無宿(やどなし)

1974年/勝プロ製作/東宝配給/斎藤耕一監督
出演/勝新太郎、高倉健、梶芽衣子、藤間紫、安藤昇、中谷一郎、山城新伍、大滝秀治、今井健二ほか
物語。昭和初期。刑務所で知り合った錠吉(高倉健)と駒玄(勝新太郎)は出所後、女郎屋で再会。女郎のサキエ(梶芽衣子)の足抜けを手伝う。日露戦争で沈没したバルチック艦隊から財宝を引き上げようとしている駒玄は、錠吉が元潜水夫だったと知り仲間に誘うが、断られる。錠吉は殺された兄貴分の仇、仙蔵(安藤昇)を追っていたのだ。やがて仙蔵を刺し、更に黒幕の親分(大滝秀治)も殺した錠吉は、駒玄とサキエに合流。宝探しをしながら三人の奇妙な共同生活の日々が始まるが…

勝新太郎と高倉健の唯一の共演作。
勝プロは「座頭市と用心棒」で三船敏郎を用心棒キャラで出演させましたが、今回の健さんもストイックな着流しの渡世人と言う、東映時代そのままのイメージで登場しています。だったら勝新も、八尾の朝吉でよかったような気もしますが、ここでは、沈没船からお宝を引き上げて一攫千金を夢見る男。更に2人が助けた娼婦の梶芽衣子さんも加わり、男2人と女1人によるひと夏の夢追いロマンが描かれる…はずなのですが、そこにいたるまでの話が結構長い。健さんが兄貴分の仇を狙っているエピソードが挟まっているので、すぐには宝探しが始まりません。
三船さんの時もそうでしたが、勝新はゲストスターの健さんに見せ場を作ろうと気を使ったのでしょう。ただその結果、中盤まで話は散漫になりがち。漸く健さんも合流するのは、最後の30分余りになってからです。
日本とは思えないような、かと言って外国と言うわけでもない、不思議な透明感と美しさを持った白浜と海は、どこの場所と言うわけでなく、おそらく演出とカメラワークの賜物なのでしょう。そこで3人は砂場に立てた掘っ立て小屋で寝食をともにし、昼は沖へ船を出して宝探しに明け暮れ、暇な時は入り江で波と戯れ、そして夢を語り合う、サキエいわく「ずっとこんな日が続けばいい」と言う楽しい日々を送ります。しかし終幕は突然訪れます。
ちなみにメインプロットはフランス映画の「冒険者たち」を下敷きにしているそうなんですが、幸か不幸か「冒険者たち」は昔見たはずなのにすっかり忘れていたので、ちょっと呆気にとられるこの結末は読めませんでした。
話がバラバラなので作品の出来は必ずしもいいと言えませんが、寡黙な健さんと騒がしい勝新、その回りをちょこちょこ付いてくる梶さんのトライアングルがいいので、個人的には俳優さんを見ているだけで楽しめました。
梶芽衣子さんの役は、いつも「海が見えるところに行きたい」とつぶやいている、ちょっと頭の弱い娘。と言うのはたいていの女優さんが綺麗で魅力的に見えるキャラクターですが、実際この映画の梶さんは目ッ茶かわいい。天真爛漫な笑顔の中に時おりふっとみせる、不安げではかない表情やしぐさが何ともいえません。「女囚さそり」や「修羅雪姫」より、こういう役をもっと演じて欲しかった気がします。
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