メカゴジラの逆襲

1975年/東宝/中野昭慶特技監督/本多猪四郎監督
出演/佐々木勝彦、藍とも子、平田昭彦、大門正明、内田勝正、睦五郎、佐原健二、中丸忠雄ほか
物語。破壊されたメカゴジラの残骸を回収に行った潜水艦が「恐竜」という言葉を残して消息を絶つ。「恐竜」とは、かつて学会を追われた真船博士(平田昭彦)が研究していたものだった。海洋生物学者の一之瀬(佐々木勝彦)と国際警察の村越(内田勝正)は真船邸を訪ねるが、娘の桂(藍とも子)に父は死んだと追い返される。実はブラックホール第3惑星人が真船博士と手を組み、博士の協力でメカゴジラを蘇らせていた…。

タイトルからゴジラの名が消え、ゴジラ映画そのものにもピリオドを打った作品。「怪獣大戦争」「怪獣総進撃」のように名前が入らないことはあっても、ゴジラを差し置いて別の怪獣がタイトルに表記されたのは、初めてです。実際この映画でゴジラの存在意義は薄く、登場する意味はほとんどありません。
これまでは、ジェットジャガーが呼びに行ったりとか、舎弟のアンギラスがシメられたりとか、一応ゴジラが出馬するきっかけがきちんと描かれていましたが、今回は突然現れて戦い、そして帰っていきます。メカゴジラが倒されたのも、別にゴジラのお陰ではなく、メカゴジラをコントロールしていたサイボーグ少女が死んだからに過ぎません。エンディングで去っていくゴジラの後姿がこれほど寂しそうに見えたことはありませんでした。
しかしこの映画、よく見るとゴジラだけでなく主役?のメカゴジラもまた影が薄いです。はっきり言えば、ゴジラもメカゴジラも実は付録。本来は恐竜(チタノザウルス)を巡る真船親子の物語だけを描いた方が、よっぽど話はすっきりするのです。
本多監督がやりたかったのは手垢の付いてしまった既成のゴジラではなく、初代「ゴジラ」のような、繁栄への警鐘と疎外されてしまった人間の悲しみの方を描きたかったのでしょう。それは平田さんがいつもの理知的な科学者ではなく、初代「ゴジラ」の芹沢博士を更に捻ったようなマッドサイエンティストとして登場したことからもわかります。全体に漂う暗い雰囲気や、サイボーグ少女の藍とも子と佐々木勝彦の悲恋も、初ゴジを彷彿とさせるものがあります。惜しむらくは、藍とも子と佐々木勝彦が地味で平凡過ぎて盛り上がりに欠けたことです。
いずれにせよ、本多監督にとっても平田さんにとっても最後のゴジラ映画となったこの作品をもって、ゴジラはしばらくの間、眠りに付いてしまいました。
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