刑事コロンボ 殺人処方箋

1968年/米ユニヴァーサル/1972年12月31日NHK総合テレビ放送(日本テレビ版は1988年1月8日)
物語。精神科医のフレミング(ジーン・バリー/声・若山弦蔵)は年上の妻キャロル(ニナ・フォック/声・谷育子)を強盗の仕業に見せかけて殺害。愛人の女優ジョーン(キャスリン・ジャスティス/声・高島雅羅)を妻に変装させてアリバイを作る。ロス警察のコロンボ(ピーター・フォーク/声・小池朝雄)が捜査に現れるが、フレミングのアリバイは完璧で何一つボロを出さない…シリーズ1作目。

ピーター・フォーク氏のご逝去にお悔やみを申し上げます。
寂しいですが、「コロンボ」は永遠に残るし、私も見続けるつもりです。
なのでお別れは言いません。素敵な作品を遺してくれたことに感謝します。

と言うわけで気を取り直して、いつものようにエピソードのレビューを。
記念すべき「刑事コロンボ」の誕生作です。
日本では最初、1972年8月に当時NHKが持っていた実験放送UHFで放送された後、NHK総合テレビで放送されたのは同年12月31日。つまり大晦日の午後と言う、妙な時間帯に単発で放送されたそうです。なので、たぶん見た人はあんまりいなかったんでしょう。「コロンボ」がレギュラー放送されるようになって以降も1度しか再放送されなかったので、ファンにとっては幻の作品になっていたようです。
私も長いことタイトルしか知らなかった記憶があるので、日テレに放送が移ってから見たのかもしれません。単発ドラマとして作られただけあって、やはりシリーズ化されてからの「コロンボ」とは、かなりの点で雰囲気が違います。
物語は常に犯人サイドから描かれ、コロンボが登場するのは犯人と接触する時のみ。普段のコロンボが何を考え、何をしようとしているのかは、犯人のみならずテレビを見ている視聴者にも一切わかりません。従って、いつもふいを突いて現れる「得体の知れない刑事」と言う印象が強いので、見ている方としては自ずと犯人側に感情移入させられて行きます。
コロンボの風采は、髪の毛は少し短くすっきりしていて、トレードマークのレインコートもまだそれほどよれよれになっていません。結構目つきも鋭いし、押しも強い。後年の、すっとぼけたユーモアに包み込みながら巧みな話術でじわじわと相手を引き込んでいく熟練された手法よりは、むしろずけずけと懐に飛び込んでいく攻撃的な手法が目立ち、いかにも辣腕刑事と言う感じが滲み出ています。
しかし犯人もなかなか手強くて、難攻不落。業を煮やしたコロンボは、共犯の愛人にターゲットを切り替えて執拗につきまといます。この時のコロンボは、「女性には(たとえ犯人でも)優しい」と言う後年のイメージとは違って、相当に辛辣です。
ちなみに、現存する吹き替えはNHK版ではなく、日本テレビに放送権が移った時に再収録されたもの。おそらく最初の吹き替えでは、コロンボ=小池さんの口調はこれ以上に厳しいものだったんだろうと思うのですが(対するフレミングが隠密同心・井坂十蔵!の嵯川哲朗さんだったことからしても、尚更)、残念ながら確認するすべがありません。
最後は、コロンボが驚くべき逆トリックを仕掛けて共犯者を落とすことでアリバイを崩すのですが…この逆トリックはちょっと奇想天外と言うか、後年に比べると強引でまだ洗練されていません。いくらリッチなアメリカとは言え、売れない大部屋女優ふぜいがプール付きの家に住んでいると言う設定自体が不自然なので、いかにも”トリックのためのにトリック”という感じがします。しかし犯人とコロンボの対決、息詰まる心理戦の緊迫感は素晴らしいし、やはり傑作のひとつでしょう。
物語の始まりからコロンボ登場まで30分近くかかるし、エンディングでアップになるのもコロンボではなく、フレミングの方。こんな点にもまだ犯人主役のドラマだったことが表れています。
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