刑事コロンボ 美食の報酬

1978年/ユニヴァーサル作品/1978年5月22日NHK放送
物語。料理評論家のポール・ジェラード(ルイ・ジュールダン/声・金内吉男)は評論を盾にレストランを脅して金を取っていたが、イタリアンレストランのオーナーシェフ、ヴィットリオ(マイケル・V・ガッツォ/声・藤岡重慶)がジェラードを告発しようとしたことからワインに毒を入れて殺害。コロンボ(ピーター・フォーク/声・小池朝雄)はジェラードを犯人と睨むが、毒物の混入方法がわからなかった……シリーズ42作目。

シリーズの終わりから4番目の作品。
初期のコロンボシリーズは、巧妙な完全犯罪を目論む犯人をコロンボが最後にあっと言わせるトラップに引っ掛けて落とすのが見せ場の、本格推理ドラマだった。犯人は冷酷非情なエリートばかりで余り同情できるところがなく、対するコロンボも職人的な捜査のプロだが、ネチネチとしつこいばかりで人間的な幅は少なかった。
しかし後半になると、犯罪計画は雑だし、それを暴くコロンボの手口にもさほど冴えがなく、推理ドラマとしての出来はいささか落ちる。その代わり犯人やコロンボの人間性が深く描かれたり、ストーリーに遊びが見られてくる。

このエピソードも犯罪自体は単純で、犯人が毒をどうやって入れたか、と言う謎しかないし、その発覚方法もつまらない。
おまけに、最後に犯人がコロンボを殺そうとすることに意味がない。コロンボが一匹狼の探偵ならともかく、警察機構の一員であるコロンボを消したところで、むしろ疑惑を招くばかりであろう。筋立てはかなりお粗末である。

一方、料理界が舞台ということで、次から次へといろいろな料理が出て来て目を楽しませてくれる。イタリア料理、フランス料理、中国料理…いつもは食いはぐれてひもじい思いをしているコロンボも満腹状態で少し食傷気味。日本料理も出て来て、ここに今回の事件のポイントあるのだが、日本間で犯人のジェラードたちがハッピだか何だかわからない不思議な着物を着ているし、芸者さんまでいる。その様子はかなり珍妙だが、アメリカにおける70年代の日本のイメージなんて、こんなもんだったのだ。
ちなみに日系俳優マコ岩松が演じている日本人役の名前がケンジ・オヅ。小津安二郎と溝口健二のもじりだろうか。

最後にはコロンボが自慢の料理の腕を披露し、料理評論家である犯人から「あなたは料理人になるべきだった」と悔し混じりの賛辞を受ける。本職の捜査だけではなく敵の専門の料理でもギャフンと言わせたコロンボの完全勝利と言えるだろう。

見所と言うか聞き所なのは、吹き替えの声優陣。
スタイリッシュな料理評論家ジェラードの声を軽妙に演じた金内吉男はロック・ハドソンなどの吹き替えで知られ、NHKの実写ドラマでも常連だった名優。更に、被害者ヴィットリオの声は「あしたのジョー」丹下段平の藤岡重慶、ヴィットリオの店のシェフ・アルバートに初代バカボンのパパの雨森雅司、ジェラードの愛人イヴに「ベルばら」のオスカルの田島令子、そしてレストラン・デュヴァルのオーナー、マックスに「西部警察」二代目係長役の高城淳一、とかなり豪華である。
ちなみに、イヴを演じたシーラ・ダニーズはピーター・フォークの二度目の奥さんだそうな。つまり本物の「カミさん」が出ていたのである。
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