大映俳優列伝(38)細谷新吾(日高晤郎)

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大映京都撮影所では、東京のニューフェイスとは別個に「フレッシュフェイス」と言う新人オーディションを開催していた。その第1期生だったのが細谷新吾である。
この名前では分からないかもしれないが、日高晤郎と言えばピンと来る人も多いだろう。北海道ではラジオパーソナリティとして絶大な知名度を誇っているらしい。尤も私は北海道に縁がないのでよく知らないのだが。むしろ大映時代劇に出演していた細谷新吾で知っていたのである。
プロフィールはSTV(札幌テレビ)ラジオの公式ページやウィキペディアに載っているが、デビュー前後の年度がずれているように思うので、ここでは訂正した上で話を進める。
高校在学中に「第1回フレッシュフェイスコンテスト」で優勝し、1961年(昭和36年)に大映京都撮影所演技研究所に入所。東京で言えば第15期のニューフェイスに該当し、三夏伸(三夏紳)、石黒三郎、澄川仁恵(葵三津子)、広瀬みさらがいた。また、同じ年に大映京都演技研究所に入所した藤村志保とは同期だったことになる。
研究所を卒業後、デビューして初めて名前がクレジットされたのは62年1月の「化身」のようである。以後「座頭市物語」などに端役で出演した後、同年7月の「江戸へ百七十里」に主人公・市川雷蔵の家臣の役で出演。役柄上、出番が多く、ポスターにも名前が載っている。なので公式にはこれがデビューとされているようである。
撮影所ではその雷蔵に可愛がられる一方、勝新太郎にも目をかけられていたと言う。ちなみに勝新が自分のサインに添えて書いていた座頭市のイラストは、日高が原型を考案したそうだ。
だが大映では芽が出ず、20本以上(公式プロフィールでは40本)出演して殆どが若侍や三下やくざなどの端役である。
そんな彼にも唯一主演した作品がある。64年10月「これからのセックス 三つの性」である。ミリオンセラーとなった啓蒙書『性生活の知恵』で知られる謝国権原作の「これからのSEX」を映画化した三話オムニバス形式の作品で、その第2話に主演しているのだ。ソフト化は勿論おそらくはテレビ放送もされたことのない作品なので概要しかわからないが、童貞の新郎の新婚初夜の苦悩を描いた話のようで、花嫁の役は小桜純子が演じている。
65年4月「鼠小僧次郎吉」を最後に大映を退社。ウィキによれば日高に準主役級の役を用意していた雷蔵からは残念がられたと言うのだが、どこまで本当なのかわからない。
上京して飛鷹一と改名し、TV「特別機動捜査隊」(NET)「プレイガール」(東京12チャンネル)などにゲスト出演する傍ら67年には歌手デビューし、この時に芸名を「日高吾郎」(のちに晤郎)に改めている。
声優としても活動し、実は映画「007シリーズ」で主演のショーン・コネリーの吹き替えを最初に担当したのは日高なのである。74年4月7日にNET「日曜洋画劇場」で放送された「ゴールドフィンガー」で吹き替えを担当し、更に翌75年4月7日、TBSが「月曜ロードショー」で「ロシアより愛をこめて」を放送した時も担当した。しかし残念ながら日高の持ち役とはならず、同じTBSが76年3月29日の「月曜ロードショー」で「ロシアより愛をこめて」を再放映した時には若山弦蔵が担当。以後コネリーのジェームズ・ボンドはすべて若山のものとなった。
77年、かつての役者仲間の依頼で札幌のキャバレーでステージを務めた時にSTVラジオのディレクターを紹介され、情報番組のレポーター等を担当。これ以後は北海道が活動の主舞台となり、83年から「ウイークエンドバラエティ 日高晤郎ショー」のパーソナリティを務めている。言いたいことをはっきり言うためネットでの評判は毀誉褒貶半ばしているようだが、73才の現在も活躍中である。

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