美女と液体人間

1959年/東宝/本多猪四郎監督
出演/白川由美、佐原健二、平田昭彦、佐藤允、千田是也、小沢栄太郎、土屋嘉男、田島義文、中丸忠雄ほか
物語。銀座の街角で麻薬ギャング団の1人、三崎(伊藤久哉)が服だけ残して忽然と姿を消す。富永捜査一課長(平田昭彦)らは三崎の愛人のクラブ歌手新井千加子(白川由美)をマークするが富永の親友で城東大学生物化学助教授の政田(佐原健二)は、事件の陰に恐るべき液体人間が暗躍していると指摘。富永は一笑に付すが、やがて千加子の身辺に液体人間が現れ…

この後「電送人間」「ガス人間第一号」と続く特撮スリラーの1作目。タイトルからもわかるように、大人(男性)の客層を狙った特撮物で、確かに美女と液体人間の取り合わせはエロティック。これが「美女とガス人間」だったら、美女のおならが変身するみたいで艶消しです--;
お話は、原爆実験による放射能で変身してしまった液体人間が東京に上陸する、というところが「ゴジラ」以来の東宝特撮物のパターンを踏んでおり、襲われた人間がまた液体人間に同化してしまうところが非常に厄介。地を這い壁をよじ登り窓から自由に出入し、人間を泡と化し溶かしてしまう緑色の液体の不気味さを、円谷特撮は見事にビジュアル化しています。
ただ物語の進行はやけに緩慢で、麻薬ギャング団の金と警察の捜査話が先行し、肝心の液体人間となかなか結びつかない上に、そもそも何故新井千加子の周りにばかり液体人間が出現するのかイマイチ判然としません。千田是也扮する博士の言によれば、溶かされた人間の精神活動の残滓が液体人間に宿っているが故の行動のようですが、それも明確なものではありません。変身してしまった人間の哀れさが描かれるではなし、さりとて襲われる千加子に感情移入を持てるわけでもないので、ドラマ性は薄いです。尤もその点が反省されたのか、次の「電送人間」「ガス人間第一号」では変身人間の情念の強さが全面に出されていますので、とりあえず1作目としてはこの程度でよいのかもしれません。
地味だった展開が最後は一転して派手になり、下水道にガソリンをまいて、町もろともに液体人間を焼き殺す、と言う無茶な作戦を敢行。「人類が核戦争で滅んだ後、この地球を支配するのは液体人間かもしれない…」と千田博士の取って付けたようなもっともらしい言葉で締めるところは、いかにも東宝特撮物らしい終わり方です。
白川由美さんは清純で知的な美貌で、スタイルも抜群。上品な大人の色香を漂わせています。こういう本物の美女をスクリーンで見られた時代が羨ましい。映画スターに対する最大の賛辞は、彼(彼女)たちを金を払ってでも見たいと言うことで、所詮タダで電波が垂れ流すに過ぎないテレビタレントに有り難味が湧かないのは当然です。
冒頭で液体人間を目撃するアベックの1人を演じた夏木陽介はこれがスクリーンテストを兼ねた映画初出演だったとのこと。小沢栄太郎が悪役でも曲者でもない、普通の刑事役なのは珍しい。
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