地震列島

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1980年/東宝/大森健太郎監督
出演/勝野洋、多岐川裕美、松尾嘉代、永島敏行、佐分利信、大滝秀治、佐藤慶、山崎努、草野大吾、滝田裕介ほか
物語。地球物理学者の川津陽一(勝野洋)は「30日以内に直下型の大地震が東京を襲う」と断言。首相(佐分利信)に直訴するが相手にされず、学会からは除名される。家庭でも妻の裕子(松尾嘉代)、姑(村瀬幸子)との関係が冷え、先代の義父から受け継いだ地震研究所の閉鎖を余儀なくされる。川津を励ましてくれるのは所員で愛人の富子(多岐川裕美)だけだった。川津と裕子、それに富子が仲人の丸茂教授(大滝秀治)を交えて離婚を話し合う予定になっていた当日、東京をマグネチュード7.9の大地震が見舞う…

地震大国の日本だけに昔から大地震を扱ったフィクションは少なくありませんが、この映画はタイトルもずばり「地震列島」。
尤もこの映画で起きるのは東京直下型の大地震だし、内容もサバイバル・アドベンチャー風の人間ドラマ。なので「日本沈没」のようなスケールの話を想像していると裏切られます。

卓越した1人の学者が大異変を察知し予言する発端のプロットは「日本沈没」と共通します。
しかしこの映画の場合、青二才の勝野洋は学会からも政府からも取り合ってもらえません。そもそも勝野自身が必ずしも本気だったわけではなく、防災意識の薄い学会のお歴々の石頭に切れて、つい口が滑ってしまったのが正直なところ。実際、「燃えない車」だの「避難経路」だとかの研究をやってますが、そんなことが30日以内に来る地震に間に合うはずもないのですから気休めにしかなりません。しかも勝野は松尾、多岐川に永島敏行を加えた四角関係に悩んでいて、プライベートが大地震の状態。映画の前半は、二時間ドラマ風の愛憎劇がだらだら続くだけに終始します。そして後半、いよいよ大地震が起こるのですが…。
大災害の特撮描写の多くは「日本沈没」からの流用でお茶を濁し、お話は専ら、マンションの高層階に取り残された永島&多岐川、及び地下鉄駅構内に閉じ込められた勝野&松尾の脱出劇が中心に描かれます。これはこれで迫力があるのですけど、所詮は絵空事の域を出ません。特にマンションが倒壊してばらばらと人が落下しているのに2人だけ助かる永島と多岐川はご都合主義そのもの。屋上で炎に取り巻かれ、これまでと思ったときにはまたも都合よく雷が落ちて給水塔が破裂し助かります。一方地下鉄組の勝野&松尾は、勝野の自己犠牲による英雄的行動で他の乗客を救います。結局、どちらも特殊な状況下で超人的な活躍をするヒーローを描いているに過ぎないので、実際の震災被害のリアリティからは程遠いです。
むしろリアリティがあるのは政府の描かれ方で、火の海と化した東京を目の当たりにしてもなすすべがなく、佐分利信演じる総理はただおろおろして下僚を怒鳴りつけるだけ。まるで村山富市と菅直人の悪いところを足して2で割ったような無策無能振りです。まあ阪神も東日本もまだ起きなかった時代の総理の反応ならこんなもんだろうとは思いますが、重厚な佐分利信に加うるに、見るからに切れ者の佐藤慶が官房長官でもこの国の政府はどうにもならんのかと思えば、ここだけはシビアな迫力を感じてしまいました。
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