雅羅倶多館

1960~80年代のテレビドラマや映画を中心にあらすじや感想を書いています。

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刑事コロンボ 構想の死角

1971年制作/米・ユニヴァーサル/1973年8月25日NHK放送
物語。ケン・フランクリン(ジャック・キャシディ/声・田口計)とジム・フェリス(マーティン・ミルナー/声・堀勝之祐)はベストセラー推理作家コンビ。だがフェリスがシリアス物に転向してコンビを解消したいと言い出したため、フランクリンはフェリスを殺害。コロンボ(ピーター・フォーク/声・小池朝雄)はフランクリンの犯行と睨むが、犯行時刻にはサンディエゴの別荘にいたアリバイがあった…シリーズ3作目。

「コロンボ」は1作目が単発ドラマ、2作目がパイロット版なので、この3作目が正式にシリーズ化されて最初のエピソード。若手時代のスティーブン・スピルバーグが監督したことでも有名で、原作者自身(レビンソン&リンク)を思わせる推理作家コンビが登場します。
フランクリンとフェリスは、表向きは共著ということになっているものの、実態はフェリスが全て執筆しフランクリンは出版社と交渉をしたりインタビューを受けたり宣伝活動をするのが専門。従ってコンビを解消することになると、フランクリンは経済的に打撃になるだけではなく、今まで「名推理作家」として得ていた名誉や体面までも失墜します。なのでフランクリンとしてはむしろ後者の動機の方が大きかったんでしょう。自分で書いたわけじゃないのに、世間に向かってはあたかも書いているように振舞っていると、だんだん本人もその気になってしまうもんなんでしょうか。
フランクリンはアリバイを工作した上で相棒を殺し、犯罪組織の仕業に見せかけるわけですが、このトリックは非常に良く出来ています。しかし、そのトリックがあまりにも素晴らしいがゆえに湧く疑問があります。そもそもミステリーを一行も書いていなかったような男が、どうやって巧妙な殺人計画を考案したのか、と。計画外に犯さざるを得なくなった第二の殺人がちょっとお粗末だっただけに、尚更です。
この疑問こそまさにコロンボが犯人を追い詰める武器になっていました。犯人の動機が「推理作家としてのプライド」であればこそ、その点を刺激されるのが一番堪えるからです。なので最後、フランクリンが自白するのがあまりにもあっけなさ過ぎるようにも見えますが、これは逆なんですね。むしろ彼にとっては、自分のプライドを守るためには自白せざるを得ない、と言う矛盾に陥ってしまっていたわけで、そう仕向けるのが最初からコロンボの目的でした。従って使われているのは高度な心理テクニックなんですが、テレビ的にはちょっと地味な印象の結末でした。そういう点も考慮して、後のシリーズではコロンボの鮮やかな逆トリックで締める手法が定着したのでしょう。
出演者で印象深いのは、シリーズ化後の1作目を飾り後に「コロンボ」を代表する犯人の1人となったジャック・キャシディも勿論いいのですが、ある意味でそれ以上に強烈だったのが、脅迫者となる雑貨屋のおばさんです。あのすごい馬面で迫られて来た日には、夢に見そうです。


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