眠狂四郎無頼控 魔性の肌

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1967年/大映/池広一夫監督
出演/市川雷蔵、鰐淵晴子、成田三樹夫、金子信雄、久保菜穂子、長谷川待子、三木本賀代、毛利郁子、木村俊恵、稲葉義男ほか
物語。眠狂四郎(市川雷蔵)は闕所物奉行の朝比奈修理亮(金子信雄)から、京都御所へ献上する純金のマリア像を島原の乱の残党黒指党が狙っているので警護して欲しいと依頼される。朝比奈の娘ちさ(鰐淵晴子)の操を代償に引き受けた狂四郎だが、途中黒指党の首領三枝右近(成田三樹夫)らに襲われる…シリーズ9作目。

眠狂四郎シリーズの脚本は1作目から7作目までを星川清司が書き、8作目は大御所伊藤大輔が手がけたものの原作者柴田錬三郎、主演市川雷蔵両人の不興を買った由で、この9作目ではまた高岩肇に代わっています。そのせいかタイトルが原作と同じ「眠狂四郎無頼控」になった上に、狂四郎の性格も微妙に変わっているように思われます。
まず冒頭から狂四郎が黒ミサの子であることが強調されています。 1作目以外では特定の馴染みの女はいなかったのに、ここではおえん(久保菜穂子)のところへ通い詰めです。以前は出生のことに触れられるのは「もう慣れた」と言っていたのに、おえんに「見れば見るほど異人さんみたい」と言われたら機嫌を悪くしてしまいました。ちなみに、醤油顔の雷蔵さんが「異人そっくり」と言う設定の一方で、本物のハーフの鰐淵晴子が純日本娘の役なのは笑えます。
「俺に関わり合った女は必ず不幸になる」が売り文句の狂四郎が、「生涯にたった一人ちさ殿だけは不幸にしたくない」などと言い出したり、三枝右近には「初めて自分から挑戦するぞ!」と立ち向かって行ったり、やたら初めてのことが多いのも今回の特徴です。どうも、設定をリセットしてまた作り直しと言う感じのようです。序盤では多少明るかった狂四郎の性格が、物語の進行と共に徐々に陰影を深め、終いまで来るとすっかり虚無的になって行きます。それに一役買うのが隠れ切支丹の頭目、成田ミッキーの三枝右近です。
狂四郎と同じ黒ミサの子(まあ、ちょっとバタくさいミッキーの方ならハーフに見えなくもない)で、しかもその苦難の人生から逃れるためか、ジアボなる悪魔教を主宰する右近は、同じ運命を背負った狂四郎にとって「倒さねばならない相手」と言う宿敵としての性格付けがはっきりしています。由比小雪のような総髪スタイルの右近は仲間に対しても失敗すると容赦のない男で、ミッキーにはやはり非情な役柄がよく似合います。クライマックスでは、色鮮やかな友禅染がはためく河原で二人の対決。狂四郎シリーズには都合5人の監督が登板していますが、最も毒々しい色使いで画を作るのが池広一夫で、確かに狂四郎をエログロ趣味で撮るならよくも悪くも通俗的な池広の方が、スタイリッシュな三隅研次よりは合っていたかもしれません。
鰐淵晴子は年取ってからちょっとヘンな顔になってしまいましたが、この頃は可愛いですね。男装の武家姿も凛々しい。木村俊恵は後に中谷一郎の婚約者となるも結婚式当日に亡くなると言う劇的な最期を遂げた人ですが、まださほどの年でもないのに、もう鰐淵晴子の母親役になっています。 ちなみに一部の配役表では「渚まゆみ(岩風呂の女)」となっていますがどう見ても別人だし 「小柳圭子(おちか)」「香山恵子 (尼僧)」 とあるのも役が逆でしょう。
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