1965年/三船プロ・東宝/岡本喜八監督
出演/三船敏郎、小林桂樹、新珠三千代、八千草薫、伊藤雄之助、平田昭彦、東野英治郎、杉村春子、江原達怡、松本幸四郎ほか
物語。大老井伊直弼(先代松本幸四郎)暗殺を狙う浪士たち。だが容易にその機会が訪れないことに苛立った首領の星野監物(伊藤雄之助)は、同志に密通者がいるのではないかと考え、栗原栄之助(小林桂樹)とその親友の新納鶴千代(三船敏郎)に疑惑をかける。調査の結果、実は新納はさる大藩の御落胤であったが、実父の名はわからないと言う。一方栗原の妻みつ(八千草薫)が井伊家ゆかりの者と縁続きであることが発覚。星野は新納に栗原を斬れと命ずる…

物語は私生児として賤しまれた新納が「侍」になろうとして、そのために親友を犠牲にしてまで井伊大老を倒したのに、皮肉にも井伊の死によって「侍」の社会が終わってしまうと言う時代の波に呑まれた者の悲劇を描いています。更に、新納の実父こそ大老井伊直弼で、彼自身はそれを知らぬまま最後に井伊大老の首を討って狂喜すると言うギリシャ悲劇風な結末も絡んでいます。
橋本忍の脚本はよく練れているし、現在進行中の出来事の中に新納の過去を挿入する複雑な構成を映像化した岡本喜八の演出も見事。また、冷血な浪士のリーダー伊藤雄之助、無実の罪で斬られる小林桂樹、新納の初恋の女性と女将と二役を演じた新珠三千代、新納の後見人の材木問屋の東野英治郎、井伊大老の幸四郎などキャスティングは素晴らしい。そして三船さんも熱演ではあるんだけど、ミスキャストなのでイマイチ入り込めない。幸四郎と三船さんが親子に見えない(10歳しか違わない)上に、この当時の三船さんに付いてしまった豪快なイメージからは運命に翻弄される悲劇の若侍と言う感じがしません。どう見ても三十郎だし。
三船プロの映画での三船さんは黒澤映画とは真逆の侍役が多いが、三船さんの人気や評価にはあんまり繋がらなかったようだし、結局、本人がやりたいことと周りが望んでいることとが違っていたんでしょう。後年、用心棒キャラばかりになってしまったのもむべなるかな、と言う気がします。
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