新・坊っちゃん

1975年10月17日~1976年3月26日にNHKで放送(市川森一脚本、全22回)

このドラマは「赤ひげ」や「ふりむくな鶴吉」と同じ「金曜時代劇」の枠で放送されましたが、時代劇ではないので、シリーズに数えていいのかどうか。放送期間もそれまでの時代物が1年間だったのに対し、半年で終わっています。
原作は言うまでもなく夏目漱石の「坊っちゃん」
ただし「新」と付いているように、原作をかなり膨らませてオリジナルストーリーが加味されています。私は当時たまたま原作を読んだばかりだったのでとても楽しみにしていたのに、原作と違う話の連続でちょっとがっかりしたという思い出があります。

主人公坊っちゃん(柴俊夫、ちなみに原作では名前が出てこないので、このドラマでは「矢田部」と言う名前がつけられている)が東京から中学教師として松山に赴任し、そこで同僚の山嵐(西田敏行)、校長のたぬき(三國一朗)、教頭の赤シャツ(河原崎長一郎)、野だいこ(下条アトム)、うらなり(園田裕久)、そしてマドンナ(結城しのぶ)等々の登場人物とひと悶着もふた悶着もあった挙句に東京に帰る、と言う大枠の設定自体はだいたい同じ。
ただ、原作は単純明快、と言うより、ある意味では漱石の「被害妄想」が炸裂して、病的なまでに人物が記号化され物語が短絡的に図式化されているのに対して、ドラマでは陰影が濃く複雑な人間関係を描写しています。
例えば登場人物の性格は、山嵐は自由民権思想の持ち主で過激な教育改革論を執筆していたり、野だいこは繊細な性格で、信じていた赤シャツが影で自分を酷評しているのを立ち聞きしてしまいショックを受けたり、と言うように、原作より肉付けされていました。
あとは細かい話になりますが、「漢学」の教師役が「ムーミンパパ」の声の高木均だったこと、坊っちゃんの親代わりでもある下女のきよ(北林谷栄だったかしら)が松山にやってくるエピソードや、生徒を煽動したと言う咎で免職になりかかった山嵐が、一旦は赤シャツの温情でクビが繋がりかかったのに、教育改革論の草稿を見られてしまい結局クビになってしまう、と言うエピソードがあったのは覚えています。
うろ覚えですが、最終回は、坊っちゃんと山嵐がたぬき(校長)を人質に捕って立て篭もり卒業式を阻止しようとしますが、赤シャツが急遽新校長に任命されると言う離れ業が演じられてしまう…と言う、何かトンでもない展開だったような。
ドラマのラストでは、登場人物たちの「その後」が描かれ、東京で駅員?になった坊っちゃんは相変わらず癇癪玉を破裂させて乗客を怒鳴りつけ、田舎に帰って小学校の教員になった山嵐はネンネコ半纏に赤ん坊を背負いながら生徒を教え、赤シャツはマドンナと結婚して子供も生まれ、教員を辞めた野だいこは娼婦のヒモになっており、そして確か坊っちゃんの教えた生徒たちは日露戦争で全員戦死(?)…と言うそれぞれの姿が流れて終わっていました。

坊っちゃん役の柴俊夫をはじめとするキャスティングはほぼイメージ通りでした。
柴俊夫は前々作「天下堂々」、西田敏行は前作「ふりむくな鶴吉」からのスライド出演。NHKで気に入られた役者さんは連続して起用される傾向がありましたね。マドンナ役は当初大原麗子だったのが病気で急遽降板したということなのですが、覚えていません。私の記憶にあるのは結城しのぶさんだけ。清楚で気丈で気位の高いお嬢様、と言う役柄にぴったりでした。
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