毒蛇島奇談 女王蜂

1952年/大映/田中重雄監督
出演/久慈あさみ、菅原謙二、森雅之、岡譲二、船越英二、見明凡太郎、植村謙二郎、瀧花久子ほか

物語。昭和7年、伊豆の孤島・月琴島に代々続く大道寺家を2人の大学生、日下部達哉(船越英二)と速水欣造(森雅之)が訪れる。日下部は大道寺家の一人娘琴絵(久慈あさみ)と恋仲になるが謎の死を遂げ、琴絵も達哉の子・智子を産み落とすと海に身を投げて死んだ。
二十年後、美しく成長した智子(久慈あさみ二役)は恋人の澤村(菅原謙二)と島に渡ろうとするが、不気味な警告状が舞い込む。澤村は先輩の名探偵金田一耕助(岡譲二)に相談する…横溝正史原作ミステリーの映画化。

「女王蜂」の映像化は市川崑監督&石坂浩二コンビのシリーズが最初なのかと思ったら、原作の発表当時に早くも映画化されていました。
しかもこれ、雑誌連載の終了が5月号なのに2月に公開されています。ということは、まだ小説の連載中、つまり完結する前に公開されたのでしょうか??
そのせいか、物語の導入部は概ね原作通りですが途中から少しストーリーが違って来ます(ただし犯人は同じ)。
ヒロイン智子への三人の求婚者などは現れないし、物語も月琴島の中でのみ展開します。
しかし最大の違いは何といっても金田一耕助。中折れ帽にスーツ姿、変装の名人と言う、多羅尾伴内か明智小五郎のようなダンディで颯爽とした中年紳士。昔の映画の探偵ってみんな同じスタイルね。
実際、演じた岡譲二は明智小五郎も演じたことがあります(そればかりか「蜘蛛男」の畔柳博士までやっています)
その金田一が、せむしの爺やに変装して大道寺家へ潜り込み二十年前の事件の真相を探り出すのですが、拳銃で撃たれて崖から転落して行方不明に。しかし終盤にはまた別の人物に変装して鮮やかに復活し、推理を披露する…と言う、まるで「江戸川乱歩の美女シリーズ」そっくりの展開となっています。

琴絵&智子の二役の久慈あさみは後に東宝の「社長シリーズ」で森繁社長の奥さん役として有名。宝塚の男役出身と言うことで、長身できりっとした美貌です。
智子役と言うと後に市川崑監督版で中井貴恵が演じて以降はアイドルまがいの小娘が割り振られることが多いのですが、本来は女王蜂と言われるぐらい絶世の美女なんだからこのぐらい凛とした気品があってもおかしくはないでしょう。
船越英二と菅原謙二はまだ20代だったので、当然ながら若いです。
菅原さんはデビュー間もないもののヒロインの恋人役なので最後まで出ずっぱりですが、まだブレイク前だった船越さんはすぐ死んでしまう役と、役柄に差がついています。
森雅之は既に名優の地位を築いていたはずですが、こんなB級スリラーにも出ていたとは意外です。市川版での仲代達矢もそうでしたが、40代で学生服姿の森さんが見られます。
最後は拳銃で撃たれ、何故かシェパードにも噛まれた上、血だらけになりながら崖から転落、と言う凄い死に方。浦辺粂子が「八つ墓村」の濃茶の尼みたいな妖婆役というのも意外と言えば意外です。
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