当時は既に落ち目になっていたみたいなんですね。今も昔も芸能界の浮沈は激しいです。
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