白昼堂々

原作は結城昌治の同名小説(1968年・松竹・野村芳太郎監督)

物語。元スリで今は足を洗ってデパートの保安係をしている富田銀三(藤岡琢也)は昔仲間だったワタ勝(渥美清)と再会。九州の炭鉱で働いていたワタ勝だったが、今は鉱山が閉鎖され、職を失った仲間とともにスリ集団の長になっていた。ワタ勝は昔のよしみで、盗品を売りさばく手伝いをしてくれるように銀三に頼む。
或る日、銀三は鮮やかな手口の一匹狼の女スリ・よし子(倍賞千恵子)と知り合い、ワタ勝の仲間に加える。しかし、ワタ勝とは昔なじみのベテラン老刑事・森沢(有島一郎)がデパートに配属されてからは、次々と仲間が逮捕されてしまう。弁護士の坂下(フランキー堺)から弁護料を釣り上げられたワタ勝は、最後の大仕事に臨もうとするが…

九州の筑豊に実在したという泥棒部落の実話に基づいた作品。
この作品は後に「女咲かせます」(1987年・松竹・森崎東監督)と言うタイトルでリメイクされています。松坂慶子扮する女スリと役所広司の貧乏音楽家の恋愛談中心の話に改変されていましたが、私は先にリメイク版を観ていたので、オリジナルも予め筋がわかってしまいました。
それはともかく、この映画を観ていると渥美清と言う俳優の資質について考えさせられます。この映画は一応渥美さんが主役であるにもかかわらず、影が薄いからです。むしろ副主人公である相棒で元スリの藤岡琢也や、女スリの倍賞千恵子、更に老刑事の有島一郎らが活き活きとしているのに対して、渥美清は所謂「キャラ」が立っていません。と言って、渥美さんはいつも通りの渥美さんなんですけどね。ただこの話のメインはスリ集団の縦横無尽な活躍ぶりにあって、渥美清の個性で引っ張るようなタイプの話ではないせいか、こう言う群像劇の中では演技の幅の狭い渥美さんは埋没してしまうんですよね。渥美清はやはりピンの主役でこそ活きる役者なのだなと言うことを、感じた次第です。
登場人物で感情移入し易いのは藤岡琢也演じる元スリです。年頃の娘のため一度は足を洗う決意をしたものの、渥美清に頼まれると断れずにずるずる仲間に引っ張り込まれてしまいます。最後も、しらん顔していれば自分は無事だったにも関わらず、渥美を庇ったため一緒に捕まってしまうという要領の悪さ。腐れ縁から抜け出せず人生の再出発に迷っている中年男の悲哀に、なんかシンパシーを感じちゃいますね^^;ちなみに、渥美さんとフジタクじゃ、渥美さんの方が2つ年上なんですけど、フジタクの方が大人に見えてしまうのは、渥美さんのイメージが永遠の不良少年だからでしょうか。
渥美清と倍賞千恵子と言うと、寅さんとさくらのイメージが強いですが、この映画ではなんと夫婦になっています。倍賞千恵子は古風なさくらさんとは正反対の、割とクールで合理的な考え方の現代的女性の役柄。最後の方では、着物の裾をまくって太股を露わに啖呵を切ると言うシーンもあります。
フランキー堺が特別出演で悪徳弁護士の役。2シーンながら印象は強烈。冒頭にはコント55号(萩本欽一、坂上二郎)もゲスト出演しています。
出演者はほかに新克利、生田悦子、三原葉子、田中邦衛、佐藤蛾次郎など。
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