一刀斎は背番号6

1959年/大映/木村恵吾監督
出演/菅原謙二、叶順子、仁木多鶴子、小林勝彦、浦辺粂子、菅井一郎、春川ますみ、滝田裕介、十朱久雄
稲尾和久、中西太(西鉄ライオンズ)、田宮謙次郎、山内和弘(大毎オリオンズ)ほか

物語。後楽園球場の「大毎対西鉄」の試合前に行われた素人打撃腕自慢コンクールで、髭面・下駄履き・袴姿の男(菅原謙二)が、稲尾投手(本人)の速球を見事ホームランする。男は剣豪・伊藤一刀斎17代目の子孫で、合気道の達人と勝負するため奈良から上京してきたのだった。やがて大毎オリオンズに入団した一刀斎は、次々とホームランを打ちまくり…。

大毎オリオンズは大映の永田雅一社長がオーナーを務めていたプロ野球チーム(現在の千葉ロッテ・マリーンズ)。
大毎の結成パーティには市川雷蔵、山本富士子らスター俳優も多数駆けつけ、選手たちをびっくりさせたそうな。
選手より親会社の社員の方が有名、なんてのも、映画会社がオーナーの球団ならではの話。
その大映が作った野球映画という事で、大毎の選手たちが大挙出演。

何しろ、巨人やセ・リーグならまだしも、パ・リーグの大毎なので、選手の顔と名前が一致しない。
同じリーグのよしみでか出演している西鉄の稲尾、中西、豊田泰光と言ったところは、今でも昔の映像を見る機会が割と多いのですぐわかったが、山内(後のロッテ監督)、田宮(元阪神OB会長)、荒巻淳(和製"火の玉投手")、榎本喜八(伝説の初代"安打製造機")、小野正一(当時の大毎のエース)あたりは、背番号とつき合わせて漸く確認できたような次第。
ちなみに、劇中で一刀斎にホームランを打たれる小野正一は、この映画にも出演している大映の女優仁木多鶴子と数年後に結婚。これも"社内結婚"なんだろうか。

映画の内容自体は、野球映画らしいのは前半だけで、後半はむしろ、一刀斎が宿泊している旅館が舞台の下町人情コメディ風。
旅館の娘(叶順子)には恋人(小林勝彦)がいたが、次第に素朴な一刀斎に惹かれて行ってしまう。しかし、そうとは知らない両親(菅井一郎・浦辺粂子)はどんどん結婚の話を進めてしまうので、最終的には故郷へ帰る一刀斎への思いを断ち切り、両親の気持ちを慮って恋人と結婚しようと決意する。

頽廃的なお嬢様のイメージを持っていた叶順子の、下町のおきゃんな娘役と言うのは初めて見た。

菅原謙次と言うと、私がテレビで見た頃は寡黙でちょっとコワイ顔のおじさん、と言う印象だったが、若い頃は無骨さの中にユーモアのある二枚目俳優としてなかなか人気が高かったようで、雑誌『明星』の人気投票1位になったこともある。この映画でも菅原のとぼけた持ち味は如何なく発揮されている。

仁木多鶴子は芝大門に住んでいる合気道の達人の娘役で、合気道の達人は増上寺の森に「東京タワー」なる赤白の無粋な梯子段が建てられたことに立腹して家を飛び出してしまった、と言う設定。
東京タワーはこの前年(昭和33年)に完成。劇中でも「東京の新名所」との紹介がある。その地位も今やスカイツリーに奪われつつある。嗚呼昭和は遠くなりにけり。

叶順子の恋人役・小林勝彦、スポーツ新聞記者役の滝田裕介、一刀斎に言い寄る踊り子役の春川ますみは、若過ぎて最初誰だかわからなかった。
滝田の助手のカメラマン役は、後に服飾評論家となり「サントリー緑茶」のCMにも出演していた市田ひろみ。こちらの方は、昔から全然変っていない(つまり若い頃からオバサンだった?)
「なんと申しましょうか」の口癖で有名だった野球解説者の小西得郎、原作者の五味康祐も本人役で出演。小西は他にも映画出演歴があるせいか、結構演技が上手い。五味康祐は晩年、髭を生やしていた記憶があるが、この当時は髭がなくてのっぺりした顔(台詞は棒読み)。
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