地上

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1957年/大映/吉村公三郎監督
出演/川口浩、野添ひとみ、香川京子、田中絹代、川崎敬三、佐分利信、滝沢修、小沢栄太郎ほか

物語。大正期の金沢。芸者置屋の二階で母親(田中絹代)と貧しい生活を送る中学五年の大河平一郎(川口浩)は社長令嬢の和歌子(野添ひとみ)と恋仲になるが引き裂かれ、退学に追い込まれてしまう。平一郎を慕っていた芸妓の冬子(香川京子)も東京の政商天野(佐分利信)の妾にされてしまい…大正時代のベストセラー小説の映画化。

原作者・島田清次郎については杉森久英の伝記小説「天才と狂人の間」に詳しい。
弱冠二十歳にして「地上」の成功により時代の寵児となるも、不祥事件を起こして文壇から追放され、最後は精神病院に収容され三十一歳の若さで死んだ、早熟の破滅型天才作家である。
10代の頃、「天才と狂人の間」を読んで大いに興味をそそられ「地上」も読んでみたいと思ったが、その頃は絶版。
暫くして復刻されたが、その時には既に関心が薄れていたせいか、正直言って期待したほど面白くなかった。
映画は今回初めて見たのだが、原作の大筋を借りつつ、もっと叙情性の強いものなっているようだ(脚本は新藤兼人)

主人公には、貧しいながらも相思相愛の恋人はいるし、他にも想いを寄せてくれる芸妓や友人の妹、更に理解のある級友や恋人の兄もいて…と、これだけ人間関係に恵まれているにもかかわらず貧富の差や社会的差別の壁は如何ともしがたく、最後は世の中を変えようと再出発を計るべく上京するところで物語は終わる。
一種の「青春残酷物語」なのだが、演出が淡々としすぎているせいか、あまり主人公の情念が伝わってこない。
ヘタすると退屈してしまいそうな物語なのだが、それを救っているのは、金沢の町並みの美しさ、そして清楚で可憐な香川京子の美しさ。
野添ひとみの令嬢も可愛いんだけど、薄幸を絵に描いたような香川京子の儚い美しさ、そして演技力にはかなわない。
母親役の田中絹代をはじめ、小沢栄太郎、滝沢修、佐分利信、上田吉二郎、山茶花究、ワンシーンのみの三宅邦子や殿山泰司らの配役も豪華だし、みな上手い。
尤も肝心の主役の川口浩は、イマイチ印象が薄い。この人にはもう少しふてぶてしい不良役とかの方が似合うと思う。
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