父子草

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渥美清主演の隠れた名作(1967年・宝塚映画・丸山誠治監督)

物語。戦地から「生きていた英霊」として帰還した平井義太郎(渥美清)は、妻が弟と再婚してしまっていたため故郷に戻れず、全国の飯場を渡り歩く日々。ある晩、竹子(淡島恵子)のおでん屋台で隣り合わせた苦学生の西村茂(石立鉄男)に酔って絡んだ平井は、取っ組み合いの喧嘩になる。しかし、茂が仕事と勉強の両立による過労で倒れたと知ると、代わりに学費を稼ごうとする。平井は茂に、故郷に残してきた息子を重ね合わせていたのだ…

見たいと思っていた映画「父子草」がなんとYoutubeにアップされていたので、もう1本の「白昼堂々」ともども見てしまいました。後者はともかく、前者はビデオにもDVDにもなっていない幻の作品。私は子供の頃に一度テレビで観て感動した記憶があったのですけど、、、残念ながら感受性が鈍くなってしまったのか、今観るとそれほどでもありませんでした。でもいい映画であることには違いありません。
抑留などで戦地から帰るのが遅れ、戦死したと思われてしまったために、妻が別の男と再婚してしまう…という実例は戦後少なからずあったようです。あの勝新太郎主演の「新・悪名」にもそう言う話がありました。このへんは学校で教えてくれない歴史、「映画が歴史の教科書」といわれる所以ですが、本作で渥美清演じる主人公もその1人。そのため故郷に帰るに帰れず、全国の工事現場を転々とする日々を送っていた彼が、ふとしたことから息子ぐらいの年頃の青年・石立鉄男と知り合い…と言うストーリーです。
ちなみに、このあたりの設定には渥美清が後年主演した「友情」(1975年)ともちょっと似たところがあります。と言うか、渥美さんの演じるキャラクターはいつも同じなんですけどね。
本作でも、見かけは粗暴ですが心根の優しい主人公は、苦学生の石立が大学に合格するまで学費を送り続けます。やがて石立は無事合格。再会した二人は、抱き合って泣く…と言う、ベタベタの松竹大船調人情劇…って、実際は松竹じゃなくて東宝系の宝塚映画の作品なんですけどね。でも脚本が木下恵介な上に、更にそれを監督の丸山誠治が生真面目な演出で撮っちゃっているもんだから、松竹以上にベタベタにお涙頂戴の雰囲気があります。
登場人物は渥美と石立、そして2人を見守るおでん屋のおばさん・淡路恵子と、石立と同じ下宿に住む娘・星由里子の事実上4人だけ。セットもほぼおでん屋の屋台周辺と石立の下宿だけのシンプルな作りの中でこじんまりと展開しています。
渥美清は当時40にならないのですが、50過ぎの初老の労務者役で違和感ありませんし、淡路恵子もまだ30代なのにおばさん役でも貫禄十分。
長髪でもカーリーヘアでもない、そして独特の石立節で喋らない真面目な青年役の石立鉄男と言うのは殆ど見た事がないので新鮮です。
星由里子は美人で清純で、ちょっとお茶目なところがとてもチャーミング。昔の映画の女優さんはみんな綺麗です。私ももう少し早く生まれていて、リアルタイムに映画館で観たかった。
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