十八歳、海へ

中上健次の同名短編小説集の中から「隆男と美津子」を脚色した作品(1979年・にっかつ・藤田敏八監督)

物語。東京の予備校で夏期講習を受講している高校三年生の有島桂(森下愛子)と二浪生の桑田敦夫(永島敏行)。鎌倉の夜の海へ出かけた2人は、暴走族に絡まれていた同じ予備校の五浪生森本英介(小林薫)が、素潜りで喧嘩の決着をつけるのを見る。翌朝2人は真似をして海に潜り、心中と間違えられて金持ちの老人(小沢栄太郎)に助けられて金貰う。心中ゴッコに夢中になった佳と敦夫は、英介のバイトしてるホテルで再び心中騒ぎを起こす。佳の姉(島村佳江)は2人を別れさせようと…

予備校生の森下&永島と、彼等より少し上の島村&小林の2組のカップルの、ひと夏の出会いと別れを描いた作品。
原作は昔読んだのですが、映画を観るのは初めて。原作はごく短いものですし、映画はプロットを借りているだけなので話の中身はかなり違っています。
「心中ゴッコ」を繰り返していた森下&永島は、最後に本当に死んでしまうのですが…、彼等が何故死を弄ぶのか、物語の上からはさっぱり掴めません。陳腐な言葉ですが、あえて言えば70年代後半の若者の不安定感や無気力感、それゆえの刹那主義的発想と言うことになるんでしょう。本作にしろ、受験生がキレる「高校大パニック」にしろ、或いは行き当たりばったりで原爆を作ってしまう「太陽を盗んだ男」にしろ、通底するのは今、自分たちに無為を強いている「怠惰な日常」への反抗です。劇中に描かれるこの時代の若者の気分はいつも同じようなものに見えます。尤も、そういうものに共感できるかどうかは観る人次第ですが。
一方、妹たちの事件が縁で知り合って関係を結ぶ島村&小林。こちらの方は割り切った大人の恋なのかと思ったらそうでもなくて、なんだか情念的になって来てドロドロ。結局、森下&永島が死んだ後で、島村さん曰く「あの2人にはこの夏しかなかったのね…」とか言って、こちらも別れるのですが…そんなふうに勝手に納得して終わられても、観てる方としちゃ困ります。要領を得ないまま、ただ"雰囲気"だけでだらだらと話が進行して行って、そのまま終わってしまうのは、よくも悪くもこの時代の日本映画の典型的パターンです。

が、そんなことは実はどうでもよくて^^;私がこの映画を観たかったのは島村佳江さんが出ているから。
前にも書きましたが、サスペンスドラマなどで翳のある役を演じることの多かったクール・ビューティな女優さん。私が10代の頃好きだった方でした。
この映画では妻子ある男との不倫関係に疲れて、小林薫とひと夏限りの約束で愛し合うと言う役柄。最初は単に妹思いの姉の役なのかと思いきや、途中でいきなりロタ島へバカンスに行ってしまうと言うストーリー展開の唐突さには唖然としましたが(単にスタッフが行きたかっただけだったりして^^;)都会にいようと、南の島にいようと、このひとの周りにだけ透明な膜が張ってあって、別の潤んだ空気が流れているような雰囲気が素敵です。ベッドシーンでの官能的な表情のアップとか、浴衣姿とかも色っぽかったし。やっぱり島村さんいいわ~。って、オッサン興奮しすぎ?^^;
島村さんは、90年代初めぐらいまではテレビドラマで見かけましたが、その後は活動歴が途絶えてしまいました。どうされているのかとずっと思っていたのですが、今年3月に亡くなった女優の藤間紫の葬儀の写真中に、位牌を持つ喪服姿の島村さんの姿があってびっくり!少しお年を召していましたが、確かに島村さんです。て言うことは、藤間紫の息子と結婚したんですか!?知らなかった…。つーか、そんなこと今まで全く話題になったこともなかった気がするが。。。しかも息子さんが現在、ジャニーズJrなんだとか。ただただ、驚きです(ちなみに息子さんの画像見ましたが、切れ長の目が島村さんそっくりです)

小林薫は「新人」の表記がありますが、その前にもいくつか出演作はあるようなので、メジャーデビュー作と言うことでしょうか。永島敏行と森下愛子は前年の「サード」(ATG、東陽一監督)に続くコンビ。本作でも、森下の形良いきれいな胸が拝めます。あ、あと小沢栄太郎(当時71歳)のふんどし姿も観られますよ、って、それこそどーでもいいですね。
出演者はほかに小松方正、鈴木瑞穂、下条アトム、小中陽太郎(特別出演)など。
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