大映俳優列伝(21)酒井修

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1977年(昭和52年)から78年にかけて芸能界を麻薬スキャンダルが襲った。77年に歌手のジョー山中・井上陽水・にしきのあきら・研ナオコ・美川憲一・ 内藤やす子等が、78年には俳優の室田日出男や川口恒・厚・晶兄妹たちが、それぞれ覚醒剤や大麻で逮捕されたり書類送検されたりしたのである。
当時まだ子供だったがこれら一連の出来事は記憶にある。中でも驚いたのは大物俳優である勝新太郎がアヘン不法所持で書類送検され放送中の「新座頭市」(フジテレビ)が急遽打ち切りとなったことだった。そしてこの時に勝のマネージャーと勝プロの俳優だった酒井修もアヘン所持で逮捕されたのである。

酒井修は1962年(昭和37年)に大映京都撮影所に入所。1963年、勝新太郎主演の悪名シリーズ第5作「第三の悪名」にノンクレジットで出演したのに続き第6作「悪名市場」で正式にクレジットされデビューする。最初は本名の酒井修三だったが66年の「悪名桜」から芸名を酒井修に改めている。
上記のように勝新の主演作に頻繁に出演しており、勝新に可愛がられて以後も「座頭市牢破り」「酔いどれ博士」などで大概はいい役を貰っていた。それ以外でも現代劇の「ジェットF104脱出せよ」(1969年)や「フリーセックス 十代の青い性」(同)にそれぞれ主演グループの一員として出演するなど、勝新の後ろ盾のお蔭かどうか知らないが会社からも若手スターに押し上げようとプッシュされていたようである。だが如何せん小粒過ぎた感がある。
それでも1970年「透明剣士」で初主演したのに続き、71年には本宮ひろしの漫画を勝プロが実写化した「男一匹ガキ大将」でも主演に抜擢されているが、同年暮れに大映が倒産。
その後は勝プロに所属し、勝プロ作品以外の刑事ドラマや時代劇にもゲスト出演するなど中堅の俳優としてそこそこ活躍していた印象だったが、冒頭で触れたように78年5月、アヘン所持で逮捕されてしまうのである。
このアヘンはそもそも勝新が中東へ撮影で出かけた際に知り合ったイランの貴族から土産として貰ったものだったから元凶は勝新なわけだが、勝新自身は「アヘンは装飾品として所持していただけ」と主張して書類送検で済んでいる。だがその勝新も12年後の1990年にはアメリカのホノルル空港で下着にマリファナとコカインを入れていた「パンツ事件」で現行犯逮捕され有罪判決が下るのだ。
それはともかく一連のクスリ汚染の当事者たちはその後復帰した者も多かったが、酒井は俳優を引退し、表舞台から姿を消したまま亡くなったようである。
私生活では大映時代に渥美マリと付き合っていたり、不遇に陥った頃には八並映子に面倒を見て貰っていたこともあったと言う噂だが詳しいことは知らない。

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