特捜最前線 第107話「射殺魔・1000万の笑顔を砕け!」

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通学途中の女子高生がライフルで射殺される事件が発生。特命課に「シドニーの三條真弓に自殺しろと伝えろ。実行しないなら誰でもいいから射殺する」と言う脅迫状が届く。
三條真弓(下村節子)はあるレストランの元ウェイトレスで現在は結婚してオーストラリアに住んでいる。更に捜査の結果、犯人は元同僚の片桐(北見敏之)であることがわかる。
田舎者と蔑まれていた片桐に真弓だけが優しくしてくれ、しかもベッドまでともにしてくれた。片桐は結婚を考えていたが、彼女はただのヤリマンで店中の男と関係を持っていた。
しかもエリート社員(寺泉哲章)と婚約した真弓は自分の店に客として現れ、動揺する片桐を見て婚約者と一緒に笑い転げる。
それ以来片桐は他人が自分を笑っているような気がしてしまう。
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偶然、同級生とお喋りしながらすれ違っただけの女子高生。
たまたま本屋でマンガを立ち読みして笑っていた青年。
強度の被害妄想となった片桐は笑っている人間を射殺して回る。
特命課は犯行予告のあった新宿歌舞伎町で張り込み、笑いながら歩いている通行人に「笑わないで下さい」と呼びかける。しかしまたしてもライフルが発砲され、乱射しながら逃走する片桐を特命課メンバーが追いかける。
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片桐は演芸場に逃げ込む。場内では女性お笑いトリオ「あらんどろん」のコントにお客が大爆笑。狂乱した片桐はライフルをぶっ放し、人質の「あらんどろん」を楯に逃走を図る。
紅林刑事(横光克彦)は咄嗟にハンドマイクを持って大爆笑し「撃てるものなら撃ってみろ!」と片桐を挑発。片桐は紅林に発砲。その隙に桜井刑事(藤岡弘)が片桐にタックルしボコボコに殴りつける。更に津上刑事(荒木しげる)と吉野刑事(誠直也)がボコ殴りにして片桐を逮捕。
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負傷した紅林に桜井が手を貸して立ち上がり、その前を担架に乗せられた片桐が通り過ぎる。眠りに落ちた片桐は赤ちゃんのような無邪気な微笑を浮かべている。
その時に漸くシドニーの三條真弓と連絡が取れ、橘刑事(本郷功次郎)に無線が入る。
「主人とコアラを見に出掛けてましたのwwwあたくしのことで何か?」
橘は犠牲になった女子高生の鞄に飾られていたコアラの人形を思い出し、やり場のない怒りに無線のマイクを叩き付ける。

「特捜最前線」=「やり切れない話」。多くの場合、事件が解決しても決してメデタシ、メデタシにならない。このエピソードもほかの刑事ドラマなら桜井と紅林が肩を組んで引き上げるところで終わるでしょう。あらすじでは省きましたが、捜査方針を巡って終始桜井と紅林が対立していただけに、尚更最後は認め合った同志の熱い友情で締めくくるのが無難と言うもの。しかしそうならないのが特捜の特捜たる所以で、能天気なシドニーからの電話に橘が怒りをあらわにし、視聴者がとっくに忘れていたであろう冒頭の何の罪もない女子高生の無残な死を思い起こさせたところでジャカジャーン!と「私だけの十字架」へ突入。視聴者は突き放されたような気分でただ茫然とEDの夕陽を眺める、と言う按配です。
このエピソードには良い意味で視聴者が登場人物に感情移入できる余地がなく、まず本来ならその対象たるべきゲスト主役の犯人に全く同情の余地がないです。ただナイーヴで社交下手な田舎出の青年が狂気に追い込まれて行く描写は北見敏之の熱演もあって真に迫っているので、結果的に物語の不条理感だけが浮き彫りになります。
方や刑事側である特命課メンバーも、非情に徹する桜井も慎重論を説く紅林も犯人を憎み人命を救いたいと言う思いは同じなだけに、視聴者にはどちらが正しいとも一概に決めかねます。
最後の橘の怒りは能天気なヤリマン女に直接向けられたものではなく(この女に罪があるわけではない)もう結婚も旅行もコアラ見物もすることはできない犠牲者を慮ってのことでしょう。こういう場合犠牲者の心情を代弁する役割に相応しいのは課長(今回はいませんが)でも若い刑事たちでもなく、橘警部の存在感が際立ちます。
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テーマ:懐かしドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ

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