江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間

1969年/東映/石井輝男監督
出演/吉田輝雄、大木実、土方巽、由美てる子、小畑通子、賀川雪絵、笈田敏夫、高英男、小池朝雄ほか
物語。医大生人見広介(吉田輝雄)は記憶を失い精神病院に監禁されていたが脱出。聞き覚えのある子守唄を手がかりに北陸へ向かう。そこで自分そっくりの資産家菰田源三郎(吉田二役)が死んだことを知った広介は源三郎が蘇生したように見せかけ菰田家に入り込む。源三郎の父丈五郎(土方巽)は手に水かきがある奇形で、沖合いの無人島の改造を行っているという。やがて源三郎の妻の千代子(小畑通子)が殺される。広介は執事の蛭川(小池朝雄)、遠縁の静子(賀川雪絵)、下男(大木実)を連れ島に渡る…。

ベースは「パノラマ島奇談」で、中に「孤島の鬼」が入っています。つまり無人島では美のユートピアの代わりに奇形人間のユートピアを製造しているわけで、ほかにも「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「蜘蛛男」などを無理矢理入れ込んでいます。
カルト映画として大げさな評判とは裏腹にプロット自体は割とオーソドックスで、特に源三郎になりすました人見広介目線で進む中盤の「パノラマ島」パートまでのミステリーはなかなか面白く出来ています。でも肝心の奇形人間のユートピアがいただません。土方巽率いる暗黒舞踏団のオンステージ自体はそれなりに見事ですが、大資産家が半生をつぎ込んだ結果がこの程度なのではショボ過ぎるし、大部分の事態がナレーション風モノローグで始末されてしまうのも退屈。そして失笑物のラストシーンは確かに原作通りなんだけど、やはりああいうものは乱歩の筆になる文学表現だからこそ受け取り手のイマジネーションが広がるのであって、映像化すると全て台無しです。まあ作る方ではそれを承知の確信犯としてやっているんだろうけど、乱歩=安っぽい悪趣味でいいんだと言う風潮にした罪は重いです。
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