刑事コロンボ 断たれた音

1973年制作/米・ユニヴァーサル/1973年4月13日NHK放送
物語。チェスの世界チャンピオン、クレイトン(ローレンス・ハーヴェイ/声・小笠原良知)に、病気で引退していた前チャンピオンのデューディック(ジャック・クルッシェン/声・松村彦次郎)が復帰して挑戦。勝ち目がないと悟ったクレイトンは、ホテルのゴミ処理場にデューディックを突き落として殺害を図る。だがデューディックは奇跡的に命を取りとめ、意識不明の重態で病院に運ばれる。コロンボ(ピーター・フォーク/声・小池朝雄)はクレイトンを犯人と睨むが…シリーズ16作目。

これは子供の頃に見たとき、ラストでコロンボと犯人がやたら怒鳴りあっていたシーンだけ強烈に印象に残っていました。
今回の犯人は、耳の不自由なチェスの名人。彼は試合に負けることを恐れて対戦相手を殺害しようとしますが、動機として少し弱い感じもあります。ただよく見るとこの対戦相手ってソ連、またはその傘下の東欧諸国の人間らしいですね(「コーチ」の名目で監視役が同行しているところなどがいかにも共産主義国っぽい)。つまりこれは単なるチェスの試合ではなく、米ソの代理戦争、国家の威信を賭けた試合なのでしょう。ただでさえ神経質そうな犯人が、相当のプレッシャーが感じていてもおかしくないわけです。対戦相手は、一見ケンタッキーフライドチキンの人形みたいな顔をした人の良さそうなおっさんなので、この人が殺されてしまうのはちょっと可哀相になります。しかし犯人目線で見ると、相手の余裕に満ちた笑みや態度がいかにも自分を見下しているようで、ますますイライラさせる原因にもなっているんですね。
いつもは殺人が起こってコロンボ登場となるのに、今回は殺人が未遂に終わり、被害者は意識不明の重態となってまだ生きていると言う点に特徴があります。従って犯人は警察の目をかいくぐりながら、被害者の意識が回復する前に再度犯行に及ばねばならない、と言うスリルが中盤を支配します。
一方でコロンボは、犯人が何故最初の殺害に失敗したのか、と言う点に着目して、犯人は聴覚障害者以外にあり得ない、と推理します。そこから最初に書いた、ラストの怒鳴り合いシーンに繋がるのですが、犯人を執拗に挑発していらだたせるコロンボの心理的テクニックが相変わらず冴えています。状況証拠ばかりで決め手に欠ける気もしますが、ラストのコロンボの決め台詞によって、強引に納得させられてしまいます。
考えてみたら身障者が犯人で、しかもその障害を逆手に取るというのはすごい話です。少なくとも今の日本ではうるさい連中が多くて作れないでしょう。
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