電送人間

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東宝の特撮スリラー物(1960年・東宝・福田純監督/円谷英二特技監督)

物語。遊園地のスリラーハウスで殺人事件が発生。犯人は現場から忽然と姿を消し、被害者は銃剣で胸を刺され旧陸軍の認識票を持っていた。東都新聞の桐岡(鶴田浩二)と小林警部(平田昭彦)、岡崎主任(土屋嘉男)たちは捜査を開始する。同じ頃、突然届けられた認識票に怯える3人の男(河津清三郎、田島義文、堺左千夫)がいた。彼らはかつて終戦のドサクサに軍の金塊を横領しようと企み、阻止しようとした須藤兵長(中丸忠雄)を殺害した過去があったのだ。そんな彼らの前に、死んだはずの須藤が現れ…。

当時の映画俳優の大部分は会社との専属契約制なので、どんな映画に出るかは会社の指示であって、役者さんの意思はあんまり入っていません。それでも平田さんや土屋さんなどはご自身が特撮物好きで出ていたのに対して、鶴田さんや中丸さんはそうじゃなかったようで、特に鶴田さんはこの頃既に大スターでご本人も「天下の鶴田浩二」と思っていたのにB級スリラー映画に出演させられてショックだったのか、この後すぐ東映に移っちゃったみたいです。観ている方としても、確かに1人だけ場違いな人が出ているようで、何だか落ち着きません。
お話は至極単純で、復讐の念に燃える須藤こと中丸忠雄が電送装置を使って瞬間移動を行い、殺人を繰り返す、というもの。「変身人間シリーズ」の一つと位置づけられているようですが、マタンゴのように人間自体変身してしまうわけではなく、単に電送されて移動するというだけなので、特撮色は薄いです。しかも、電送装置の置いてあるところまでは普通に走って逃げるだけというのがちょっと情けない。常に無表情で、やたらと強くてサイボークみたいな中丸さんは、アーノルド・シュワルツネガーみたいでカッコいいのですけど。
戦争の過去を引きずった怨念、と言う背景は後年のTV番組「怪奇大作戦」を連想させるものがあります。言いかえると、本来なら30分程度でも済みそうな話を引き伸ばしているだけので、ちょっと緊張感や盛り上がりに欠けますかね。ヒロインとして白川由美なんかも出てくるのですが、ただの添え物と言う感じで存在感がありません。
鶴田浩二はこの頃35歳ぐらいですか。私がリアルタイムで知っているのは中年以降の、あの吉岡指令補@男たちの旅路の頃の渋い鶴田さんなので、まだ若くて皺も少なくて、のっぺりした甘い優男時代の鶴田さんは別の人を見ているようです。白川由美と顔を見合わせて照れるシーンなんかでは、見てるこっちも照れくさくなったりして^^;
内容もさることながら、昔の映画を観ていて面白いのは当時の風俗です。河津清三郎たちの経営しているキャバレーの名前が「DAIHONEN」、つまり「大本営」で、ボーイが兵隊、ホステスは水兵(文字通りセーラー服)の格好していて、お酒の呼び名も「焼夷弾」とか「ミサイル」とか…これは所謂「軍隊バー」「軍隊キャバレー」と言うやつですね。話には聞いたことありましたが、本当にこういう形式で営業していたのでしょうか。
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