大映俳優列伝(58)田中三津子

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1958年(昭和33年)9月に公開された「一粒の麦」(吉村公三郎監督)は当時"金の卵"ともてはやされた集団就職の少年少女たちを描いた作品である。主演は先生役の菅原謙二と若尾文子だが、若尾は出番が少なく、大部分は12人の少年少女を演じた金沢義彦、田中三津子、松山英太郎、小笠原まり子、中根勇、高島稔、木下雅弘、安城啓子、杉本五十八、如月敏子、小林信介、肥山昭枝による群像劇である。
この中で有名なのは前進座・河原崎國太郎の息子で後年テレビの「肝っ玉かあさん」や「大岡越前」などで活躍した松山英太郎だけで、あとは日活の脇役だった木下雅弘と東宝の怪獣映画「地球攻撃命令ゴジラ対ガイガン」(72年)に出演した高島稔がかろうじて知られているぐらいだろう。だが、年数だけで言えば松山に次いで長く活動したのは田中三津子である。
プロフィールは不明で、データベース上の最初の出演作は幕内力士・房錦の半生を本人主演で描いた「土俵物語」(1958年3月)である。その後「巨人と玩具」の端役を経て出演したのが「一粒の麦」で、他の仲間と共に福島から上京して病院の女中に就職する少女を演じている。設定上は中卒だから15~16歳だったことになるが、恋人役の木下雅弘の実年齢が当時20歳だったりもするので実際はいくつだったのかわからない。
以後倒産まで在籍しているのだが、これと言った役に恵まれず、主人公の友人とか同僚のOLとか平凡な脇役が多い。クールな美貌の持ち主だと思うがあまり重用されなかった。
ただ1本だけ主役を演じたことがある。以前にも成田純一郎や日高晤郎の回で取り上げた「これからのセックス 三つの性」(64年)と言う未ソフト化の3話オムニバス物で、その3話目の主役が竹村洋介と田中三津子なのである。あらすじは、子供は生まない主義で堕胎したばかりの竹村・田中夫婦の許に叔父から子供が生れたら莫大な財産を相続させるという話が舞い込み、慌てて妊娠しようとする…と言う話だったようである。
末期には時代劇の「秘録おんな寺」(69年)「怪談累が渕」(70年)や怪獣映画の「ガメラ対大魔獣ジャイガー」(70年)にまで動員されている。若手が次々辞めて同世代の女優が手薄なためか、便利使いされたような感じである。
倒産以前からテレビ出演もするようになり「ザ・ガードマン」(TBS)「特別機動捜査隊」(NET)「大江戸捜査網」(東京12チャンネル)などにゲスト出演。69年の怪奇ロマン劇場「四谷怪談」(NET)では田村高廣が伊右衛門で田中がお岩を演じている。73年「ファイヤーマン」第7話(日本テレビ)で宇宙生物学者を演じたのを最後に出演記録はない。

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