三兄弟の決闘

1960年/大映/田中重雄監督
出演/長谷川一夫、川口浩、藤巻潤、叶順子、弓恵子、志村喬、河野秋武、角梨枝子、大辻伺郎、左卜全ほか

物語。組長(志村喬)の身代わりで服役していたやくざの宗太郎(長谷川一夫)が5年ぶりに出所してくる。宗太郎の次弟・圭二郎(川口浩)はやくざに反発して新聞記者となり、もう1人の弟・錬三郎(藤巻潤)は学生でボクシングに打ち込んでいた。
組の乗っ取りをたくらんでいた弟分の兵頭(河野秋武)は、警察に密告して組長を逮捕させる。だが組の実印は宗太郎が預かっているので、兵頭の思うとおりにならない。そんな折、錬三郎の恋人・美也子(弓恵子)の父親を殺害した犯人として5年前逮捕されたのが宗太郎だったとわかり、交際を反対された錬三郎と美也子は家を飛び出す。兵頭は錬三郎を利用して実印を手に入れようとする…

時代劇の巨星・長谷川一夫の珍しい現代劇、それもアクション物。
しかも川口浩、藤巻潤との共演でタイトルが「三兄弟」…と言うことから嫌な予感がしたのですが^^;
案の定な内容でした。

何しろ長谷川先生は当時52歳、川口と藤巻は24歳なのだから親子でもおかしくない年齢差なのに、三人の役柄は兄弟。
と言うことは長谷川先生はせえぜえ30代後半ぐらいの設定なんでしょうね。
しかし様式美が優先する時代劇でなら何とか若作りで誤魔化せるでしょうが、さすがに現代劇では年齢は隠せません。

特にアクションシーンでは、かなり足元がおぼつかないです。
殆ど棒立ちで、ただぎこちなく腕を振り回しているだけなのに、相手が勝手に飛んでゆくというありさま。
思わず晩年のジャイアント馬場の十六文キックを連想してしまいました^^;
日活に感化されて作ったアクション物なんだろうけど、線の細い二枚目の多い大映(勝新はこの頃まだブレイクしていなかった)には主演の適任者がいなかったので、せめて貫禄に期待して長谷川先生の登板となったのでしょうか。

尤も、よく見ればアクションにはそれなりに独特のリズムがあるので、さすが長年時代劇の殺陣で培った勘は伊達でないと感ぜられるし、床に転がっての取っ組み合いシーンもこなすなど熱演しています。

ただ、日活の場合なら主役(裕次郎)を恋い慕う相手役(北原三枝)を絡めるんでしょうが、、大映で長谷川先生に匹敵する女優さんはそうそういないです(まさか京マチ子というわけにもいかんし^^;)
なので、弟二人にはそれぞれ恋人がいるのに、主役である兄貴は恋人が自殺してしまったという設定で女ッ気がないのは少々寂しいところです。

叶順子は川口の恋人であり長谷川先生の死んだ恋人の妹でもある設定。
長谷川先生が「本当にあんたは死んだ姉さんにそっくりだ」と言いながら叶順子をじっと見つめるシーンは、ひょっとしてモーションかけてるんじゃない?という感じですが、残念ながら若い弟の方がよかったのか、叶順子はただ恥らうだけで陥落せず。時代劇では数々の女性を悩殺してきた長谷川先生の流し目も現代劇では通用しなかったようです。
藤巻潤が長谷川先生のタイコ腹をジロジロ見つめながら「兄さん、太ったなあ」なんて、聞いているこっちがひやひやするような大胆な台詞をズケズケ言えるのも、現代劇ならではか。
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