続姿三四郎

1945年/東宝/黒澤明監督
出演/藤田進、大河内傳次郎、月形龍之介、轟夕紀子、森雅之、宮口精二、河野秋武、高堂国典ほか
物語。修行の旅から戻った姿三四郎(藤田進)に、かつて三四郎に敗れた檜垣源之助(月形龍之介)の弟で空手家の鉄心(月形二役)・源三郎(河野秋武)兄弟が挑戦して来る…

「姿三四郎」のヒットを受け会社側から要請された黒澤が、やりたくないのに嫌々撮ったという続編。本人がはっきりそう言っている上に題材が二番煎じの続編と言うことで評価が低いようですが、出来栄えはそう悪くありません。
公開されたのが1945年(昭和20年)の5月、つまり終戦の3ヶ月前と言う時代状況を全く感じさせない豊かな娯楽作品に仕上がっています。冒頭で三四郎がアメリカの水兵を海に投げ込んだり、試合で柔術家を叩きのめしたアメリカ人のボクサーを逆に三四郎が叩きのめしたりと、ナショナリズムを意識した場面もありますが、アメリカ人はそれほど憎々しい悪役には描かれていません。
ちなみに水兵役は戦後の映画でも活躍したトルコ人のオスマン・ユセフだと思いますが、ボクシング会場のギャラリー役の外国人たちは、どこから連れて来たのでしょうか。同盟国だったドイツ人やイタリア人?
映画の内容は檜垣鉄心・源三郎兄弟との対決を核に、柔道対空手、柔道対ボクシングなど、今で言う異種格闘技戦が展開します。その一方で、没落した檜垣源之助ら柔術家たちの悲哀に満ちた姿と三四郎の苦悩も描くことで人間ドラマの幅も生んでいます。
特に、健康を害してから静かな諦念の境地に達していたかのように見えていた源之助が、昔恋していたいた小夜(轟夕紀子)に接した時に示す微かな心の揺ぎは名シーン。源之助と鉄心を演じ分ける月形龍之介も名演技です。
一方、山姥のようなボサボサ頭で突如奇声を発する源三郎役の河野秋武は、後年ギャグ漫画でデフォルメされたようなエキセントリックな空手家のイメージに笑ってしまいます。
ラストの三四郎と檜垣兄弟の雪原での対決シーンも素晴らしいのですが、ただフィルムの感度が悪かったのか、人物が真っ黒に映ってしまったのが残念。
三四郎と並ぶ修道館四天王を演じるのが、宮口精二と森雅之。宮口はともかく、森雅之が髭面で、無骨な柔道家役なのは、ちょっとびっくり。後年の”憂愁の二枚目”の面影はまだ全くありません。
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