刑事コロンボ 白鳥の歌

1974年/米ユニヴァーサル/1974年9月21日NHK放送
物語。人気カントリー歌手のトミー・ブラウン(ジョニー・キャッシュ/声・外山高士)は妻のエドナ(アイダ・ルピノ/声・麻生美代子)に強請られ、収入をエドナが信仰する宗教団体に吸い上げられていたことから殺害を計画。自家用セスナに乗せ事故を装い墜落させ、自分はパラシュートで脱出する。エドナの弟ルーク(ウィリアム・マッキニー/声・伊武雅之)はその日に限りトミーが愛用のギターをバスで運ばせていたことから殺人の疑いを抱きトミーを告発。コロンボ(ピーター・フォーク/声・小池朝雄)が捜査に乗り出す…シリーズ24作目。

「コロンボ」には憎たらしい犯人と同情される犯人の二通りあります。後者の代表作は「別れのワイン」でしょうが、個人的にはこの「白鳥の歌」の方が好きです。
この犯人は宗教に入れこんでいる奥さんに自分の稼ぎを全額巻き上げられてしまっている上、行動を縛られていて自由もありません。元はといえば、バックコーラスの女の子と関係を持ってしまった(淫行にあたるのか?)自業自得なんですが、この女の子の様子を見ていると完全に目がイッちゃってるし、奥さんとは同じ宗教の信者で一心同体っぽいので、それも最初からグルだったんじゃないかと言う疑いがしないでもないのです。いずれにしろ旦那を奴隷のようにこき使っているかなりの悪妻なので、犯人には同情がわきます。
計画はかなり大胆で、睡眠薬で2人を眠らせ、自分だけ用意のパラシュートでセスナから飛び降りるというもの。公演の移動にセスナを使うと言うスケールの大きさは日本では考えられませんが、自分も大怪我をする可能性もあるのですから相当のリスクを負っています。ただ、たとえ自分の身を危険に晒しても、愛用のギターだけは庇ってしまったことから、疑惑をもたれてしまいます。ミュージシャンの心理を無理なく生かしたこのプロットは大変巧みです。
犯人が軍隊時代パラシュートの整備に携わっていたことや事故の1週間前から新しい編曲の依頼をしていた事実などを徐々に突き止め、コロンボがじわじわと核心に迫っていくプロセスも丹念に描かれています。最後は例によってコロンボが罠を仕掛けますが、犯人はそれに全く乗らず、肩透かしを食らったか…と思わせておいて、土壇場でコロンボの勝ち。冒頭のところで、奥さんに財布を握られていて自分の車も持てない、ということがちゃんと語られているので、それが祟ってレンタカーで引き返してくるのをコロンボに見抜かれてしまう筋立てもフェアに出来ています。
ラストシーンでは「こうなって肩の荷が下りた気がするよ」と言う犯人を「これほどの歌を歌える方に悪い人はいませんよ」といたわるコロンボ。犯人役のジョニー・キャッシュと言う人は実際にカントリー界の大スター歌手だったそうなので、そのイメージを崩さず、かつ最大限生かした犯人像を作り出しました。
声を吹き替えている外山高士さんは時代劇の悪代官役でもお馴染みですが、アニメでは「新ジャングル大帝」のレオ、「サスケ」の大猿など、風格あるリーダーの声を演じていた方ですので、この役への起用もそうした線を狙ったものでしょう(キャッシュが歌っている時の地声と吹き替えの声質が全く違うのは難点ですが)。
ちなみに「ジャングル大帝」でレオの父パンジャの声だったのは、何と小池朝雄さんでした。なので、この作品は図らずもパンジャ・レオ親子の共演だったわけです。
殺される悪妻の声をあてていたのは、「サザエさん」のフネ役で今もお馴染みの麻生美代子さん。同じ奥さん役でも役柄は正反対。ちなみにご主人は、このコロンボシリーズ日本語版の演出をされていた方だとか。
その弟ルークの声の伊武雅之さんは、現在は俳優として活躍する伊武雅刀さん。まだ「宇宙戦艦ヤマト」のデスラー総統の声をやる少し前の頃です。コロンボシリーズでは他にも「ビデオテープの証言」などで吹き替えをやっています。
スポンサーサイト


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

関連タグ:
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
最新コメント
管理人のサイト
土曜日の美女たち
管理者用
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR